NetEase Gamesが、中国国外のスタジオへの投資打ち切り拡大中との報道。日本のスタジオへの影響も大か
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現在、海外メディアGame Fileなどの各メディアにて、NetEaseが中国国外スタジオの多くへの投資を打ち切る計画があると報じられている。また桜花スタジオなどの国内スタジオをはじめとした各種スタジオについても、すでに閉鎖や業務の中止が実施されている状況だという。
NetEaseは中国のIT企業だ。ECサイトやメールサービスなどを手がけるほか、NetEase Gamesとして、ゲームの開発やパブリッシングもおこなっている。手がけた作品としては『マーベル・ライバルズ』『荒野行動』『NARAKA: BLADEPOINT』などといったタイトルが挙げられる。
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NetEaseは近年、日本や欧米のスタジオを買収したり出資をおこなう動きを強めていた。たとえば2021年には『killer7』などを手がけたグラスホッパー・マニファクチュアを傘下に迎えた(関連記事)。また2022年には『Detroit: Become Human』などで知られるQuantic Dreamを買収(関連記事)。そのほか日本の著名クリエイターの独立に際し、出資をおこなっていた。
そうして中国国外への投資を実施してきたNetEaseが、一転大規模な事業撤退を計画しているという。昨年11月には、同社によって設立されたWorlds Untoldについて、スタジオ運営の暫定的な停止が発表された。World Untoldは『Mass Effect』『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』を手がけたMac Walters氏が率いており、デビュー作を開発中と伝えられていた。NetEase Gamesの社内スタジオとして日本に設立された桜花スタジオもまた昨年に閉鎖されたと見られる。
また今年1月には同社傘下にあったJar of Sparksが新作タイトル開発中止および一部従業員のレイオフを発表。さらに、金額は非公開ながらNetEaseが投資をおこなったスタジオLiquid Swordsも、今年2月17日に従業員の削減意向を発表した。直近では『マーベル・ライバルズ』を手がけた米国チームが全員レイオフされた報道も記憶に新しい(関連記事)。
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数多くのNetEase系のスタジオが閉鎖されているのが現状。Game Fileによれば、こうした閉鎖・削減傾向はまだまだ続ける見込みだという。関係者発言として寄せられた情報では、今後中国国外スタジオの大半への投資を売り切り、あるいは売却する方針としている。資金の獲得が困難な場合、10以上のスタジオが閉鎖される可能性があると報じている。
なおBloombergの報道によると、日本国内スタジオも例外ではないようだ。グラスホッパー・マニファクチュアや名越スタジオは、現在進められているプロジェクトの進行の猶予は与えられているものの、追加の資金や開発期間といったリソースは提供されない予定だと関係者は語る。またゲーム発売に際したマーケティング費用も提供されない見込みであるとも述べている。
【UPDATE 2025/2/22 11:07】
ニュアンスを調整
数々のヒット作を送り出していくさなか、突如として中国国外スタジオの大規模売却や事業縮小の方針があると報じられたNetEase。こうした方針は各種スタジオの買収や設立はかねてより実施されてきたものの、昨今のゲーム業界全体の苦境も相まった結果、投資の打ち切りという判断に至ったのかもしれない。NetEaseはこうした報道へのコメントは避けており、真実は定かではない。実際に閉鎖・事業縮小が断行されるのかについては大きな注目が寄せられる。