Steamストラテジーゲームの雄Paradox Interactive幹部独占インタビュー。最近日本語対応が増えた理由は?日本市場についてどうしていくの?訊いた

Paradox Interactiveの幹部であるDaniel Grigorov氏に話を訊いた。今同社は日本市場にどう取り組もうとしているのか?

Paradox Interactiveは、Steamでもっとも大きなストラテジーメーカーのひとつといえる。『Europa Universalis』シリーズから『Crusader Kings』シリーズ、『Hearts of Iron』シリーズ、そして『Cities: Skylines』シリーズなど……人気ストラテジーゲームシリーズをあげるといとまがない。そして、いずれの作品もSteamユーザーからから絶大な支持を得ている。これらの作品は次々ナンバリングが出るのではなく、DLCでそのユニバースが拡大されていくのも特徴だ。

そんなParadox Interactiveは最近になり日本語対応タイトルを増やしつつある。Paradox Interactiveのゲームはかつてはテキストが多いからか日本語は非対応で、有志たちの努力により非公式で日本語対応をしていたケースが多い。今同社は日本市場にどう取り組もうとしているのか。来日していた同社の幹部であるDaniel Grigorov氏に話を訊いた。

――自己紹介をお願いします。

Grigorov氏:
Paradox InteractiveのDaniel Grigorovと申します。役職としてはParadoxのサードパーティー開発部門の副社長となります。主に社外のチームと一緒に開発を進めたりする部門になりますね。ゲーム業界には90年代後半から関わっていて、当時はコンピューターゲームも「業界」というよりはまだコアな趣味の範疇だったように思えます。ゲームの仕事に就くと決めた時は親に心配されたりもしました。とはいえ、今ではゲームがひとつの立派な産業であることに疑問を抱く人はほとんどいません。そういう意味では、私のキャリアパスはゲームの産業としての成長と共にあったものだと今は感じています。

――Paradoxで働きはじめるまでの経緯を教えていただけますか。

Grigorov氏:
大学生の時にゲームジャーナリストとしてキャリアを始め、IGN Nordicやゲームパブリッシャーでの活動を経て、6年前にParadoxにジョインしました。そこから順当にキャリアを積んできた、という感じです。ちなみにストックホルムのゲーム博物館(Stockholms Spelmuseum)の立ち上げにも協力していたりします。

――そもそもParadoxはどういう会社なのでしょうか。

Grigorov氏:
Paradoxはパブリッシャーでありデベロッパーでもあります。Paradoxは大きく2つの部門に分かれています。1つめはParadox Development Studios(以下、PDS)と呼ばれるParadoxの内部スタジオで、『Europa Universalis』シリーズや『Crusader Kings』シリーズ、『Hearts of Iron』シリーズ、そして『Stellaris』など、Paradoxを代表するグランドストラテジーゲームタイトルを作っているのはPDSになります。

こういったグランドストラテジーゲームとその開発はParadoxの原点であり、今でもわれわれの活動のコアにあたる部分です。グランドストラテジーゲームの開発という分野においては、Paradoxは確かな実績と実力を持っているという自負があります。PDSでは大きなチームで、何年もかけて大規模なプロジェクトを進めることも多いです。しっかりと面白いゲームを作れるという自信と誇りがありますし、PDSはいわばParadoxの屋台骨と言える部分だと思います。

そしてもうひとつの部門が、Paradox Arcです。私はParadoxのすべてのサードパーティプロジェクトに関わっていますが、今回日本にきた理由はParadox Arcが関係しています。Paradoxの中でもさらに意欲的で実験的な、新しいゲームの開発の挑む部門です。ただしこれは単に斬新なゲームを作るというわけではなく、Paradoxが得意とするゲームである「奥行きがあり、複雑で、終わりのないゲーム」の中で新たな可能性を模索していくということです。基本的にはストラテジーゲームであることが多いですが、時にはマネジメントゲームやシミュレーションゲームであることもあります。Paradoxのゲームを好む少しニッチなコアゲームファンにしっかりアピールできる範囲に収まりつつも、PDSには出来ない冒険をする部門になります。

Paradoxは日本市場についてどう考えているのか?

