SIEによるPC向けゲームは今後も「PSNアカウント連携」が必要となる方針。ユーザー反応は理解しつつも、マルチプレイを安全に楽しんでもらいたい


ソニーは11月8日、「2024年度 第2四半期 業績説明会」を実施した。同説明会では、ソニーグループの代表執行役社長COO兼CFOを務める十時裕樹氏たちが回答するQAセッションもあった。そこではPC上で展開されている各ゲームタイトルのPlayStation Network(以下、PSN)アカウント連携の是非についても語られた。

PSNとはソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が提供するオンラインサービスだ。アカウント制で展開されており、会員はオンラインストア「PlayStation Store」やサブスクリプションサービス「PlayStation Plus」の利用が可能となる。そのほかPlayStationオーバーレイ機能なども提供されている。


今回「2024年度 第2四半期 業績説明会」では、十時裕樹氏が寄せられた質問に対して回答。十時氏は「PCへの向き合い方」として、PC向けに展開するタイトルのPSNアカウント連携がユーザーからの反発を招くことがあったとの見解を示した。

しかしながら十時氏は、特にライブサービスゲームなどにおいては、さまざまなプレイヤーが健全にゲームプレイを楽しめるような環境づくりが重要であるとの考えを明らかにしている。そのために、一定の制約のもとプレイヤーにマナーを守ってもらうことも必要であるとし、今後も試行錯誤しつつ対応していきたいと述べた。


PC向けにリリースされたタイトルとしては、『Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT』にて、マルチプレイモードである「Legends/冥人奇譚」で遊ぶときなどにPSNアカウント連携が必要となっている。なお『HELLDIVERS 2』では、現在任意となっているものの、PSNアカウント連携の必須化を巡っては大きな批判が寄せられた経緯がある(関連記事)。

SIEとしては、「PSNアカウント連携必須化」への批判は認めつつも、自社の手がけるゲームタイトルについて、PSNアカウント連携を活かしてゲームにおける秩序の維持に役立てたいとの一定の理解を求めたかたちだ。主にマルチプレイが可能なゲームでは、暴言をはじめとした悪質な行為や、チートなどについて、PSNアカウントと紐づけることで、対処しやすくなるといった効果もあるかもしれない。

なお『Until Dawn -惨劇の山荘-』や『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』といったシングルプレイ用のタイトルにおいても、PSNアカウント連携は必須となっている。今回の十時氏の回答では、これらのシングルプレイ用タイトルにおけるアカウント連携の是非については明確に触れられてはいない。

とはいえ先述の通り、PCユーザーからは反発があったことを認識しつつ、今後は試行錯誤しながら対応したいとも述べられている。PSNアカウント連携以外でのアプローチも試みられているようで、各タイトルについて、PC向けのリリースなどに際し、SIEが今後どのような対応を取るかといった点が注目されるところだろう。