Twitchが韓国でのサービスを2024年2月で終了へ。運営コストが他国に比べて「約10倍」高いため

 

Twitchは日本時間12月6日、韓国におけるTwitchのサービスについて、2024年2月27日をもって終了することを告知した。理由として、韓国でのTwitch運営コストが極めて高額になったことを挙げている。


Twitchはライブコンテンツを提供する配信プラットフォームサービスだ。ゲームの実況配信などを中心に発展し、国内外の本業ストリーマーや一般ユーザーにも広く利用されている。またメーカーにも活用されており、eスポーツ大会などイベントの配信プラットフォームとしても利用されている。また音楽やアート、雑談など、ゲーム以外の分野でも使われている。

そんなTwitchについて、2024年2月27日をもって韓国でのサービスが終了されることが発表された。Twitchの公式ブログによると、理由は「韓国でのTwitchの運営コストが極めて高額になってしまった」ことだという。

韓国では、大規模なコンテンツ事業者がプロバイダーに対して回線使用料を支払うようにすべきかどうかを巡って問題となるケースも見られる。たとえば2020年にはNetflixと韓国のインターネットサービスプロバイダーであるSKブロードバンド間で訴訟が発生。SKブロードバンドがNetflix利用者のトラフィックが急増しているとして、ほかの利用者のインターネット環境を守るための対応が必要になったと主張し、「ネットワーク使用料」を求めたことが発端とされる。Netflix側は特定サービスに対するネットワーク使用料の要求はネットワーク中立性に反するとして訴訟を提起し、係争が続いていた(日経クロステック)。なお現在は同訴訟は取り下げられ、双方は合意に達している(Reuters)。


そうした背景もあってか、Twitchもネットワーク使用料を巡る施策をおこなってきたようだ。2022年に韓国内でのサービス提供のランニングコスト削減のため、P2Pモデル配信や、画質の720p制限を試みてきた。しかしそれでも諸外国に比べネットワーク料金が約10倍高額のままであったとのこと。そのため多くの損失を計上しており、ビジネスの継続が困難となっているため、今回の韓国撤退を決定したようだ。

Twitchはこの告知とともに、韓国以外のユーザーに向けてもサービス終了による影響について発表した。まず韓国以外に在住していて、韓国からの視聴者が多いストリーマーには、本日Twitchから減収の可能性が伝えられるという。また韓国在住のストリーマーへのサブスクライブは2024年2月27日をもって自動的に「更新しない」に設定され、払戻しの受け付けもおこなわれるとのこと。


Twitchは公式ブログで、今回の決断は苦渋の選択であると述べ、Twitchでのコミュニティ構築に寄与した韓国のストリーマーに対して感謝の意を表した。なお韓国のTwitchストリーマーについては、現在いくつかの他のライブ配信サービスとの連絡を取りあっており、スムーズに移行できるようにサポートしていくとのことだ。


ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。