期待のハクスラARPG『Path of Exile 2』ディレクターいわく、配信1か月延期で「1億5000万円以上」無駄にした。手痛い出費の理由とは

Grinding Gear Gamesは12月7日に『Path of Exile 2』の早期アクセス配信を開始する。本作は一度延期がおこなわれているのだが、その費用は多額なものだったようだ。

Grinding Gear Games(以下、GGG)は12月7日に『Path of Exile 2』の早期アクセス配信を開始する。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)PS5/Xbox Series X|S。本作は早期アクセス配信の開始日を一度11月15日より延期しているのだが、延期の結果多大なコストがかかってしまっていたようだ。海外メディアVG247が報じている。

『Path of Exile 2』は、GGGが手がける人気ハクスラARPG『Path of Exile』の続編。前作から20年が経った世界を舞台に、前作のキャンペーンの内容に加えて6章にわたる新たな物語が紡がれるという。また『Path of Exile 2』では新スキルシステムのほか、固有の特化アセンダンシーを3つ持つ、12のキャラクタークラスなどさまざまな新要素も登場する。

本作は今年8月、ゲームイベント「gamescom 2024」内で早期アクセス配信が11月15日に開始されると発表されていた(関連記事)。しかし、10月29日には3週間延期し、12月7日の配信開始となることが発表。延期発表とともに公開された動画では、本作ディレクターのJonathan Rogers氏より、延期理由が発表されていた。

Rogers氏いわく、ゲーム開発自体が遅延したのではなく、サーバー側のインフラに関する作業が予想よりずっとかかると判明したためだという。本作は前作『Path of Exile』とのアカウントシステムが統合される予定で、古いデータの後方互換性の確保や、データの破損が起こらないように調整されていた。そうした各種作業に時間がかかり、延期を決断したと語られていた。

そして今回海外メディアVG247は、Rogers氏に対し延期の詳細について尋ねた内容を報じている。Rogers氏は、本作には多額の費用をかけたマーケティングが既に展開されていたものの、先述のサーバー側の作業を完了しないままリリースしてしまうことでローンチ時点での「大失敗(a disaster)」を迎えたくなかったと述べている。そのためディレクターとして延期しないようにするプレッシャーもある中で、困難な決断を下さざるを得なかったそうだ。

なおこの延期にかかった費用は、Rogers氏が話すところでは「ほぼ確実に100万ドル(約1億5400万円)以上」とのこと。というのも、サーバープロバイダーとの間で、特定の期日までにサーバーが始動される契約があったためだという。つまり当初のリリース予定日であった11月15日より使用可能なサーバーを準備してもらう約束だったのだろう。しかし延期によって、サーバーは実際には利用できない。つまりGGGは現在、誰も使用していないサーバーに、月額使用料を払っているようだ。主にこの費用を中心として、計100万ドルの“延期コスト”がかかっているのだろう。

多額の出費をかえりみずに、万全を期すために延期が決断されたという『Path of Exile 2』。なおRogers氏は延期について、本作を楽しみにしているユーザーや、本来の早期アクセス配信日にあわせて休暇を取得したであろうファンについて申し訳なく思っている、とも述べている。いずれにせよ延期に踏み切ったことで、12月7日のリリース時点ではインフラ面の調整も万全になっているかもしれない。改めて期待が高まるところだろう。

Path of Exile 2』はPC(Steam/Epic Gamesストア)PS5/Xbox Series X|S向けに12月7日早期アクセス配信開始予定だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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