――最近は多くのParadox作品が公式に日本語対応していることもあり、日本マーケットに力を入れているように感じます。経緯を教えて下さい。

Grigorov氏:
日本がゲーム産業において大きな市場であることは疑いようもないです。これまでParadoxは日本市場に対応するよう努力してきましたが、もっと頑張りたいと考えました。日本語対応が進んだ理由としては、そうした想いと、さらにローカライズ費用の低下があります。

ゲームの規模が定まらないうちにローカライズの対応言語を増やすことは今までではリスクがありましたが、今では日本語に限らず早い段階から多言語対応を目指しやすい開発環境になってきていると思います。あとは、Paradoxのゲームでもいくつか特に日本のゲームの影響が色濃く、結果として日本の客層との親和性が高かった作品がありました。こういった成功を鑑みて日本ベースでの活動にも少しずつ積極的になっていて、日本のパートナー企業やチームも徐々に増えてきています。これはわれわれにとっても嬉しい成長であり、今後も日本マーケットによりアピールしていきたいと思っています。

――日本のPCゲーミング市場はここ最近で成長を遂げたとする声が多いですが、その実感はありますか?

Grigorov氏:
これはすごく答えるのが難しい質問ですね。というのも、われわれはあまり地域単位や国規模でマーケットを見ることがないからです。Paradox内には業界のトレンドや変化を分析するチームがあり、そういった観点で考察をしています。我々はあくまで、複雑で奥深く、リプレイ性のあるゲームを生み出す、そしてそうしたゲームを好むユーザーに焦点を当てています。だからPCゲームに注力しているわけです。しかし最近はインディーゲームの台頭によって、開発者とプレイヤー両方に門戸が開かれており、その影響でPCがより多くの国で広まっているというのは、私達にとって追い風だとは感じています。

――Paradoxのここ最近の日本マーケットへの積極性と、日本のPCゲーミング市場の成長はあまり関係がないと?

Grigorov氏:
そうですね、無関係と言っていいと思います。マーケットが成長してきたから日本にリーチし始めたわけではないからです。今までも日本にリーチしようとしてきたつもりです。ただそのためのツールがあまりなかった。今になって日本へのアクションを増やし始めたのは、技術やインフラの発展で以前よりずっと楽に日本のマーケットに手を伸ばせるようになったというのが一番の理由だと思います。

――Paradoxは日本ではこれまで、スパイク・チュンソフトやDMM GAMESと提携されてきました。そうした経緯を経て今はParadox単独で日本市場に取り組んでいると。

Grigorov氏:
はい、そうです。Paradoxにもさまざまなレーベルやチームがあって、それぞれちょっとずつ違う性質のゲームを取り扱っています。そしてそれぞれリリースに適した販路というのもあると思います。今のパートナー企業のみなさまには素晴らしい働きをしてもらっていて、その上でさらなる可能性は常に模索していきたいと思っています。

――日本にも情熱的なParadoxファンは多く、膨大なテキストを有志で翻訳したりしています。こういった日本のファンのことは認識されていましたか?

Grigorov氏:
もちろんです。Paradoxのファンベースはいつも、たとえそれが単に人数で見れば大きな規模ではなくても、とても熱意のあるコミュニティを作り上げています。Paradoxはそういったコミュニティのことをしっかり認識していますし、それは日本のファンも例外ではありません。Paradoxは基本的にMod製作を推奨していて、Modを作りやすいようにゲームも作っています。

ファンコミュニティはModを通じてわれわれが想像もしていなかったような遊び方を発明することもあれば、単純にゲームをより良いものへと仕上げてくれることもあります。Paradoxにとってゲームのリリースというのは、ただ完成したゲームを世に出すだけではなく、ユーザーやファンと手を取り合って進む旅路の一歩目でもあるのです。

――とはいえ、一方でParadoxと日本ユーザー間には言語の壁もあります。現状として公式フォーラムには参加しづらく、日本のファンコミュニティの声はParadoxに届いていないのではないかと感じることもあります。こうした点はどのように捉えているのでしょうか。

