Nintendo Switchの非公式エミュレーター「Ryujinx」の配信・開発が中止された。開発者に対して、米任天堂からの要請があったという。海外メディアGoNintendoが伝えている。
「Ryujinx」は、gdkchan氏により2017年11月から開発が進められていたNintendo Switchの非公式エミュレーターだ。オープンソースで開発され、無料配信されていた。なお利用には基本的にNintendo Switch本体から「吸い出し」したファームウェアデータなどのほか、ゲームソフトから吸い出したゲームデータ、いわゆるROMデータなども必要となるとされる。
今回RyujinxのDiscordサーバーにて、開発チームのrip in peri peri氏によりRyujinxの開発が中止となったことが明かされた。声明によると、現地時間9月30日にgdkchan氏のもとに米任天堂からの連絡があり、Ryujinxの開発プロジェクトの中止、およびチームや関連する資産を放棄することに合意するよう提案されたという。結果的にすぐさまチームは解散となり、開発は中止されることとなったようだ。すでにRyujinxのダウンロードは停止されており、GitHubのリポジトリも削除されている。
なお、同じくNintendo Switchの非公式エミュレーターであった「yuzu」は、米任天堂による提訴を受けて、開発元が訴えを受け入れ今年3月に配信・開発が終了されていた。その後、yuzuをベースにした別のNintendo Switchの非公式エミュレーターについてもDiscordサーバーが閉鎖されていた(関連記事1・関連記事2)。
個人使用でのゲーム機のエミュレーション自体は必ずしも違法とは限らないものの、オンライン上ではエミュレーションに用いるROMデータの違法配布、いわゆる海賊版の流布が常態化している側面はある。先述のyuzuの配信・開発終了後にはNintendo Switchの海賊版ソフトの情報を扱うサイトやコミュニティにも対処されるなど、さまざまな側面から追求がおこなわれていた(関連記事3・関連記事4)。
そうした流れの中で、今回「Ryujinx」についても米任天堂による追及の手が伸びたようだ。先述のyuzuに続いて、Ryujinxの配信・開発も終了されるかたちとなった。