アプデが途絶えた人気どうぶつマルチ釣りゲーム『WEBFISHING』によく似た新作出現で賛否生じる。“待望の跡継ぎ”か、模倣ゲームか

glimmerloftは12月4日、サンドボックス釣りゲーム『Rift Fishing』をPC(Steam/itch.io)向けに発表。本作はその内容が『WEBFISHING』に似ているとして批判も寄せられている。

デベロッパーのglimmerloftは12月4日、サンドボックス釣りゲーム『Rift Fishing』をPC(Steam/itch.io)向けに発表した。ところが本作の発表にあたっては、そのゲーム内容がリリース済みのゲーム『WEBFISHING』に類似しているとの批判も見受けられる。

『Rift Fishing』は最大12人でのマルチプレイに対応したフィッシングゲームだ。プレイヤーは動物を模したキャラクターのアバターを操作し、水面下で異世界に通じているという次元の裂け目を通して釣りにいそしむ。80種以上いるという魚を釣り上げ、図鑑を埋めていき、報酬などを開放していく。Steamに向けて、2026年第2四半期にリリース予定となっている。

『Rift Fishing』

一方『WEBFISHING』は2024年10月12日に発売されたマルチプレイ対応のフィッシングゲームで、大きな人気を博す作品だ(関連記事)。こちらも『Rift Fishing』と同様に釣りをするゲームプレイとなっており、マルチプレイ作品として他プレイヤーとチャットで交流できる要素や、ギターを演奏できる要素が『Rift Fishing』と共通している。加えて『Rift Fishing』の動物をモチーフとしたキャラなども『WEBFISHING』と共通している。

とはいえローポリゴンであった『WEBFISHING』と異なり、『Rift Fishing』ではセルシェーディングの3Dグラフィックになっているなどアートスタイルには違いも存在。また『Rift Fishing』は先述したように“次元の裂け目”といった世界観における違いもあるものの、根幹となる「動物キャラが集まるマルチプレイ釣り交流ゲーム」という類似性に批判も生じているかたちだ。ちなみに『Rift Fishing』の開発者は『WEBFISHING』と『どうぶつの森』から強く影響を受けたことを公言している。

『WEBFISHING』

なお『WEBFISHING』の開発者であるlamedeveloperは後述する理由かSNSなどから距離を取っており、現状「Web断ち」ともいえる状況にある。そうした中で『Rift Fishing』が隙をつくかのように発表されたことも批判の的となっているようだ。

lamedeveloperの「Web断ち」の発端とみられるのは『WEBFISHING』における「Title」機能だ。本作ではTitleとして、さまざまな称号をキャラクター名の下に表示可能。このなかには「Gay」や「Bi」をはじめとした、LGBTQ+のアイデンティティなどを表明することができるTitleが存在していた。このことについて、あるユーザーが「ストレート」、つまり異性愛者向けのTitleバリエーションも用意すべきだと主張。lamedeveloperはこの声を受け、「Straight」のTitleをゲーム内通貨9999ドルで実装していた。「Gay」や「Bi」などは75ドルとなっているため、非常に割高となっている。

こうしたある種の「からかい」ともとれる対応に業を煮やしたと思われる、ごく一部のユーザーが、lamedeveloperの対応を大きく批判しはじめる。この動きは嫌がらせ行為などに発展していた。エスカレートした嫌がらせはハッキングや脅迫、個人情報漏洩にもつながっており、この事態を重く見たlamedeveloperは事実上無期限の活動休止に至り、2025年初頭を最後に『WEBFISHING』にはアップデートが提供されていない。

こうして現在更新が途絶えてしまったものの、先述したとおり『WEBFISHING』は高い人気を誇っている作品だ。いわば『Rift Fishing』はその穴を埋めるように登場するかたちであり、ゲームシステムやキャラクターデザインなどの類似性から批判も寄せられている。一方で新展開が絶望視されている『WEBFISHING』の代わりとして期待をかける声も散見され、ユーザー間で意見が分かれているようだ。

なおSteamでは過去に、空へと伸びる構造物を上へ上へと登るアクションゲーム『Only Up!』が人気を博したのち、諸事情により開発者自らが販売中止。同作が削除されて以降、『Only Up!』を“乗っ取る”作品や続編を名乗る作品が続々と登場している(関連記事)。

また数多くある『Vampire Survivors』のフォロワー作品のように、少なくとも権利元が申し立てない限りは、作風が似通ったゲームにも寛容に審査などがおこなわれている可能性もうかがえる。『Rift Fishing』についても『WEBFISHING』のフォロワー作品として後釜を担うことになるのか、ユーザー反応も含めてリリースが注目されるところかもしれない。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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