Grigorov氏:
Paradox社にはコミュニティチームがあって、主にユーザーとのコミュニケーションを担当しています。コミュニティチームは基本的に本社で働いていますが、それとは別に各地域に「コミュニティ大使」の役割を持つ社員も存在します。彼らは地域ごとに、直接コミュニティやユーザーとやり取りをします。今後はコミュニティに日本語話者も増やしてより密接に日本のファンベースともコミュニケーションを取っていければと思っています。

Paradoxは10人のライトプレイヤーよりも1人の熱心なファンを重視します。そしてそれは日本、もしくはアジアのファンベースであっても同じです。熱心なファンの声はわれわれにとって何よりも大切なものです。今後はアジアでもより存在感を出していきたいと思っていますので、今後は改善を約束します。

Paradox Arcって結局なんなの?

――Paradox Arcという新しいパブリッシングブランドを立ち上げられました。Paradox Interactiveとの違いはどういうところになるのでしょうか?

Grigorov氏:
Paradox Arcは、3年ほど前から実験的に始まったプロジェクトになります。従来のParadoxタイトルと異なる条件であったり、違った発想で運用したり、あるいは新しいゲームを生み出したりできるレーベルが必要だと感じていたからです。

Paradoxにはいわゆる「看板タイトル」とも言える歴史あるシリーズが5つか6つほどありまして、基本的にはこれらのタイトルからの利益によって会社が成り立っています。ここで問題なのが、なにか新しいことを試みようとするたびに機会費用の問題が立ち上がってくることです。「こんなことをするくらいだったら、そのリソースを看板タイトルたちに注力したほうがいいのではないか?」と、商売としてはどうしてもそう考えてしまうのですが、これではR&D(研究開発)が、新規ビジネスが生まれ得ません。これはParadoxが長らく抱えていた課題のひとつだったのですが、結論としてメインのParadox Interactiveとは別のルール、別の価値観で駆動する新規ブランドを立ち上げることでこの憂いを断ち切ろうということになりました。それで生まれたのがです。

Paradox Arcからリリースされるタイトルは、それこそメインブランドの看板タイトルほどのセールスは生み出せないかもしれません。ですが、Paradox Arcが重要視するのはそういった利益ではありません。新しいことにチャレンジし、小規模なチームや個人開発のデベロッパーに手を差し伸べる。いわばインキュベーターとしての役割を果たしていければと思っています。もちろんリスクはあり、必ずしも毎回成功を収められるとは限りませんが、その過程で得られた経験がポジティブなものであるならば、継続してやっていくことに迷いはありません。

「このゲームはぜひParadoxから出したかった」と忸怩たる思いをしたゲームも、過去にたくさんあります。Paradoxファンが好むようなゲーム、Paradox社員も虜にするようなゲームが、個人開発や小規模開発でもたくさん生まれています。今後はParadox Arcを通じて、こういったParadoxとターゲット層を共有する作品たちに積極的にリーチしていければと思っています。

――なるほど。Paradoxはゲーム業界において非常に個性ある、ユニークなブランドイメージを獲得していると思います。ようするに「Paradoxらしい」というイメージですね。主に外部デベロッパーが主役となるであろうParadox Arcではどうやってこの「Paradoxらしさ」を維持していくのでしょうか?

Grigorov氏:
すごく良い質問ですね。前述しましたが、Paradoxは「奥行きがあり、複雑で、終わりのないゲーム」を得意としています。やり込んで理解を深めるほどに上達を実感できる。上達すると、新たなプレイスタイル、新たな戦略を取れるようになる。そして「終わりがない」というのは、たくさんやり込めるというだけではなく、ゲーム自体も絶えず変化していくということを指します。

