『塊魂』の生みの親・高橋慶太氏、「新作『to a T』が売れなかった」こともあり日本に帰国していた。今後は未定だけど“『塊魂』の新アイデア”はあり
『塊魂』シリーズの生みの親であるクリエイターの高橋慶太氏が、日本に帰国したことを明かしている。

『塊魂』シリーズの生みの親であるクリエイターの高橋慶太氏に対して海外メディアGamesRadar+がインタビューを実施。このなかで同氏は米国・サンフランシスコから日本に帰国したことを明かしている。
高橋慶太氏は元バンダイナムコゲームスで『塊魂』シリーズを手がけたことで知られるクリエイターだ。2010年に同社を退職してからは、uvulaを設立。Adam Saltsman氏らと『A͈L͈P͈H͈A͈B͈E͈T͈』を開発したほか、Funomenaが手がける『Wattam(ワッタン)』の開発に携わっていた。直近ではuvulaのチームにて手がけた新作『to a T』を2025年5月にリリースしている。

今回そんな高橋氏に向けてGamesRadar+がメールインタビューを実施。『to a T』に関するさまざまな質問がおこなわれるなかで、同氏は日本に帰国していたことを明かした。同氏は直近ではサンフランシスコを拠点にしていることを報告していたが、最近日本に戻り、子どもたちをサポートしながら学校探しをしているという。つまり今後は再び日本で暮らしていく予定なのだろう。
高橋氏は帰国の理由のひとつとして「『to a T』が売れなかったから」だと明かしている。とはいえこれも、インディー開発者としてのリスクとして覚悟していたことだという。
また高橋氏はゲームが売れるかどうかは作品がニッチかどうか、伝統的かどうかではなく人々がそれを気に入るどうかの問題だと考えているとのこと。新しいアイデアの余地はまだあると信じているものの、残念ながら『to a T』はうまくハマらなかったとしつつ、現実として受け入れていることを伝えている。
なお現在のゲーム業界は、奇妙で実験的なゲームが受け入れられづらくなっているのかどうかを訊かれた高橋氏は、(全体としてはわからないものの)少なくとも自分にとっては確実に難しくなっていると返答。とはいえもしuvulaに投資してくれる人がいたらぜひ連絡してほしいと述べており、「楽しくて変なゲーム」を開発することへの意欲を覗かせている。
ただ先述のとおり高橋氏の現状の目標は子どもたちのサポートだという。帰国後の同氏の活動は未定のようで、もしゲーム業界に居場所がないと感じたら別の道を探すことになるかもしれないともコメントしている。

ちなみに『塊魂』シリーズの開発に復帰する可能性を訊かれた同氏は「『塊魂』のIPを自分がもっていればよかったんですけどね :)(I wish I had the Katamari Damacy IP :))」と絵文字を添えつつ回答。同シリーズについて自分しか思いつかないようなアイデアもあると伝えている。ふたたびバンダイナムコゲームスと一緒に仕事する機会があれば、非常に興味深いプロジェクトにできる自信があるそうだ。いずれにせよ、今でも同作やキャラクターが愛されていることを嬉しく思うと伝えている。
なお『to a T』はSteamにて本稿執筆時点で169件中87%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。なかなかの好評ぶりながら、米国にて生活を続けるための収益には繋がらなかったようだ。今年に入って米国では物価の高騰も伝えられており、一因としてあるのかもしれない。帰国後の高橋氏がふたたびアイデアの光る新作を世に送り出してくれるかどうかも含めて、uvulaの今後の活動にも注目したい。
『to a T』はPC(Steam)/Xbox Series X|S向けに配信中だ。
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