中国にて新種生物に『モンスターハンター』の「フルフル」の名がつけられる。フルフルと共通点いろいろな“クモ”
中国の広西チワン族自治区にて、新種のクモが発見された。そのクモには『モンスターハンター』シリーズに登場するモンスターの一体である「フルフル」にちなんだ名前がつけられているようだ、とSNS上で指摘され、話題となっている。海外メディアVG247などが報じている。
フルフルは、『モンスターハンター』シリーズに登場する飛竜種のモンスターである。英語版では「Khezu」と表記される。フルフルの生態としては、寒くて暗い環境を好むため、寒冷地の洞窟にて目にすることが多い。また暗い所で生活したためか、全体が白く、目が退化して大きな口だけがある顔も大きな特徴だ。体内には発電器官をもっており、攻撃の際には口などから電気を放つ。
そんなフルフルの名をもつクモが誕生したようだ。生物多様性についてのさまざまなデータを収めているオンラインプラットフォーム「Biodiversity Data Journal」によれば、中国の広西チワン族自治区にて新種のクモが発見されたとの報告がまとめられている。ここで見つけられた新種のクモは「Otacilia khezu」と名付けられ、「Khezu」、つまりフルフルの英語版名を冠することになったようだ。このことをXユーザーのCorvus氏が紹介し、話題となっている。
Otacilia khezuはOtacilia属のクモの一種だ。Otacilia属は東アジア、および東南アジアに広く生息。森林や草原、都市環境など多様な生息地への適応を示しているといい、現在世界で発見された137種中115種が中国に分布しているようだ。
Otacilia khezuは洞窟などに生息する種類のOtacilia属として新たに中国で見つかったと報告されている。体長は3センチメートルほどで、色素が失われているため体表は白く、目が退化している。洞窟に生息し、白く目が退化した生物ということで、フルフルとの共通点を見いだされ、命名にあたってフルフルの名が用いられたのだろう。Biodiversity Data Journal上のOtacilia khezuの説明では、『モンスターハンター』のフルフル(Khezu)から命名されたこともあわせて記載されている。
なお今回Otacilia khezu発見に関する論文の著者のひとりであるYejie Lin氏は、今回発見した新種のほかにも、ゲームや漫画などにちなんだ名前を発見した生き物につけている模様。たとえば過去には同じく『モンスターハンター』より「リオレウス(Rathalos)」の名を命名に使用。ほか漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part7の「スティール・ボール・ラン」に登場するファニー・ヴァレンタインやジャイロ・ツェペリといったキャラクターからも名づけをおこなっているようだ。
ちなみに今回のOtacilia khezuのように、新種の発見に対し、ゲームにちなんだ名前が用いられて命名される例は珍しくない。たとえばEpicratinus属のクモの一種「Epicratinus zelda」は、その見た目がハイラル王国の紋章に似ているとして、ゼルダの名を冠している。また生物以外にも、過去小惑星に『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー吉田直樹氏の名前がつけられたこともあった(関連記事)。