テトリス風デッキ構築ローグライク『テトリスキャットと地下城』開発中。ブロックが動き回る“奇天烈テトリス”に翻弄されまくるダンジョンバトル

個人デベロッパーの量角器氏は『テトリスキャットと地下城(Tetris Cat and Dungeon)』を開発中だ。対応プラットフォームはPC(Steam)。2026年発売予定となっており、プレイ可能なテストバージョンが公開されている。
『テトリスキャットと地下城』は、テトリスにデッキ構築ローグライトのダンジョン攻略が掛け合わせられた落ち物パズルゲームだ。本作の主人公となる猫族は、地下城に潜む邪悪な生物たちからの侵略に脅かされていた。領土を守り、奪われた宝物を取り戻すため、勇敢な猫族の戦士たちは地下城に挑むこととなる。
ゲームプレイではまず、さまざまな能力をもつ猫から使用キャラ選択。ランダム生成されるダンジョンマップには戦闘やイベントマスが表示されており行先を選んでいく。戦闘はテトリスがベースとなっており、ブロックを消すことで敵にダメージを与え、消したブロックによってさまざまな効果が引き起こされる。敵もこちらを攻撃してくるほか、テトリスフィールドを真っ暗にしたり速くしたりなどさまざまな妨害を繰り出してくる。敵をすべて倒すと3つのカードから1つを選んでデッキに追加。カードはショップでも購入可能となっている。こうして徐々にデッキを強化してダンジョンを攻略するのだ。
本作のカードはブロック(テトロミノ)であり、すべてに異なる特性が付与されている。たとえば周囲のブロックを破壊する爆弾、動き続ける生き物、上に成長し続ける植物、さらには炎・氷・電気属性など周囲のブロックに伝播するものなどがあり、テトリスフィールドは刻々と変化していく。また、消したブロックの種類によっては敵にデバフや状態異常を与えることもでき、ブロックの特性を活用して従来のテトリスとは違った戦略が求められるようだ。


itch.ioには本作の初期テストバージョンが公開されており、ブラウザ上でプレイ可能だ。日本語にも対応している。テストバージョンでは約30種類のブロックが実装されており、さまざまなブロックの特性を体験できるランダムモードも用意。またブラウザだけでなくダウンロード版も配布されており、ダウンロード版ではコントローラーのキーコンフィグも可能となっている。なお、あくまでテストバージョンであるため、猫のスキルなど多くの機能は不完全とのこと。従来のテトリスとは異なる本作ならではのシステムを体験するのもいいだろう。
本作を手がける量角器氏の解説動画によると、本作はピンボールとデッキ構築ローグライトが掛け合わせられた『Peglin』(関連記事)にインスピレーションを受けたという。この二つの組み合わせがゲームになるのであれば、テトリスにもできるはずと思い立ち、約3か月の開発でテストバージョンの公開に至ったようだ。製品版では100種類のブロックが実装予定としており、動画投稿時点では数値バランスの調整に苦戦しているとのこと。
昨今はデッキ構築ローグライトの元祖である『Slay the Spire』と、そのほかのジャンルを掛け合わせたゲームがさまざま存在(関連記事)。中毒性のあるジャンルとして人気を博しており、本作の正式リリース後の行方にも注目されるところだろう。
ちなみに「テトリス(Tetris)」という名称はテトリスホールディングが商標権を有している。過去には類似する名称のゲームが同社からの申し立てを受けてタイトル変更をおこなったことがあり(関連記事)、「テトリス」をタイトル内に含む本作でも懸念されるところかもしれない。ただテトリスホールディングが拠点を置く米国や日本などの国においては、アイデアは著作権保護の対象にならず、ゲームシステムの模倣などは著作権違反とはならないとされる。そのため本作がもしテトリスホールディングの許諾を得ていないとしても、タイトル変更のみで権利関係がクリアな作品として販売できる可能性があるだろう。
『テトリスキャットと地下城(Tetris Cat and Dungeon)』はPC(Steam)にて2026年に発売予定。itch.ioにてプレイ可能な初期バージョンが公開中だ。