『ストリートファイター6』に「石とバトルする」珍要素ひっそり実装。“サガット繋がり”で蘇った動く石、牙をむく

カプコンは8月5日、『ストリートファイター6』のYear 3追加キャラクター第1弾である「サガット」を配信。あわせてワールドツアーに隠されたある仕掛けが話題を呼んでいる。

カプコンは8月5日、『ストリートファイター6』のYear 3追加キャラクター第1弾である「サガット」を配信した。サガットのキャラ性能に注目が集まる中、ワールドツアーに隠されたある仕掛けが話題を呼んでいる。

サガットは初代『ストリートファイター』より登場してきたキャラクターで、タイ出身のムエタイの帝王だ。元シャドルー四天王ながら、『ストリートファイターIV』ではシャドルーと距離を取るなど、誇り高き戦士としての一面も見せる。ゲームプレイでは撃ち分け可能な「タイガーショット」を活かした“飛ばせて落とす”能力に秀でている。

本作ではサガットの実装に合わせて、「ワールドツアー」モードにも、プレイヤーキャラの師匠としてサガットが追加。あわせてサガットステージの「孤高の峰」もマップとして追加され、NPCとの対戦も可能となっている。そんな中、ある“特別な”NPCとの対戦がSNSにて話題を呼んでいる。なんと、「石」との対戦が可能なのだ。

対戦相手はその名も「神秘の石」で、孤高の峰に配置されたある石をインタラクトすることで対戦が可能となる。石であるため、基本は地べたを移動。プレイヤーキャラの足元ほどしか高さもないため、基本的に下段攻撃しかヒットしない。また、下段からの突進攻撃も使うため、適宜しゃがみガードやパリィでしのぐか、ジャンプして反撃を狙うとよいだろう。どう見ても格闘ゲームとは思えない、非常にシュールな絵面だが、神秘の石が動き回り、対戦を行えるのにはある特別な理由がある。

神秘の石の発端は1991年発売の『ストリートファイターⅡ』にさかのぼる。同作のディレクター・デザイナーである西谷亮氏の2013年の投稿によると、開発当時、プログラマーから「リュウの鳥かごの目印に使われたくないから、サガットステージの石の位置を微妙にランダムにしたい」という要望があったとのこと。鳥かごとは、相手を画面端に追い込み、飛び道具で動きを固めてしまう戦法。当時は強力な戦法であり、石が固定の位置にあると相手を追い込む際の目印に利用されうるため、そうした要望が出たようだ。

西谷氏はその後「動く石」を実装したかどうか忘れてしまったと書いていたが、2016年にファンブログを運営しているりょう氏により、サガットステージの石がラウンドごとランダムに動いていることが検証された。これを受けてサガットステージの動く石は、一部コミュニティの中でも有名な話となったのだ。

ある種のネットミームとなった『ストリートファイターⅡ』の動く石が、サガット実装に際して『ストリートファイター6』のワールドツアーでも取り入れられたかたちだろう。動くどころかまさかの対戦相手として、プレイヤーの前に立ちはだかるわけだ。

ちなみに、対戦モードでのサガットステージでは、石の移動はない様子。『ストⅡ』ほど鳥かご戦法が強力ではなくなったため、そうした配慮も必要なくなったのだろう。とはいえ、「ワールドツアー」にて実装された本要素は、往年のファンを喜ばせつつ話題を博しているようだ。


『ストリートファイター6』は、PC(Steam)およびPS4/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2向けに販売中だ。

Haru Takitoh
Haru Takitoh

アクションゲームとゲーム音楽が好きです。一番好きなゲームは『アーマード・コア6』、衝撃を受けたゲーム音楽は『サルゲッチュ』。

記事本文: 56