2025年12月は「Steam史上もっとも売れた12月」だったとの調査報告。ヒット作の“止まない人気”でコロナ禍超えの収益に
長期にわたって人気を維持し続けている作品の存在に加え、ゲーム市場全体の拡大傾向も浮かび上がっている。

Steamでの昨年末の収益が過去最高であったとの調査結果が、ゲーム市場データ分析会社Alinea Analyticsより発表された。『ARC Raiders』や『R.E.P.O.』をはじめとする、長期にわたって人気を維持し続けている作品の存在に加え、ゲーム市場全体の拡大傾向も浮かび上がっている。
Alinea Analyticsが公開したレポートではまず、2025年の12月は、Steamにおける歴代最高収益を記録した12月であったとされている。同社の推計によると、1億人以上のプレイヤーによって、16億ドル(約2500億円)の総収入が生み出されたとのこと。この数値は2024年12月と比べると22.7%の増加となっている。またこれまでの最高額は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック期と重なり大きな増加を見せた2020月12月の14億ドル(約2200億円)であり、2025年12月はそれすら上回る値となっているわけだ。
この背景には、2025年に大ヒットとなった『ARC Raiders』の躍進があるようだ。同作はFPSゲーム『THE FINALS』の開発で知られるEmbark Studiosが手がけたPvPvE形式の脱出シューター。「ARC」と呼ばれる謎の機械に支配された地球で、プレイヤーは地表を探索して拠点に物資を持ち帰ることを目指す。2025年10月30日にリリースされ、すでに発売から約2か月ほどが経過したが、最大同時接続プレイヤー数が発売当初のおよそ9割を維持するなど、その人気を保持し続けている(関連記事)。

Alinea Analyticsによれば、『ARC Raiders』は2025年12月21日から2026年1月4日までの2週間だけで120万本を売り上げて1位を記録。各プラットフォームで20%オフのセールや大型アップデートが実施されたこともホリデーシーズンの勢いを加速させたようだ。なお、同作のこれまでの売上を合算すると、全プラットフォームで累計1200万本を販売し、総収益は3億5000万ドル(約550億円)に上るという。販売本数のうち700万本がSteamでの売上であるとのこと。
また12月の収益増加については、ウィンターセールの影響も大きいようだ。Alinea Analyticsは同期間におけるSteamでの販売本数のランキングを作成。『PEAK』『R.E.P.O.』『Battlefield 6』といった常連タイトルが並ぶが、注目すべきは発売からかなり期間が経った作品も複数名を連ねている点だ。『Detroit: Become Human』『ICARUS』『Slay the Spire』と、いずれも「Steamウィンターセール」により90%オフの過去最安値を記録したタイトルとなっている。セールによって売上本数を伸ばしたタイトルについては、1本あたりの価格の低さから収益自体はさほど大きなものではないとされている。とはいえ数多くの作品による売上の積み重ねが歴代最高収益を記録するための後押しとなった可能性はあるだろう。

ところで、今回報告された出来事からは、ゲーム市場全体の成長具合も見てとれる。ゲーム市場調査会社Newzooが公開した2022年のレポートによれば、世界のゲーム市場規模について、パンデミックを経た2020年と2021年では大きな成長を見せたものの、2022年には前年比5.1%減を記録。マイナス成長となるのは、同社が統計を開始して以来初めてだと伝えられていた。パンデミック特需の反動に加え、大型タイトルの延期がおこなわれたことも理由とされていた。実際に当時、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『Starfield』『ホグワーツ・レガシー』など複数のタイトルの発売日が翌2023年へと変更されていた。
一方で、先日公開された2025年のレポートでは、2025年の総収益が1967億ドル(約31兆円)と見積もられており、パンデミック後の2021年に匹敵する水準に戻っていることがわかる。直近3年間では着実にプラス成長を続けており、今後も2028年にかけて右肩上がりで成長を続けるとの推計もおこなわれている。

Steamに限定してもプレイヤーベースは拡大しており、2025年3月には同時接続ユーザー数が4000万人の大台を突破。今年1月4日には4181万6052人に到達し歴代最高記録を更新していた(SteamDB)。先に述べたようにすでに定番とも言えるゲームについて、過去最安値となる特別なセールが実施されていたとはいえ、セールきっかけに人気の新作タイトルに引けをとらないレベルで売れていることからは市場に新たなユーザー層が流入してきていることもうかがえる。
そのため、業界全体がコロナ禍以来となる活性化の様相を見せる中で、未曾有のヒット作が多発したことが今回の結果を生んだのだろう。とはいえ2026年についてはメモリをはじめとする世界的な半導体不足など、特にPCゲーム業界に影響しうるマイナス要因も見受けられる。今後どのように推移していくのかも注目されるところだろう。
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