Paradox作品を遊んだあと、3ヶ月後、あるいは1年後に戻ってくると、まったく新しいゲームになっている。さらなる進化を遂げている。ゲームのリリースはゴールではなく、あくまでスタート地点なのです。これらこそがParadoxのゲームをParadoxのゲームたらしめる基本理念なのであり、Paradox Arcでもこれは変わりません。われわれはこういったゲームを作りたいと思っているデベロッパーやチームを探していて、実際のゲームプレイがどのようなものかという点よりも、この理念を共有できる人たちだということが重要なのです。

――Paradoxの理念がしっかり伝わるようにディレクターや、あるいはプロデューサーのような人員が出向しているのでしょうか。

Grigorov氏:
Arcではどのプロジェクトにも担当となるParadoxのエグゼクティブ・プロデューサーが存在します。彼らはパートナーとなる開発者たちが何を求めているかを把握し、Paradoxからの万全なサポートが受けられるよう調整する役割です。もちろんParadoxの理念、Paradoxが何を求めているかを外部デベロッパーに伝えるのも彼らの役目ですが、今まで多くのプロジェクトを動かしてきて、少なくとも理念レベルでの摩擦が起きたことはないと思います。

結局のところ、われわれが声をかける相手というのはデッキビルダー、シミュレーション、ストラテジー、マネジメント、シティビルダー……こういったゲームの開発者です。この手のゲームを作りたがっている人たちというのは、結局のところ最初からParadoxの理念と共通する「奥行きと複雑さを備えたシステム」や「長期的なアップデート」を視野に入れていることが多いのです。顔合わせも、多くの場合は価値観の擦り合わせというよりは「新たな同好の士との邂逅」といった雰囲気であることが多いです。

――つまり、Paradox Arcは新レーベルであるといっても別会社というわけではなく、同じParadoxなんですね。

Grigorov氏:
Paradox ArcはあくまでParadoxの新たなパブリッシングレーベルです。ArcのチームもInteractiveと同じビルで働いていますし、スタッフがInteractiveとArcを行ったり来たりすることもあります。Arcが途中まで開発を担当しつつも、途中でInteractiveに移ったゲームなどもあります。たとえば『FOUNDRY』がそうですし、ほかにもいくつも同じようなタイトルはあります。

『FOUNDRY』は新規IPながらParadox Interactiveから発売

――どういう判断基準や理由でタイトルをArcで出すか、あるいはInteractiveで出すかと、選別しているのでしょうか。

Grigorov氏:
これはいまだにわれわれも模索している部分であって、明確な基準のようなものがあったわけではありません。あえて言うならば、われわれはArcというレーベルのポテンシャルを過小評価していた部分があり、それゆえの判断だったと言えます。つまりArcで開発を進めるうちに「このタイトルが真にヒットするためには、Interactiveレーベルから出す必要があるだろう」と思ったということですね。

しかし、Arcには想像以上のポテンシャルがありました。今のわれわれの認識としては、ArcからInteractiveと同等の大きなタイトルが出る日はそう遠くないと思っています。今後同じような理由でArcからInteractiveへの移行が起こることはないでしょう。これからの基準についてはまだ検討中ですが、Interactiveはやはり看板となるグランドストラテジータイトルに深く紐付いたレーベルですので、これらの看板タイトルと共通するコンセプトや理念、思想、雰囲気、システムを持つタイトルはInteractiveから出るでしょう。逆にちょっと冒険したような、直球のParadoxらしくないようなタイトルはArcから出ると、そういう感じになるのではないかと思います。

――ちなみに最近リリースされたParadoxの作品で、特にオススメなものはありますか?

Grigorov氏:
最近では『Mechabellum』というタイトルが正式リリースされました。個人的にもとても面白いゲームだと感じたのでぜひプレイしてみてほしいです。今後リリース予定のゲームだと、『STARMINER』でしょうか。最近のParadox Arcで注目すべきゲームはおそらくこのふたつですね。

――日本で一番人気なParadox作品はどれでしょうか。

Grigorov氏:
これもすごく良い質問ですね。たぶん『Cities: Skylines』だと思います。

――そんな気はします。弊誌でも『Cities: Skylines 2』記事は人気です。ローンチで躓きましたが、それも含めて話題性があります。

Grigorov氏:
そうですね、リリース直後はいくつか問題も抱えていたタイトルですが、ゆっくりと改善されていますし、その過程でわれわれも多くのことを学んでいます。前作がスマッシュヒットだっただけに、ヒット作の続編特有の苦労というのもあります。まったく同じゲームを作るわけには行かないのですが、どうしても前作のような完成度にするには時間がかかる。

