Nintendo Switch 2は“Super Nintendo Switch”になるかもしれなかった。「スーパー」と名付けたくなかった理由などSwitch 2裏話いろいろ

任天堂は4月2日、Nintendo Switch 2の詳細を発表し、6月5日に発売すると告知した。あわせて任天堂の公式サイトでは「開発者に訊きました」の第16回が公開され、Switch 2の開発の裏話などがさまざま明かされている。

任天堂は4月2日、Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)の詳細を発表し、6月5日に発売すると告知した。あわせて任天堂の公式サイトでは「開発者に訊きました」の第16回が公開され、Switch 2の開発の裏話などがさまざま明かされている。

今回の開発者に訊きましたには、Switch 2 のプロデューサーを担当している企画制作部の河本浩一氏、Switch 2 のディレクターを担当している企画制作部の堂田卓宏氏、技術開発本部の佐々木哲也氏が出席。Switch 2の開発に携わった3名の視点で、全4章にわたってさまざまな裏話が語られた。


まず河本氏によると、上述の3名での新ハード開発プロジェクトが始まったのは2019年のこと。厳密にはNintendo Switch(以下、Switch)発売後から新ハードを見据えた研究開発や情報収集が始まっていたという。

そしてSwitch 2の開発では、ハード処理性能という「器」を広げ、ソフト開発者に恩恵をもたらすコンセプトがあったと明かされている。コンピューターの処理速度を優先的に向上させる選択がとられたことで、今までにない新しい遊びが実現できているそうだ。


「同時通訳」で実現された後方互換

一方でハード性能の向上に焦点が置かれたことで、後方互換性についての優先度は低かったという。たとえば過去の任天堂のハードでは、ニンテンドー3DSでニンテンドーDS用のソフトを、Wii UではWii用のソフトを遊ぶことができた。河本氏によると、これは簡単にいうとニンテンドー3DSにはニンテンドーDSのハードが入っていて、Wii UにはWiiのハードが入っていたため実現されていたそうだ。しかし、Switch 2 はハード設計の考え方が違うため、Switchのハードが入っていないという。

そのためSwitchとSwitch 2はハードウェアで互換しているわけではなく、互換性をもたせるために新たな技術が用いられているそうだ。ただし堂田氏は、ソフトエミュレーターのような技術を使う場合、Switch 2のバッテリーがもたなくなるほど性能をフル回転させる必要が生じると説明。そのためSwitch 2では「ソフトエミュレーターとハード互換の中間のようなこと」をやっているとのこと。


佐々木氏によれば、これは技術的にはSwitch用ソフトのデータを、Switch 2で動くように変換する処理を、データを読み込むと同時にリアルタイムで実行しているそうだ。Switch用ソフトをSwitch 2向けに「同時通訳」しているようなイメージだという。

とはいえSwitchのハード構造だからこそうまく動いていたソフトもあり、一つひとつのソフトを検証して、仕組みを改善することで互換性の確認おこなう必要があったそうだ。そうした確認が、全部で1万タイトル以上におこなわれたという。ローディングが速くなったり、ゲームの処理が安定したりするものがあり、全体的な体験がより良いものになりそうだといった発見もあったという。

またアップデートを通じてSwitch用ソフトをおすそわけ通信に対応させたり、Switch 2の処理性能によってゲームプレイを高解像度で実現したり、なめらかな動きにするなど、できることはいろいろあると考えられているそうだ。ちなみに現時点でのSwitchソフトとSwitch 2ソフトの動作確認状況については、公式サイト上で紹介されている。


Wii U技術の活用

なお上述のおすそわけ通信とは、対応するゲームの所有者が、非所有者と一緒にプレイできる新機能だ。従来のようにJoy-Conをおすそわけするのではなく、各自の本体を使ってプレイできる。ローカル通信のほか、Switch 2の「ゲームチャット」機能を利用すれば、オンラインで一緒にプレイすることも可能だという。

今回の「開発者に訊きました」では、ローカル通信ではSwitch 2同士だけでなく、Switch 2とSwitchでもおすそわけできるソフトがあることにも言及された。Switch 2を買った後もSwitchには活躍の機会があるという。


ちなみにおすそわけ通信は、もともとSwitchでも実装が検討されていたそうだ。しかしSwitchのソフトは容量が大きすぎて(本体間での)転送に時間がかかるため断念。そこでSwitch 2では持ち前の処理能力を活かしつつ、Wii Uにおいて本体からWii U GamePadに映像を送っていたストリーミング技術と同じものを使っておすそわけ通信が実現されたという。この際には技術開発部が先行で研究開発していた無線ストリーミング通信の最新技術が活かされたとのこと。Wii Uの技術も、形を変えて活用されているというのは興味深い。

さまざまな開発の裏話が明かされた今回の「開発者に訊きました」。特にSwitchとSwitch 2の互換性については、新たな技術も取り入れられて実現されている模様。なお互換性は、「Nintendo Switch 2」という名前の由来のひとつでもあるようだ。当初は名称として「Super Nintendo Switch」のような案も挙がっていたそうだが、ファミリーコンピュータの後に出たスーパーファミコンでは互換性がなかったため、「スーパー」を冠する名称は却下されたとのこと。これがNintendo Switchの“新しい標準”になってほしいという想いから、「Nintendo Switch 2」になったそうだ。このほかにも興味深いエピソードが語られており、興味のある人は「開発者に訊きました」をチェックしておくといいだろう。

Nintendo Switch 2は6月5日に発売予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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