『モンスターハンターワイルズ』、歴戦モンスター相手に「約1秒」でクエストクリアした人現る。クエスト前に狩っておく

『モンスターハンターワイルズ』にて、大型モンスターの討伐クエストをわずか1秒近くでクリアしたユーザーが現れた。本作の仕様を利用した“裏技”的な手法が用いられており、狩猟にかかる実際の時間については通常のプレイよりむしろ長くなるという。なお本稿には本作終盤の内容が含まれているため、留意されたい。
本作は、ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの最新作だ。本作の舞台となるのは、これまでギルドが調査したことのない未踏の領域「禁足地」だ。ギルドに保護された少年ナタの証言を手がかりに、謎のモンスター“白の孤影”を探すため、プレイヤーたちは調査隊のハンターとしてこの地に足を踏み入れる。「集中モード」といった新アクションや、リアルタイムに状況が変化していく活気にあふれたフィールドが特徴だ。
本作では従来の受注してから開始されるクエストに加えて、フィールド上の探索からシームレスに開始される「調査クエスト」が導入された。マップ上から任意のモンスターの狩猟をクエスト化できるほか、大型モンスターに一定ダメージを与えたタイミングでそのモンスターの狩猟が調査クエストとして開始される仕組みだ。
そんな『モンスターハンターワイルズ』の調査クエストを極端に短い時間でクリアするユーザーが現れ話題となっている。3月11日、プレイヤーのHozumi氏が歴戦の個体の「チャタカブラ」調査クエストを1秒53でクリアしたという動画を公開。2秒を切るその驚異的なタイムが本作のコミュニティ内で話題となり、海外メディアVG247などでも報じられている。
歴戦の個体といえば『モンスターハンター』シリーズにおけるエンドコンテンツのひとつで、通常より体力や攻撃力が強化された強化版のモンスターだ。チャタカブラは最序盤のモンスターとはいえ、歴戦の個体モンスターのクエストを2秒とかからずに完了するのはなかなかに信じがたいタイムだといえる。そして元となる動画ではクエストが実際に2秒足らずで完了する様子が確認できるとともに、その手法も紹介されている。
動画は、本作の闘技場フィールド「竜谷の跡地」のチャタカブラと出会うところからスタート。Hozumi氏のキャラはボウガンで毒弾を撃ちこみチャタカブラを毒状態にするが、まだクエストは開始しない。そのまま毒弾のみで断続的に攻撃を継続。弱ったところで睡眠弾に変え、チャタカブラを眠らせた。そして捕獲直前にメニュー画面よりクエストを開始。そこですかさず捕獲、クエストをクリアした。なお同氏はこの事前に毒を与える方法で「ケマトリス」をわずか0.09秒というクリアタイムで討伐する動画も投稿している。
通常、本作では調査クエストをメニュー画面から開始できるほか、先述したとおりモンスターを攻撃することでも自動的にクエストが開始され、時間のカウントが始まる。しかしボウガンの状態異常弾では攻撃扱いにならないのか、クエストが開始されないようだ。そしてそのまま毒で体力を削りモンスターを瀕死にしてしまえば、クエストの開始と完了をほぼ同時におこなうことができるわけだ。

なお毒ダメージでクエストが開始されない理由は定かではないものの、フィールド上での環境生物などの影響が考慮されているかもしれない。本作にはフィールド中にさまざまな効果を持つ環境生物が存在し、なかには「ヤミテラシバチ」など、近づくと毒を与えてくるものもある。そして大型モンスターはフィールドを自由に移動しているため、理論上はプレイヤーのあずかり知らぬところで勝手に毒にかかってしまう可能性もある。毒のダメージだけでもクエストが開始されると、プレイヤーが攻撃していないモンスターでも勝手にクエストが開始されかねない。そのため、毒ダメージだけではクエストが始まらないのは仕様ではないか、といったユーザーの推測もみられる。
ここで、短縮できるのはあくまで“ゲーム内のクエストの”クリアタイムという点には留意したい。先ほどの動画でも、クリアタイムそのものは短いが、実際にはモンスターとの接敵から捕獲完了までには9分ほどかかっている。通常は毒状態の合間に他の攻撃も繰り出せるため、同じ時間でも毒弾以外でより大きなダメージを与えられるだろう。毒弾をメインとした今回の方法では、通常のプレイより、むしろ実時間としては長くかかってしまっているといえる。攻略方法というよりは、本作にて新たに導入された調査クエストのタイムアタック上のテクニックとなるわけだ。

ちなみに本作ではすでに、毒ダメージ作戦とは異なる手法で、調査クエストを極端に短いクリアタイムを叩き出す歴戦のハンターの記録も報告されていた。たとえばタイムアタック走者であるaco氏は、3月10日に実施されたアップデート前の記録ながら、歴戦の個体グラビモスを37秒で捕獲する動画を投稿し、話題となった(関連記事)。また同じくTA走者である双剣道場のS氏は、狂竜化したイャンクックを8.74秒で捕獲する動画を投稿。毒ダメージで“ほぼ狩り終えて”からクエストを開始せずとも、調査クエストではフリークエストなどよりタイム上は高速な狩猟が可能なようだ。
今回、毒ダメージによる長時間の「仕込み」を経た、あまりにも短いクエストクリア時間の達成報告が寄せられた。毒ダメージでクエストが開始されない点が仕様かどうかは明らかになっていないとはいえ、驚異的な記録が達成されたことは興味深い。なお、本作は4月上旬のアップデートにて、歴戦の個体を超える恐るべき強さのモンスターが実装されるという(関連記事)。そうしたコンテンツでさらに強力な武器も実装されていくとみられ、今後さらに記録が短縮されていくのか、また毒などのダメージ仕様が変更されるかどうかも含めて、動向に注目したい。
『モンスターハンターワイルズ』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。