スーパー「スーパーマリオ」オーナーが「米任天堂との商標争いに勝った」と報告。マリオさんのスーパーなのでスーパーマリオ
中米・コスタリカの食料品店「スーパーマリオ」のオーナーが、SNS上で「任天堂との商標争いに勝利した」と報告。小さな食料品店が任天堂に“勝利宣言”をしたことで、注目を集めている。Polygonが伝えている。
「SÚPER MARIO(スーパーマリオ)」は、中米コスタリカにあるサン・ラモンで営まれている食料品店だ。人口1万人にも満たないこの町でスーパーを経営するのは、Jose Mario Alfaro González氏。つまり「マリオ(Mario)さんが運営するスーパーマーケット」というわけである。同店の公式Facebookでの発信を見る限り変わったところはなく、地元に根付いたお店という印象。ただ変わった点があるとすれば、任天堂の言わずと知れた人気IP『スーパーマリオ』と「名前が完全にだだ被り」であることだ。
そんな「SÚPER MARIO」公式Facebookアカウントが1月29日、任天堂との商標権争いに勝利したと報告し、注目が寄せられている。上述の投稿およびPolygonの報道によれば、任天堂の米国法人であるNintendo of Americaは2024年7月、 González氏がもつ「SÚPER MARIO」の商標について異議申し立てをおこなっていたとのこと。
任天堂はコスタリカでも、ビデオゲームなどの分野における『スーパーマリオ』の商標を保有しているそうだ。ただし、González氏による「SÚPER MARIO」の商標は、任天堂がコスタリカで押さえていない「食料品店の商標」として登録されていたという。厳密にいえばGonzález氏は、「canasta básica(基礎的食料品)」と呼ばれる品目を扱う店としての商標を、2013年より保有していたようだ。
そしてGonzález氏が2024年に商標権を更新しようとしたところ、Nintendo of Americaによる異議申し立てがおこなわれた、といった流れのようである。González氏側代理人がPolygonに語ったところによれば、任天堂側は「canasta básica以外に属する商品も販売している」「『スーパーマリオ』の画像を宣伝に利用したり、関連商品を扱ったりしている」と主張したそうだ。
一方のGonzález氏側は、あくまでも商標登録の範囲内での商品しか販売しておらず、Nintendo of Americaの商品を宣伝に利用したことはないと主張。また、「スーパー(SÚPER)」という言葉は、現地では食料品店を指す言葉として浸透していると指摘した。この感覚は日本語において食料品店を指す「スーパー」の用いられ方と似ているようだ。
González氏によれば、コスタリカの当局はそうした事情を踏まえて、今回のNintendo of Americaによる異議申し立てを棄却。同氏はコスタリカの食料品店としての「スーパーマリオ」の商標登録更新に成功したという。そうして、今回のFacebookにおける“勝利宣言”に至ったというわけだ。とはいえ、Nintendo of America側が今回の判断に改めて異議を申し立てる可能性も残っているだろう。