『Stardew Valley』開発者、「生きているかぎり絶対に有料DLCは出さない」と宣言。何が何でも無料でアプデ・コンテンツ追加する


『Stardew Valley』を手がけるEric Barone氏はXアカウントにて7月22日、同作PC版向けに配信されたアップデート1.6の、コンソール/モバイル向け配信に向けて対応を進めていることを改めて明かした。その発表に対するユーザー反応への返信にて、Barone氏は有料DLCや有料アップデートを絶対におこなわない、と宣言し話題となっている。海外メディアPC Gamerなどが報じている。

『Stardew Valley』は、Eric Barone氏によるスタジオConcernedApeが手がける牧場経営シミュレーションゲームだ。本作は2016年2月27日にPC向けに配信され、のちにPS4/Xbox One/Nintendo Switch/モバイル向けにもリリースされた。本作の舞台となるのは、自然豊かなスターデューバレー。都会での仕事暮らしにうんざりした主人公は、この地に祖父が遺した牧場を訪れる。しかし牧場は荒れ果て、村はさびれていた。プレイヤーはこの土地を復興するため、農業・採掘・釣り・交流・ダンジョン探索などの要素をこなしつつ、牧場主として暮らしていくことになる。


本作PC版向けには、3月20日に大型アップデート1.6が配信開始。エンドコンテンツや新たな牧場タイプが追加された。ほかペットを複数飼えるようになる、新たなイベントが実装されるといった新要素が数多く追加されている。

このアップデート1.6がPC向けに配信された後も何度かアップデートがおこなわれ、新要素実装や内容のブラッシュアップが図られている。なおBarone氏はこのアップデート1.6が全プラットフォームに向けて配信された以降は、新作『Haunted Chocolatier』の開発に本格的に移行する方針をすでに伝えている(関連記事)。


一方で本稿執筆時点では、アップデート1.6はPC向け以外には配信されていない。現在Barone氏はコンソール/モバイル向けへのアップデート1.6の配信に向けた作業を進めているようで、7月22日には、その作業が進行中であることを改めて明かした。またPC向けにはアップデート1.6.9の配信も準備しているとのこと。

この発表にユーザーからは多くの反応が集まった。そのなかで、あるユーザーがBarone氏に対し、追加コンテンツが完全に無料である限り、ユーザーたちは待たされたとしても文句を言うことはないだろう、としつつ感謝の言葉を述べた。Barone氏はそんなユーザーへの返信として「目の黒いうちはDLCやアップデートでお金を取ることはない」と明言している。


本作は複数回にわたって無料の大型アップデートを実施し、そのたびに新規コンテンツや追加コンテンツが大量に実装されてきた。Steam向けには有料のサウンドトラックこそ配信されているものの、ゲーム本編におけるコンテンツアップデートはすべて無料となっている。

そうした方針はBarone氏のこだわりでもあるようだ。「一族の名誉に誓って(I swear on the honor of my family name)」と前置きし、「誓いを破ったなら、この投稿のスクリーンショットを撮って晒してほしい(Screencap this and shame me if I ever violate this oath)」と述べている。Barone氏が有料DLCやアップデートを絶対に避けたいという想いも垣間見える。高い人気を博し、大規模アップデートも複数回続けられてきた『Stardew Valley』ながら、ユーザーからゲーム本編以上のお金をとる方針はないようだ。改めてBarone氏によって断言されたことで、ファンからは称賛や感謝の声も寄せられている。

ちなみに開発元が同様の方針を宣言したゲームとして、直近ではライフシム『Paralives』が記憶に新しい(関連記事)。生活系のゲームは長くサポートが続けられてユーザーコミュニティが賑わいを見せる例も多く、マネタイズよりもユーザーへの感謝やユーザー間で体験に差が出ないことを優先する狙いもあるのかもしれない。いずれにせよ、コンテンツ追加の無料宣言がおこなわれる作品はじっくりと遊び続けたいユーザーにとって嬉しい方針といえるだろう。

『Stardew Valley』はPC(Steam/GOG.com/Microsoft Store) /Xbox One/Nintendo Switch/iOS/Android向けに配信中。バージョン1.6以降のアップデートは現在PC向けに配信されており、モバイル/コンソール向けの移植作業が進められている。