ここだけの話、私も『スーパーマリオブラザーズ2』を初めてプレイした時はものすごくがっかりしたのです。前作と全然違う、これは私が求めていたものではないと。偉大な前作に続く作品を、ファンの強い期待を上回るものに仕上げるというのはとても難しい。とはいえそれがチャレンジをやめる理由にはなりません。リリース直後はパフォーマンスの問題などもあったと思いますが、地道な改善が続いて今ではかなり改善しているはずです。もちろん完璧な状態とは言い難いですが、開発チームも非常に精力的で、毎週のようにアップデートでより良いゲームへと仕上がっていっているはずなので、ぜひ今後も末永くプレイしていってほしいです。

――今回東京ゲームショウに来られたとのことですが、どういった理由でお越しになられたのでしょうか?

Grigorov氏:
私が働く部門が扱うようなゲームシステム重視のゲームは、必ずしも多くの予算、大きなチームを必要としません。小規模なチーム、小規模な予算で生み出された優れたゲームというのはたくさん存在します。Paradoxではそういったチームを尊重して、必要以上に手を加えたり干渉したりことなく、資金提供やパブリッシングを通じて新たなゲームを生み出す手伝いをしています。

Paradoxは基本的にはヨーロッパやアメリカのスタジオと一緒に働くことが多いのですが、こういったいわばParadoxのホームグラウンド外の、海外のチームにも大きな興味があります。その地域、そのマーケットの特色を色濃く反映していながらも、世界中から受け入れられるような作品を探しているのです。

今年TGSに来たのも、「ローカルな個性と世界的な魅力」を併せ持った作品、もしくはアイデアを求めているからです。欧米のデベロッパーには作れない個性がありつつも、Paradoxのファンにもリーチできるような、そういったものを見て回っています。

――なるほど。日本のデベロッパーをパートナーとしてゲームを出す可能性もあるわけですね。今後さらに日本に展開していくにあたって、方針などはありますか?

Grigorov氏:
Paradoxが出来ること、やりたいこととの兼ね合いやバランスを取りつつも、しっかりと日本マーケットの需要をリサーチして存在感を出していけたらと考えています。日本のゲーム市場はやはりPCよりもコンソール機のほうがメジャーですから、日本向けにコンソール版もしっかり発売していければとは思っています。とはいえ、やはりParadoxのゲームの魅力は先程も言ったようにそのModの自由さにもあると思うので、PC版が主戦場となることには変わりはないと思います。

日本のマーケットの個性は、コンソール機が主流というだけではなく、そのゲームの独特さにも現れていると思います。フロム・ソフトウェアのゲームや、あとは私も大好きな『デビルメイクライ』シリーズだとか。あとはSTGも日本が育んだジャンルですよね。私も昔はトレジャーのゲームをたくさん遊びました。どれも日本しか生まれないゲームで、多大に尊敬しています。日本はそういう意味でも世界的に見ても非常に個性的なマーケットで、ユーザーのニーズも少し特殊だと思っています。

ではParadoxがこういった「日本ウケする」ゲームに寄せていくかというと、それはおそらくないでしょう。Paradoxはもともと、手広くユーザーを増やすことよりも、少数であっても一部の情熱的なファンとのコミュニケーションを重視していますから。Paradoxらしさを失わず、Paradoxのやりたいこと、面白いと思っていることがしっかりと日本のユーザーにも届くよう、ローカライズやコンシューマ移植なども含めて今後もバランスよく日本での展開を進めていきたいと思っています。

――今後も日本市場を気にしていただけるとありがたいです。本日はありがとうございました。

[執筆・翻訳・編集:Mizuki Kashiwagi]
[聞き手・編集:Ayuo Kawase]
[協力:Satoshi Onishi]

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