PS5/PC『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』には“4年間誰も見つけられなかった隠し要素”がある。ボツ要素だけど、こっそり実装
『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』には、発売以来誰も発見できなかった隠しミニゲームがあるという。

デベロッパーのInsomniac Gamesは日本時間6月13日、動画配信プラットフォームTwitch上で、定例配信「Insomniac Live」を配信した。配信中では『ラチェット&クランク パラレル・トラブル(Ratchet & Clank: Rift Apart)』(以下、パラレル・トラブル)の発売4周年が祝われるとともに、開発者により「誰にも発見されなかったミニゲーム」が初お披露目された。
『パラレル・トラブル』は、Insomniac Gamesが開発を手がけた三人称視点の3Dアクションアドベンチャーゲームである。2021年6月11日にPS5版が発売され、後にNixxes Softwareによる移植で2023年7月26日にPC版がSteamとEpic Gamesストアにて発売された。前作『Into the Nexus』に続く物語で、次元転移装置「ディメンジョネイター」を奪った悪のマッドサイエンティスト「ドクター・ネファリウス」の野望を阻止するため、ラチェットとクランクは次元をまたいだ大冒険に繰り出すことになる。
今回の配信では『パラレル・トラブル』の4周年が祝われた。その中で、シニアデザイナーのGrant Parker氏はこの4年間誰も見つけられなかったミニゲームにアクセスする方法を公開することにしたようだ。作ってみたものの完成には至らなかったプロトタイプで、消す代わりに隠しておいたものだという。
ミニゲームをプレイすることができるのは、冒険の途中で訪れることになる別次元のズーキーの宇宙ステーションだ。ここには機械暴れ牛から振り落とされないようにするロデオゲームがあり、通常はNPCが乗っているのを見ることができるだけである。しかし特定の手順を踏むことで、このロデオゲームをプレイすることができる。
Parker氏が説明した手順は次のとおりだ。まず、宇宙ステーションの入口に向かう。入口の両脇には、ステーション内での武器の使用を禁止する標識が存在している。この標識を「左の標識を5回、右の標識を4回、左の標識を13回」という特定の順序と回数だけ射撃すると、ミニゲームがアンロックされる。アンロックに成功しても特に画面エフェクトや効果音などは再生されない。

アンロックに成功していた場合、機械暴れ牛に近づいた際に「L2長押しで乗る」旨のメッセージが表示される。機械暴れ牛に乗るとミニゲームがスタート。画面右側に身体のバランスを示すゲージが表示され、右スティック操作でバランスを取るというものだ。ただし、このミニゲームはあくまで初期のプロトタイプとのことである。振り落とされてしまうと、これといったアニメーションも無くミニゲームは終了する。
Parker氏はこのミニゲームを作ったものの、「本当におもしろいものにするにはもっとたくさんの愛情が必要だった」と配信で述べている。ミニゲームが完成に至ることはなかったが、同氏はミニゲームを消してしまうのではなく、「せっかくだから自分だけが遊べるようにしておこう」と隠すことに決めたようだ。そして今回、4周年という節目を迎えるにあたり裏話的に公開されたわけだ。


ゲームが完成に至るまでには多くの試行錯誤が重ねられ、中にはいったん作られたものの製品には盛り込まれない要素も存在するようだ。本作ではそうした要素が、ひっそりと盛り込まれていた点には遊び心も垣間見える。弊誌でWeb上を確認する限りでも発見者は見受けられず、4年間にわたって誰にも発見されなかったとみられる点も注目に値するだろう。このたびParker氏本人から直々に明かされた“隠し玉”を実際に遊んでみるのもいいかもしれない。
『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに配信中だ。