Twitchにて「チャンネルで残しておける動画」に合計100時間の制限導入へ。配信アーカイブではなくダイジェストなどが対象、4月19日より
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Amazon傘下の配信プラットフォームTwitchは2月20日、ダイジェストおよびアップロードされたビデオの総時間について、1アカウントごとに100時間の上限を設けることを発表した。この制限は2025年4月19日より適用される予定だ。
Twitchはライブコンテンツを提供する配信プラットフォームだ。ゲームの実況配信などを中心に発展し、国内外問わずストリーマーや一般ユーザーに広く利用されている。また企業やメーカーからも活用されており、eスポーツ大会などイベントの配信プラットフォームとしても採用されている。このほか音楽、アート、雑談といった、ゲーム以外のジャンルでも広く利用されているプラットフォームだ。
Twitchでは配信のアーカイブなどをダイジェストとして編集できる機能が存在。またTwitchに動画ファイルをアップロードする機能もあり、各種動画コンテンツを投稿/公開することが可能となっている。
Twitchは2月20日、「Twitchのオンデマンドコンテンツ」のページにて、ダイジェストとアップロードされたビデオに関する制限について告知。発表によれば、2025年4月19日より、公開状況に関わらず、すべてのダイジェストおよびアップロードされたビデオについて、1アカウントにつき100時間の上限が設けられた。なおこの制限について、Twitchにおける配信アーカイブ(VOD)は対象外となっている。
ただTwitchでは過去の配信のアーカイブの保存期間が決められている。Twitch パートナーやAmazon Primeユーザー、Twitch専用サブスクリプションプランTurboに加入しているユーザーであれば60日間、その他ユーザーであれば基本的に7日間、といったかたちだ。つまりどんなユーザーであれ、配信の内容を2か月以上残しておきたければ、ダイジェストおよびアップロードをおこなう必要があったというわけだ。
長期にわたって配信しているストリーマーやチャンネルでは、累計で100時間以上の映像が残っている可能性もあるだろう。そうした動画コンテンツについても削除される可能性があると告知されている。ちなみに4月19日以降は超過した分のダイジェストとアップロードについて、視聴数が少ない順に削除されていくとのこと。また合計100時間以上のコンテンツを投稿しているストリーマーなどに向けては、通知ボックスやビデオプロデューサーページで直接通知がおこなわれるという。
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なお今回の変更にあたってTwitchは、ダイジェスト機能が想定より視聴者のエンゲージを獲得できる機能になっていなかったと説明。そのうえで一部のユーザーのダイジェストやアップロードは数千時間分にも及ぶことがあり、システムへの大きな負担になっていたとのこと。Twitch は100時間のストレージ制限によって影響を受けるアクティブなチャンネルは全体の0.5%未満、全体視聴時間の0.1%未満としており、限定的であることをアピールしている。
とはいえ長期にわたって録画を残す必要のあるスピードラン(RTA)や、配信者の過去動画などが消えてしまう懸念もあり、コミュニティでは様々な反応が見られる。Twitch側はすべてのVODを保存したいユーザーに向けて、TwitchアカウントとYouTubeアカウントをリンクし、YouTubeへ直接VODをエクスポートするように案内している。
ちなみにTwitchについては2024年2月に、運営コストが極めて高額として、韓国でのサービスを打ち切っていた(関連記事)。また昨年には全従業員の35%におよぶ人員削減がおこなわれたり、長期にわたって採算がとれていないことが伝えられていたりなど、運営に苦心している様子も垣間見える(関連記事)。負荷の軽減によるランニングコストの削減も今回の「100時間のストレージ制限」の背景としてあるのだろう。