「Nintendo Switch 2」発売日の“2か月前から並んだ”人、無事入店。もちろん一番乗り

Nintendo Switch 2発売の“2か月前から並び始めた”という人物がついに入店を果たしている。

任天堂は6月5日、Nintendo Switch 2を全世界で発売した。アメリカ・ニューヨークの公式ストア「Nintendo New York」においては、“2か月前から並び始めた”という人物がついに入店を果たしている。

Nintendo Switch 2は、任天堂が開発するNintendo Switchの後継機。Nintendo Switchでも特徴的だった幅広い遊び方を引き続き備えているほか、HDRに対応した1080p/120fpsの本体液晶など、大幅な性能向上が図られている。ビデオ通話ができる「ゲームチャット」やJoy-Con 2を使ったマウス操作など、新しい遊びに繋がる機能も搭載される。


本日6月5日、Nintendo Switch 2がついに発売を迎えた。日本においては店頭での当日販売ではなく、事前の抽選予約販売が中心。SNS上でもさっそく同機の入手に成功した国内ユーザーによる報告が相次いでいる。

一方米国には、発売を待ちに待って2か月前から店先に並んでいた人物がいる。YouTuberのChickenDog氏だ(関連記事)。同氏は、4月5日からアメリカ・ニューヨークの公式ストア「Nintendo New York」に2か月間並ぶと宣言。本日までの2か月間、自身のYouTubeチャンネルに毎日動画を投稿し、身の周りで起きる様々な出来事を視聴者に報告してきた。なお、同氏は一連の動画の中で「FIRST IN LINE(待機列一番乗り)」と表現しているが、実際にストアの前に2か月間ずっと立ち続けて列を作っていたわけではない。基本的に夜間は店先を離れ、民泊サービスAirbnbやホテルに泊まる手立てを講じていたという。同氏としてはNintendo Switch 2の購入というより、任天堂ファンとの交流を主な目的としてチャレンジを始めたそうだ。


ところで、Nintendo Switch 2発売日のNintendo New Yorkには並び順で入店できるわけではなく、条件付きの深夜店頭販売イベント「Nintendo Switch 2 Midnight Launch Shopping Session」が実施されることが決まっていた。同イベント向けには事前に「Warp Pipe Pass」を取得する仕組みが導入されており、これは任天堂のウェブサイトから申し込むことで、特定の時間帯に優先的にイベントに参加することができるというものだ。

ただChickenDog氏が並び始めたのは、そんなWarp Pipe Passが発表されるかなり前。Warp Pipe Passによって同氏の“一番乗り”が維持されるかどうか一部ファンから危ぶまれていたものの、無事にWarp Pipe Passを取得できたことを5月22日に自身のXにて発表していた。その後はNintendo Switch 2の購入や入店目当てに毎日並び続ける必要はなくなったといえるが、当初の目的どおりあえてファンとの交流を目的に店に通い続けていた格好だ。

Image Credit: ChickenDog on YouTube

そうして60日間で、ストアを訪れる多くの人が同氏の動画に出演。Nintendo Switch 2の発売に向けた興奮を一緒に分かち合っていた。また、発売前日となる「DAY 60」の動画には、海外YouTuberのAlex CND氏が登場。Alex氏は2017年3月3日、すなわちNintendo Switchの発売日までの1か月間、同機を最前列で購入するためにNintendo New Yorkに並んでいた人物だ。思わぬ人物との遭遇にChickenDog氏は大興奮。同氏にとってAlex氏は、Nintendo New Yorkで最前列に並んだ経験を持つ憧れの人物の1人であったからだ。今回の挑戦についてもAlex氏の記録を意識しつつ、Nintendo Switch “2”にちなんで2か月前から並び始めたという。そんなAlex氏が、後継者ともいえるChickenDog氏にエールを送りに来たようだ。


そして迎えた現地時間6月4日の深夜、日付が変わる約2時間前からChickenDog氏はライブ配信を開始。この日同氏は、自身のトレードマークである黄色いニット帽を被り、黄色いスーツに身を包んでいた。今回の企画を通して、現地ではすっかり有名人となったChickenDog氏。配信中にもたくさんの人が彼に話しかけ、インタビューの取材をおこなうメディアも多数現れていた。先述したWarp Pipe Passという仕組みもあってか、厳密な待ち列ではなくお祭り的な様相を呈していることがわかる。

Image Credit: ChickenDog on YouTube


また、開店直前になると現地の興奮は最高潮に。『スーパーマリオ オデッセイ』のテーマソングである「Jump Up, Super Star!」を全員で熱唱する場面も。ChickenDog氏も喉が枯れるほどに歌い上げた。さらに、Nintendo of Americaの社長Doug Bowser氏がストア前にサプライズ登場。Bowser氏が大勢に集まってもらったことへの感謝を伝えるや否や、開店まで残り1分に。とうとう群衆によるカウントダウンが始まった。

Image Credit: ChickenDog on YouTube


こうして現地時間6月5日0時、ついにNintendo New Yorkが開店。拍手とともにまず迎えられたのは、もちろん最前列で待つChickenDog氏だ。スタッフに率いられてカウンターに辿りつくと、ついに念願のNintendo Switch 2を入手。さらに購入したNintendo Switch 2の箱に、先駆者Alex氏からのサインをその場でもらっていた。配信の中でChickenDog氏は、コミュニティの助けがなければ達成することができなかったとして、視聴者に繰り返し感謝を伝えていた。「夢が叶った」と語る同氏の表情は、喜びに満ちていた。

Image Credit: ChickenDog on YouTube


ちなみにこれまでNintendo New Yorkでは、前身の「Nintendo World Store」時代から、スタッフも一丸となった盛り上がりが伝統となっている。店内のスクリーンでNintendo Directが放映され、訪れたファンとともに盛り上がることで有名なのもこの店舗だ。

そして任天堂の歴代ゲーム機発売時には、今回と同様の挑戦をした人物たちの足跡が刻まれてきた。Wii Uに最前列で並んだTriForce氏、そしてNintendo Switchを最初に入手したAlex CND氏。今回、Nintendo Switch 2を2か月かけて手にしたChickenDog氏もそこに名を連ねることとなった。“長期間並び続ける”という一見物議を醸しそうな試みが、店側の協力もありつつ一種の伝統のように続けられてきた点は興味深い。

「Nintendo Switch 2」は発売中だ。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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