Steamでは「レビューが持ち直すとちゃんと購入されやすくなる」との調査報告。改善アップデートは新規プレイヤー増加にも繋がる可能性
Steamでレビューのスコアが大きく好転した場合、“購入されやすさ”にも影響を与える傾向を示す調査結果が公開された。

Steamでレビューのスコアが大きく好転した場合、“購入されやすさ”にも影響を与える傾向を示す調査結果が公開された。ユーザーのフィードバックをもとにゲームの改善を継続することで、新規プレイヤーにも大きな影響を与える可能性が示唆されている。GamesIndusrty.bizが伝えている。
ゲーム市場調査会社Gamesightは1月6日に、「Q1 2026 Performance Marketing Report」を公開。広告ネットワークの種類、価格帯、Steamでのユーザーレビュースコアなどがゲームの売れ方にどのように影響するかを分析したレポートだ。本レポートでは「コンバージョン率」をゲームの広告のタッチポイント(表示やクリックなど)のうちインストールに繋がった割合として定義。さまざまな側面からコンバージョン率の変動を分析している。なお、Gamesightの独自データに加えて、Steamの統計を提供するGamalyticのデータに基づいた分析とのこと。

そして本レポートによると、ゲームにバグ修正などのアップデートがおこなわれ、Steamユーザーレビューのステータスが「賛否両論」から「非常に好評」に改善された場合、コンバージョン率が概ね3倍に上昇すると示されている。一方で、基本プレイ無料のゲームでは、レビューはコンバージョン率にほとんど影響しないという。Gamesightはこれについて、無料のゲームはそもそもコストの面でのハードルがないためだと分析している。購入金額に見合った価値があるのかどうかユーザーが決める上で、レビューが大きな判断要素となっていることも伺える。
さらにGamesightは実例として、とあるゲームの21か月間の平均レビュースコアとコンバージョン率のデータを公表。グラフを見ると、発売から数か月が経過してからは、2~3%のコンバージョン率を維持していたものの、平均レビュースコアが急上昇し「圧倒的に好評」ステータスに到達した10か月目には、コンバージョン率が7%近くまで大きく上昇している。このタイミングは、極めて要望の多かった機能がアップデートで追加された時だという。集計期間中は常に75%以上の好評率であり、わずかなユーザー評価の上昇であるにもかかわらず、連動してコンバージョン率が大きく上昇しているわけだ。

ちなみに、コンバージョン率の急上昇後もプラスの効果が見られ、平均値は以前の2.5%から3.8%へと上昇している。Gamesightはゲームを改善することについて、マーケティングのパフォーマンスを劇的に引き上げる可能性があり、一時的なブーストを超えた持続的な恩恵をもたらすと分析している。一方、今回の例で見られたコンバージョン率の急上昇はホリデーシーズンのセール中に起きたという。ホリデーシーズン後も効果は持続しているものの、タイミングや季節性、プロモーションの背景などを考慮することの重要性も浮き彫りになっている。

なお、今回集計されているコンバージョン率については、同時接続プレイヤー数などのデータは異なり、広告をきっかけにゲームをインストールする新規プレイヤーが主な対象となるデータだろう。買い切りゲームの場合、継続して売上を立てるためには新規プレイヤーの獲得が重要となる中で、一見既存プレイヤーへの“サービス”にも見えるアップデートが、純粋に新規プレイヤーの獲得に繋がる可能性があることを示している点は興味深い。
このほか、ゲームの改善によって既存プレイヤーが新規プレイヤーを呼び込むような二次的な効果もあるのかもしれない。昨今のゲーム市場では、インフルエンサーによるSNSでの発信や、友人間での口コミが作品の人気に及ぼす影響は大きい。アップデートを契機に動画配信サイトやSNS上での継続的な盛り上がりに繋がる例もあるほか、既存プレイヤーの要望がアップデートにより叶った結果、他のユーザーに勧めやすくなるといったケースは多少なりともあるのだろう。

ただ、Steamにおいてはユーザーレビュースコアが向上しても必ずしもストアでの露出が増えるわけではない点には留意したい。Steamの公式ドキュメントにおいては、好評率が40%を下回って「やや不評」ステータスを得た場合、ストアにおける露出に悪影響が生じることが示されるに留まっている。つまりすでに「賛否両論」のステータスを得ていれば、それ以上ステータスが向上してもストア上での露出が増えるわけではないようだ。
この裏付けとして、Steamを運営するValveへの取材をもとに、ゲーム市場調査会社GameDiscoverCoの創設者Simon Carless氏が公開した記事では、40%以上で「賛否両論」よりも良いレビュースコアであれば、アルゴリズムによる影響を受けないことが明言されていた。Carless氏は、レビューステータスを高く保つことでプレイヤーの購買意欲の低下を防げる可能性に言及しつつ、たとえ高い好評率を得たとしても売上が顕著に上昇する保証はないと結論づけている。
そのため今回Gamesightが公開したレポートにおけるデータは、あくまで広告へのタッチポイントをきっかけにしたユーザーの購入率に限定される点には留意すべきだろう。たとえば広告からストアページに遷移した場合に、ユーザーレビュースコアが高い作品は買われやすいといった傾向を示すデータといえるかもしれない。いずれにせよ、アップデートによる改善の重要性を改めて示す分析結果と言えそうだ。
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