『オーバーウォッチ2』ディレクターいわく、『マーベル・ライバルズ』からは「プレッシャーではなく良い刺激」を受けている。“守り”を捨てる開発方針

オーバーウォッチ2』のディレクターを務めるAaron Keller氏が海外メディアGamesRadar+のインタビューにて、競合タイトルといえる『マーベル・ライバルズ』についてコメント。同作の出現は開発チームに“プレッシャーではなく良い刺激”をもたらしたと認識しているという。

『オーバーウォッチ2』は、基本プレイ無料の対戦FPSだ。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、2022年10月にリリースされた。タンク・サポート・ダメージの3つのロール分けがなされた個性豊かなヒーローたちが登場し、連携が重要となるチーム対戦が繰り広げられる点が特徴だ。現時点での基本モードでは5人チーム同士の5v5にて、タンク1:サポート2:ダメージ2での対戦が繰り広げられる。

『オーバーウォッチ2』
『マーベル・ライバルズ』


そして『マーベル・ライバルズ』は、2024年12月6日にリリースされた、基本プレイ無料の対戦TPSだ。NetEase GamesとMARVEL Gamesが協力して制作している。本作では「マーベル」のスーパーヒーローやヴィランたちがロール分けのあるプレイアブルキャラとして登場し、6対6のバトルを繰り広げる。

『マーベル・ライバルズ』はリリース直後から非常に高い人気を博しており、Steamでは1月10日のシーズン1開幕にあわせて最大同時接続プレイヤー数が60万人を突破していた(関連記事)。ユーザーレビューでは本稿執筆時点で約21万件中81%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。TPS視点で「マーベル」キャラを眺められる持ち味なども好評の傍らで、ロール分けのあるチーム戦や、各キャラの能力などのゲームシステムが『オーバーウォッチ』シリーズになぞらえられつつ評価を受けている。

今回GamesRadar+は『オーバーウォッチ2』のディレクターを務めるAaron Keller氏に対して、そんな『マーベル・ライバルズ』についてどう考えているかを質問。同氏や開発チームの考えが明かされた。まず「『マーベル・ライバルズ』の台頭にプレッシャーを感じているか」といった質問に対しAaron氏は、プレッシャーの多くは(外的要因ではなく)チームで内部的に生じていると返答。『オーバーウォッチ2』に足りないものや進化の余地を残している部分があると感じることがチームの原動力になり、プレイに奥行きをもたらす新たなコンテンツ創出への取り組みに繋がっているという。

とはいえ『マーベル・ライバルズ』の出現は、『オーバーウォッチ2』開発チームにとって「自分たちが手がけたゲームに似た別のゲームが存在する(there’s another game that’s so similar to the one that we’ve created)」という、これまでにない新たな競争環境を生んでいるとAaron氏は述べている。ただ同氏としては、既存作品とは違った方向性をもつゲームを見ることができる点を非常に好ましく考えているとのこと。またそうした競争環境は、開発チームに“安全策”をとるような保守的な開発姿勢をやめさせるきっかけにもなっているという。実際、シーズン15およびシーズン16は、開発において安全策をとらないシーズンになったと同氏は考えているそうだ。


『マーベル・ライバルズ』のリリース以降には、Steamを中心に『オーバーウォッチ2』のプレイヤー数減少傾向も見られる(関連記事)。『オーバーウォッチ2』からすれば強力な競合タイトルといえるものの、ディレクターのAaron氏はプレッシャーではなく良い刺激をもたらす競争相手として認識しているようだ。

なお『オーバーウォッチ2』では4月に開幕するシーズン16より三人称視点の新モード「スタジアム」が実装予定(関連記事)。「まったく新しい第2の『オーバーウォッチ2』体験」として構想されており、メインの開発チームのリソースを奪わないように専属のチームによって開発されているとのこと。今後も継続的にシーズンごとのアップデートや新要素、新システムが実装される見込みだ。

そのほか2月19日より開幕予定のシーズン15では、マッチ中にヒーローがレベル・アップして獲得できる「パーク」システムが実装される。両シーズンともにゲームプレイに大きな変化をもたらす要素の実装が予定されており、挑戦的な開発姿勢の背景には“対抗馬”の出現が一因としてあるのかもしれない。

オーバーウォッチ2』はPC(Battle.net/Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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