Rockstar Games、スタッフ解雇を巡る“組合潰し”疑惑に「まったくの虚偽だ」と反論。あくまで解雇原因は「新作・未発表作の機密情報流出」として

Rockstar Gamesにおいて、英国およびカナダで10月末に実施された従業員解雇に関して”組合潰し”の懸念が伝えられていた。このことに対し、Rockstar Gamesがメディアに向け事情を改めて説明している。

Rockstar Gamesにて英国およびカナダで10月末に実施された従業員解雇に関して、英国議会にて“組合潰し”ではないかとの懸念が伝えられ、注目を集めていた。一方で同社は組合潰しではなく「機密漏えい」を理由に解雇したことをメディアに向けて改めて説明している。

Rockstar Gamesは、『グランド・セフト・オート』(以下、GTA)シリーズや『レッド・デッド・リデンプション』シリーズなどの開発元を擁する企業だ。英国においては『GTA』シリーズを手がけるRockstar Northなどが拠点を置いている。

『グランド・セフト・オートVI』

今回問題となっているのは、同社が10月末に実施した解雇だ。英国にて31名、カナダにて3名のスタッフが解雇されたという。このことについて労働組合であるIWGB(Independent Workers Union of Great Britain)が“組合潰し”であると批判。解雇されたスタッフの多くがIWGBのDiscordチャンネルに加入しており、組合に加入済みあるいは加入を検討していたとして、組合を組織しようとしていたために解雇されたのだと主張していた。

ただしRockstar GamesはIWGBの主張に反論しており、組合活動とは一切関係がないと説明。公開フォーラム上で機密情報を広め、議論していたことが判明したため、解雇措置をとったとしていた。

そして、先日おこなわれた英国議会においては、Rockstar Northが拠点を置くエディンバラの議員Chris Murray氏が英国における31名のスタッフ解雇について言及。IWGBが引き続き組合潰しを主張しており、同氏は確認のためにRockstar Gamesを訪れたうえで同様の懸念を抱いているとした。これを受けてKeir Starmer首相はきわめて懸念すべきケースだとして、政府が調査をおこない、状況を逐次報告すると伝えている。

Chris氏がIGNに伝えたところによると、同氏は確認のために別の議員2名と共にRockstar Northのオフィスで会議をおこなったものの、解雇における手続きの正当性について懸念を深めるだけであったとコメント。31名のスタッフが即時解雇される正当な理由が何であったか説明を受けずに会議は終わったとしている。

一方、メディアの問い合わせに対してRockstar Gamesは反論を続けている。今回はより詳細に説明されており、解雇されたスタッフは公開フォーラム上で今後発売予定および未発表タイトルの特定のゲーム機能を含む機密情報を広め、議論していたとのこと。あくまで社内規定および法的義務に違反する行為が原因であり、解雇が組合への加入や組合活動に関連しているとの主張はまったくの虚偽で誤解を招くものだとして強く否定している。

Rockstar Gamesでは現在『グランド・セフト・オートVI』が2026年11月19日の発売を目指して開発中。同作については、2022年にはSNS上ではリークとされる映像が出回り、同社はネットワークを通じた侵入被害によって機密情報が流出したことを認めていた(関連記事)。また同作の第1弾トレイラーについては公開前にリークされることとなり、前倒しでの公開となっていた(関連記事)。そうした経緯もあり、同作を含め機密情報の管理はさらに厳重になっていることだろう。

そのためRockstar Gamesが主張するとおり、今回の従業員解雇もそうした調査の結果という可能性はある。ただIWGBとRockstar Gamesの主張は引き続き真っ向から食い違いを見せているかたちだ。先述のとおり英国政府は本件の調査を進めることを伝えており、今後真相が明らかになっていくことも期待される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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