全従業員退職のパブリッシャーAnnapurna Interactiveの元スタッフ、新会社を設立しPrivate Divisionを買収したとの報道。ゲームフリークの新作販売権も獲得か

先日閉鎖が報じられた、Take-Two Interactive傘下のPrivate Division。同スタジオについて、Annapurna Interactiveの元スタッフによる企業に買収されたと報じられている。

数多くの人気インディーゲームの販売を手がけているパブリッシャーPrivate Divisionが、再売却されたようだ。別のインディーゲームパブリッシャーAnnapurna Interactiveの元スタッフが設立した会社が買収したという。海外メディアBloombergが報じている。

Private Divisionは、元々Rockstar Gamesや2Kなどを抱えるTake-Two Interactiveによって設立された。『The Outer Worlds』や『Kerbal Space Program』『Rollerdrome』などの販売を手がけ、昨年には『Ori』シリーズ開発元の新作『No Rest for the Wicked』をリリース。しかし昨年11月に、非公開の企業に売却されたことがTake-Two Interactiveより発表された。

Private Divisionを巡っては昨年、『Kerbal Space Program 2』を開発中のIntercept Gamesや、『OlliOlli』シリーズの開発元Roll7といった傘下スタジオの閉鎖についての報道が飛び交った。Take-Two Interactiveは当時報道を否定したものの、結果的に両スタジオは閉鎖。その後、親会社であるPrivate Divisionは売却された。Take-Two Interactiveは決算発表にて、長期的な成長を見据えて中核事業とモバイル事業に集中する方針を理由として挙げた(関連記事)。

海外メディアBloombergによると、当時のPrivate Divisionの売却先は、米国の投資会社Haveli Investmentsだったという。そして今回、Haveli Investmentsからまた別の企業へと売却されたと同メディアは報道。Private Divisionの新たな所有者となったのは、企業名は不明ながら、インディーゲームパブリッシャーAnnapurna Interactiveの元スタッフが新たに設立した会社だという。

Scoop: The former staff of Annapurna Interactive, who abruptly resigned last year, are starting a new company with an unexpected twist, taking over the portfolio of former Take-Two label Private Division. And PD's ~20 remaining staff are bracing for layoffs. Story: www.bloomberg.com/news/article…

Jason Schreier (@jasonschreier.bsky.social) 2025-01-07T16:22:58.382Z

Annapurna Interactiveというと、『Stray』や『Outer Wilds』『Neon White』など、数々の人気インディーゲームを手がけているパブリッシャーだ。ただ同社を巡っても、昨年に大きな騒動があった。親会社であるAnnapurna Picturesの設立者による経営への介入や幹部スタッフの解雇などをきっかけとして、なんとすべてのスタッフが昨年9月に一斉に退職したのだ(関連記事)。

おそらく、今回Private Divisionを買収したのは、当時Annapurna Interactiveを退職した人物が設立した企業だと思われる。ちなみに上述した騒動の際には、Annapurna Interactiveを独立させる計画について、Annapurna Picturesとの間で協議されていたとされる。結果的にその計画は白紙になったものの、インディーゲーム販売の経験豊かなスタッフらが、新会社を興すことはあり得る話だろう。買収にあたっては、Private Division側のスタッフについて20人ほどのレイオフがおこなわれるという。なお現時点では、Haveli InvestmentsやPrivate Divisionからは、売却についての正式な発表はない。

また報道によると、今回Private Divisionを買収した企業は、2023年5月に発表されていたゲームフリークの新作アクションアドベンチャーゲーム『Project Bloom(仮題)』や(関連記事)、3月発売予定の「指輪物語」の世界観をもとにしたライフシム『ホビット庄の物語 ~指輪物語の世界から~ 』の販売権も継承しているとみられるとのこと。

さらに同企業は、宇宙開発シム『Kerbal Space Program』シリーズなどの権利も獲得したと報じられている。同シリーズでは、新作『Kerbal Space Program 2』が現在早期アクセス配信中であるが、先述したように開発元は閉鎖された。報道が事実であれば、何らかの形で開発が続けられるのかもしれない。こちらの続報にも注目が集まる。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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