『Slay the Spire 2』新アプデで「準備」の下方修正を即撤回。大波乱の末、“わずか1週間”で元の性能に

「準備」は前回のv0.100.0パッチで大幅なリワークが施されたが、1日で約1万件にもおよぶ不評レビューが投じられるなど波紋を呼んでいた。

デベロッパーのMega Critは3月27日、『Slay the Spire 2』ベータブランチ向けのアップデートv0.101.0を配信した。主にカードバランスを中心にさまざまな調整が施されているが、なかでも「準備」を従来の性能へ差し戻した点が注目を集めている。「準備」は前回のv0.100.0パッチで大幅なリワークが施されたが、1日で約1万件にもおよぶ不評レビューが投じられるなど波紋を呼んでいた。

『Slay the Spire 2』はMega Critが手がけるデッキ構築型ローグライクゲームだ。2017年に早期アクセス配信を開始し人気を博した『Slay the Spire』の続編として、今年3月6日にリリースされた。本作では、プレイヤーは三層に重なる塔をモンスターとの戦闘を挟みながら登頂していく。戦闘は毎ターンデッキから引かれる5枚のカードの中から行動を選択して進行する。カードは戦闘報酬などで1枚ずつ入手でき、塔を登るたびにデッキ構成が変化していく。こうしたローグライク要素による予測不能なプレイ体験が本作の最大の特色となっている。

そんな本作に向けて3月27日、物議を醸したv0.100.0パッチから約1週間ぶりとなるベータ向けアップデートv0.101.0を配信。パッチノートではさまざまなバグ修正やバランス調整について触れられているが、なかでも「準備」、「借り物の時間」、「霊魂抽出」の3枚について前回アップデート以前の仕様へと戻す方針が明らかにされ、注目を集めている。

議論の的となっていたサイレントの「準備」は、0エナジーのコモン・スキルカードで「カードを1枚引く。カードを1枚捨てる。」という効果を持つ。手札を捨てることで効果を発動する「スライ」が多く含まれるサイレントにおいては性能が過剰と判断され、3月20日に配信されたベータ向けパッチv0.100.0にて大幅なリワークが施されていた。リワーク後は英語名が「Prepared」から「Prepare」へと変更され、効果も1エナジーで「カードを2枚捨てる。次のターン2エナジーを得る。」という内容へと調整されていた。

こうした調整を受けて、Steamではいわゆるレビュー爆撃が発生。わずか1日で約1万件にもおよぶ不評レビューが殺到していた。これにより全体ユーザーレビューは好評率が80%を切るまでに減少し、本稿執筆時点では「非常に好評」から「やや好評」へとステータスが下落する事態となっている。こうした反応を受けて翌日にMega Critは声明を発表、本作は早期アクセスのゲームであること、そしてあくまでベータブランチ向けのアップデートであり、ユーザーの反応を見て適宜調整を繰り返していく開発方針を伝えていた(関連記事)。

そうした調整に対するユーザーの反応を受けてか、今回早々にアップデート内容が撤回されたわけだ。Mega Critがパッチノートで語ったところによると、「準備」は依然として「スライ」とのシナジーが強く戦略を支配しすぎていると考えているものの、同カードはサイレントのアイデンティティの中核を担っているため、今後は「スライ」のバランス調整には異なるアプローチを検討する予定だと伝えた。

また同じく前回にナーフ調整が施されていた「借り物の時間」についても、将来的に全面的に見直す予定としつつも、現時点ではどのデッキでも楽しく使えるカードにしたいとし、元の調整へと戻す方針がとられている。

その他のアップデート内容としては、不評の多かったAct3ボス・ドアメーカーに対し行動のランダム性を抑える弱体化が実施。またネオーがマップの1階としてカウントされるようになったことで、序盤のエリート戦の難易度が大きく変化するとされている。従来はエリートが本来あるべき層よりも1階分早く出現してしまっていたそうだ。またアセンション6のGloomの仕様変更について、難易度は上昇したものの満足感や面白さが欠けていたとして将来的に全面的に再設計する方針が伝えられている。

Mega Critはインゲーム・フィードバックを重視した開発方針を明かしており、今回の調整でもそれが大きく役に立ったと公式Xで謝意を伝えている。あくまでベータブランチ向けのアップデートであり、早期アクセスの段階では細やかな調整も示唆されているが、レビュー爆撃というかたちで表面化したプレイヤーのネガティブな反応に、開発元が早々に折れたような格好にも映る今回の調整。インディータイトルとして異例の注目を浴びている『Slay the Spire 2』のアップデートを巡り、Mega Critは難しい舵取りを迫られているのかもしれない。

『Slay the Spire 2』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中だ。なおベータブランチを適用するには、Steamライブラリから『Slay the Spire 2』を右クリックしてプロパティを選択し、「ゲームバージョンとベータ」から「Public-beta」を選択する必要することで反映される。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

記事本文: 64