伝染病感染シム『Plague Inc: Evolved』、今になって人気急上昇中。“コロナ禍に次ぐ”プレイヤー数を記録
Ndemic Creationsが手がけた『Plague Inc: Evolved』の人気が、Steamにて急上昇を見せている。

デベロッパーのNdemic Creationsが手がけた『Plague Inc: Evolved』の人気が、Steamにて急上昇を見せている。大型アップデートやセールの実施が、久しぶりの盛り上がりに繋がっているようだ。
『Plague Inc: Evolved』は伝染病をテーマにしたシミュレーションゲーム。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作におけるプレイヤーの目的は、全人類を病原体で絶滅させること。病原体の種類は多岐にわたり、それぞれ特徴やゲームプレイが異なる。ポイントを消費することで病原体を進化させ、病原体撲滅を目指す人類に抗っていくのだ。致死率が早期から上がりすぎてしまうと、感染の広がりが少なくなってしまう。そのため、序盤に感染力を高めて多くの人々に感染させ、終盤に致死率を高めるといった戦略も効果的となる。

本作は、2012年にiOSおよびAndroid向けにリリースされた『Plague Inc.』のSteam移植版だ。マルチプレイ対戦やカスタムシナリオで遊べるようになったほか、グラフィックの刷新などもおこなわれている。ユーザーが投稿した人気のシナリオを数か月おきにピックアップしながら、公式シナリオを追加するなどのアップデートが続けられてきた。
今回、5月30日から「Plague Inc. Franchise Sale」がSteamにて開催中。Ndemic Creationsが手がける作品およびそのDLCがラインナップされており、本作は過去最安値の75%オフ・税込425円となっている。このセールの開催後、プレイヤー数は著しく増加。非公式データベースSteamDBによると、6月2日のピーク時には5000人を超える同時接続プレイヤー数を記録した。

ところで、本作の同時接続プレイヤー数のグラフを見ると、直近の増加を遥かに凌ぐ盛り上がりが2020年初頭に確認できる。ちょうど新型コロナウイルスによるパンデミック発生時と重なるタイミングだ。現実における未曾有の事態に、本作での描写を重ね合わせたユーザーが多数本作をプレイしたとみられる。当時、Steamにおいては1万8000人近くまで同時接続プレイヤー数が急増したほか、中国のApp Storeでも有料アプリカテゴリで首位を獲得していた。
なおこうした状況を受けて、公式は声明を発表。本作には現実的で教育的な意義があるとしつつ、あくまでもゲームであり、保健機関から正しい情報を得るようユーザーに呼び掛けていた(関連記事)。
今回本作は、そうしたコロナ禍のプレイヤー増加以来となる、久々の盛り上がりを見せているわけだ。なお、本作に向けては5月22日にアップデート「The 2025 World Update」が配信。世界銀行のデータに基づき、人口やオリンピックなどについて最新の情報に更新されたほか、『Plague Inc.』がリリースされた2012年を舞台とした新シナリオ「Plague Legacy」が追加されている。大型アップデートと大幅割引セールのタイミングが重なったことも、プレイヤーの増加に寄与したのだろう。
またNdemic Creationsは今後、新しいゲームモードを無料アップデートで実装するほか、DLCとして新規の伝染病タイプを開発していくとの意向を示した。発売から約10年が経過する本作だが、まだまだ進化を続けていくようだ。詳細を待ちたい。

ちなみに、Ndemic Creationsは昨年11月に新作ストラテジー『After Inc: Revival』を発表している。この作品では、未知のゾンビウイルスである「ネクロアウイルス」によって文明が崩壊した世界で「再興」が描かれる。人類を滅ぼすことを目指していた『Plague Inc: Evolved』とは真逆に、人類を繁栄させることが目的のゲームだ。すでにiOS/Android向けにはリリースされ、Steam版は6月17日の早期アクセス配信を予定している。興味のある方はチェックしてみてほしい(関連記事)。
『Plague Inc: Evolved』はPC(Steam)向けに配信中。『Plague Inc.』はiOS/Android向けにもリリースされている。