『トモダチコレクション』シリーズ、「米国で売れなくて叱られていた」と元NoA社員が悲し気な懐古。ヨーロッパほど売れない理由を問い詰められて

先日の「トモダチコレクション わくわく生活 Direct」配信告知投稿を発端として、元NoA社員による悲哀が伝えられている。

任天堂は2026年春に『トモダチコレクション わくわく生活』を発売する予定だ。また日本時間1月29日23時には全世界で「トモダチコレクション わくわく生活 Direct」を配信予定。この配信告知のユーザー反応に対し、元Nintendo of America(NoA)社員が、同社在籍中に、本シリーズのようなカジュアルゲームがアメリカでは他地域ほど売れていないことを「叱責された」と明かしている。GamesRadar+などが報じている。

『トモダチコレクション わくわく生活』は、『トモダチコレクション』シリーズ最新作だ。海に浮かぶ小さな島を舞台に、管理人として島に暮らすMiiたちを見守る。これまでのシリーズ同様、Mii同士のシュールで不思議な交流模様も楽しめるようだ。

『トモダチコレクション』(以下、トモコレ)は2009年にニンテンドーDS向けにリリースされた。同作は日本国内でのみの販売だったが、2013年にニンテンドー3DS向けに発売された『トモダチコレクション 新生活』では海外にも展開(海外向けには2014年発売)。そして同作から約13年の時を経て、Nintendo Switch向けにシリーズ最新作『トモダチコレクション わくわく生活』が発売されることが発表された。

[AD]

1月26日、任天堂は「トモダチコレクション わくわく生活 Direct」を1月29日23時より配信すると発表した。約20分の番組内で、本作の詳細がお披露目されるようだ。この告知はNoANintendo of Europe(NoE)でも実施されている。

ところがそんなXの告知ポストについて、あるユーザーが「ユーザー反応数」の観点から見解を述べた。Kābī氏は日本向けの告知ポストが1月27日時点ですでに3万8000件ものいいねを集めていると指摘。NoAでも2万いいねとなっているが、NoEのポストはそれと比較すると非常にいいねの数が少ないとしており、ヨーロッパ圏における『トモコレ』への関心が低いとする見方を示した。

本稿執筆時点で当該ポストのいいね数を比べると、日本語投稿が約6.9万いいね、NoA投稿が約4.3万いいね、NoE投稿が約6000いいねとなっている。リポスト数もいいね数に比例するような関係となっており、少なくともXの反応を見る限りでは、ヨーロッパでは『トモコレ』人気はさほど高くないようにも見える。

しかし元NoA社員のKit Ellis氏によれば、かつて欧州と米国ではその傾向はまったく逆だったそうだ。同氏は2009年から2022年までソーシャルメディアマーケティングおよびコンテンツ部門のディレクターを務めていた人物だ。Ellis氏は当時の経験を踏まえてか、『トモコレ』のようなタイプのカジュアルなゲームは、アメリカよりもしばしばヨーロッパでの売れ行きの方が良くなると述べている。そしてNoAに勤めていた同氏は、「NoEよりカジュアルゲームの売れ行きが良くない理由」を問われて叱責されることがよくあったと述懐している。

実際に2015年2月17日に実施された第3四半期決算説明会での説明を確認すると、『Tomodachi Life』(『トモダチコレクション 新生活』の英題)が、ヨーロッパで「非常に息の長い興味深い売れ方」をしていると伝えられている。先述の通り、2009年発売の『トモダチコレクション』は海外向けには未発売。そのため『Tomodachi Life』は実質的に新規IPとしての登場となるが、すでに海外でも人気であった『どうぶつの森』シリーズの『Animal Crossing : New Leaf』(『とびだせ どうぶつの森』の英題)に比肩する売上を記録していた模様。後述のグラフは2013年6月14日に発売された『Animal Crossing : New Leaf』と、2014年6月6日に発売された『Tomodachi Life』の週刊売上の推移だ。初動の売上こそ『Animal Crossing : New Leaf』に軍配が上がるものの、発売1か月以降は両作ともほぼ同水準の売れ行きを記録していた。

『Tomodachi Life』および『Animal Crossing : New Leaf』の販売動向(縦軸:本、横軸:週)
Image Credit: 任天堂 on Web

このように、安定した売れ行きだったこともあってか、『Tomodachi Life』は発売年の年末まででヨーロッパでは約122万本を記録。この時には世界累計出荷本数が396万本とのことで、売上本数の約3割を占めている計算になる。ちなみに『Animal Crossing : New Leaf』はほぼ同期間で約128万本を記録。『Tomodachi Life』は当時のヨーロッパで、同じくカジュアルゲームとして人気の『どうぶつの森』シリーズ作品並に売れていたタイトルといえるだろう。

さらに岩田聡氏の当時の説明によれば、フランス1国での売上がアメリカでの売上を上回っているとも伝えられており、セールス面でヨーロッパはアメリカに大きく水をあけていた様子もうかがえる。アメリカで売れないというよりは、ヨーロッパでやたらと人気があったといえるかもしれない。ちなみに岩田氏は当時、業界内で他に競合するソフトが少なく、女性にもアピールできるといった『Tomodachi Life』の強みを挙げていた。

いずれにせよそうした傾向から、Ellis氏は会議でたびたびプレッシャーをかけられることになったようだ。今回の同氏の投稿からは、同氏がNoAに在籍していた当時『トモコレ』を含むカジュアル系ゲームの人気が地域によって異なっていたことがうかがえる。とはいえ今回の公式ポストに限っていえば、米国のXアカウントの投稿はヨーロッパの公式Xアカウントの投稿よりも非常に多くの反応を集めている。時代も変わり、米国でも『トモコレ』をはじめとするカジュアル系ゲームのファンベースが厚みを増した可能性もあるかもしれない。『トモダチコレクション わくわく生活』においては、米国での盛り上がりや売上状況も注目されるところだ。

『トモダチコレクション わくわく生活』は2026年にNintendo Switch向けにリリース予定だ。「トモダチコレクション わくわく生活 Direct」は1月29日23時より配信予定だ。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

記事本文: 1749