人気ローグライトアクション『Rogue Legacy』開発元、なんと「ソースコード丸ごと」オンライン公開。“知識の共有”として惜しげなく披露


デベロッパーのCellar Door Gamesは10月16日、同スタジオが手がけた『Rogue Legacy』について、ゲームのソースコードを公開した。ソースコードはGitHub上で公開されており、誰でも閲覧可能となっている。海外メディアGamesRadar+が報じている。

『Rogue Legacy』は2013年にリリースされたローグライトアクションゲームだ。プレイヤーはプロシージャル生成されるダンジョンを探索する。本作では死んでしまうと最初からやり直しとなり、主人公が子孫へとバトンタッチする。子孫はそれぞれクラスや使用可能なスペルに加え、特有の特性を持ち合わせている。このことにより、同じクラスでも使い勝手が異なるキャラに出会うこともある。そうして跡継ぎに託しつつ、ダンジョンの踏破を目指すこととなる。


Cellar Door Gamesはそんな『Rogue Legacy』を手がけるインディーゲームスタジオだ。2009年に設立され、カナダ・トロントに拠点を置いている。同スタジオは『Rogue Legacy』のほかにも多数のゲームを手がけており、2022年には本作の続編となる『Rogue Legacy 2』をリリースしている。

今回Cellar Door GamesはLinux向けにゲームの移植などをおこなっている開発者Ethan Lee氏の協力を受けつつ、『Rogue Legacy』のソースコードをGitHub上に公開したとXアカウントにて発表した。公開した理由について同スタジオは、「知識の共有」を追求したためとしている。


ゲーム作品にとってソースコードは、作品の具体的な設計や工夫が明らかになる“秘伝のレシピ”ともいえる。本作は発売より10年以上経つゲームながら、オンライン上でのソースコードの公開は異例といえるだろう。この発表は多くの注目を集め、業界関係者からの反応も寄せられている。


たとえばアメリカ・ニューヨーク州にある遊びの博物館(National Museum of Play)にて、デジタル保存ディレクター(Director of Digital Preservation)を務めるAndrew Borman氏もこの投稿に反応。Borman氏は「知識の共有」の追求を表明したCellar Door Gamesに対し、博物館への寄付について協力できないかを打診。Cellar Door Gamesはこれを快諾しており、今後の両者の動向についても注目されるところだ。

ゲームの保存については、日本では赤松健氏が“プレイアブル保存”についての取り組みをおこなっていたり、Embracer Groupが専門部署を設立しゲームの保存活動に取り組んでいたりと、各国でさまざまな取り組みが進められている(関連記事1関連記事2)。なかでもデジタル媒体では、ソースコードが散逸したり、保管されたまま忘れ去られたり、といったケースもある。今回Cellar Door Gamesがおこなった『Rogue Legacy』の公開は、そうした事態を防ぐ、「ゲームの保存」に通じる施策でもあるだろう。

ちなみにソースコードの公開という点では、先月開催された東京ゲームショウ2024にて、カイロソフトが『ゲーム発展国++』のソースコードを出展ブースにて公開し、注目を集めていた(関連記事)。ソースコードの公開はゲーム開発者への知見の共有のほか、ファンに開発に興味をもってもらう狙いもあるとみられ、それぞれ興味深い施策といえるだろう。

Rogue Legacy』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに配信中だ。