Steamで“名前も発売時期も被った”ゲーム、担当者いわく「予想の3倍売れた」らしい。仲良しバンドルの奇策がうまくハマる
一方のパブリッシャーの幹部は、同作が予想の3倍の収益を上げているなど大きな反響があったことを報告している。

PC向けゲーム販売プラットフォームSteamで、まったく同じ名前のゲームがわずか1日違いでリリースされたとして話題となった2つの『Piece by Piece』。そのうち一方のパブリッシャーの幹部は、同作が予想の3倍の収益を上げているなど大きな反響があったことを報告している。
経緯を遡ること2月28日、カナダの学生が運営するインディーゲームスタジオであるNeon Polygonsは、パズルとプラットフォーマーの要素を融合した作品『Piece by Piece』の発売日を告知。しかし、数日前に別の『Piece by Piece』という作品が、奇しくも1日違いの発売日を告知していたことを知ったのだ。こちらはイギリスのインディースタジオであるGamkatが開発し、No More Robotsがパブリッシングをおこなう修理屋シミュレーションゲームだ。

No More Robotsといえば、元tinyBuildのMike Rose氏が2017年に立ち上げたパブリッシャーだ。これまでにさまざまな人気タイトルを展開してきた企業であり、かたやNeon Polygonsは『Piece by Piece』をセルフパブリッシングする小規模インディースタジオ。Neon Polygonsは状況を把握した際にはただならぬ不安を抱いていたことを明かした。ただ、No More Robotsはこうした事態を歓迎し、両作をセットにしたバンドル販売も実現。偶然が引き起こしたほほえましい展開は大きな注目を集めた(関連記事)。

それから約2週間が経過した3月25日、No More RobotsのMike Rose氏が自身のSNSにて『Piece by Piece』販売の裏側を明かした。同作をパブリッシングするにあたっては、普段よりずっと小規模なゲームに投資したら、他のお金のかかったゲームよりも売れるのかどうかを見るという思惑があったそうだ。そして発売直後には、同作は良くも悪くもないような売上であったものの、実験の目的であった有益な情報を得ることができたとして満足していた様子だ。ちなみに、名前被りを知ったのはタイトルを初めて発表した前後だという。当初は同時に発売するわけではなければ問題はないだろうと考えていたそうだが、その後発売日が数日違いだと知ったとのこと。
ただ、もう一方の『Piece by Piece』を手がけたNeon Polygonsの開発者とのやりとりを経て、この状況を有効活用できるのではないかと気づいたRose氏。そこで両作をまとめたバンドル販売をすることに決めたというわけだ。そこから、“名前被り”がメディアに取り上げられたことで注目度は急増し、大きな反響を得ることになったという。ウィッシュリスト登録数もかなり増え、予想の3倍の売上を叩き出したそうだ。なお、同氏らがパブリッシングした『Piece by Piece』を購入したプレイヤーの実に50%以上が前述したバンドルで購入していたといい、Neon Polygonsの『Piece by Piece』も大きく売上を伸ばしたと推察される。
ところで、Rose氏は一連の出来事を振り返り、ここから学びを得ることは難しいと語る。というのも、本来であれば売り上げに悪影響も生じうる名前被りという状況を、最大限に利用できたのはいいものの、それはあくまでも計画外の偶然だったからだ。ただし同氏は「難局において善良であろうとすれば、何か良いことが起こることもあるのだろうか」と振り返っている。思わぬ偶然をNeon Polygonsとともに愉快に分かち合い、トラブルに発展させることなく発売日を迎えようとする双方の姿勢こそが、こうした幸運を呼び込んだのかもしれない。
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