有名フォント配信サービス「フォントワークス LETS」ゲーム組込オプションの更新、一時復活へ。更新終了で実質“数十倍値上げ”と波紋広げたのちに

Monotypeは12月9日、「フォントワークス LETS」および「Monotype LETS」のゲーム組込オプションについて、契約更新の再受付を実施すると発表した。先日突如として発表/実施された契約更新終了による反応を受けてのものと思われる。

Monotypeは12月9日、「フォントワークス LETS」および「Monotype LETS」のゲーム組込オプションについて、契約更新の再受付を実施すると発表し、期限を2026年3月31日まで延長すると告知した。本サービスのゲーム組込オプションに関しては、先日契約更新受付の終了が伝えられていた。

Monotypeは書体デザインなどを手がけるアメリカの企業だ。さまざまなフォントライセンスを提供しているほか、フォントの組み込み技術や、Webサイトやアプリなどに組み込めるMonotype APIなどを提供していることでも知られている。そんな同社は、日本企業のフォントワークスを2023年に買収している。

フォントワークスは年間契約方式の「LETS」(Leading Edge Type Solution)を提供しており、MonotypeもともにLETS契約サービスを提供していた。『Fate/Grand Order』『ペルソナ5』など多数の作品のゲーム内テキストなどに活用されていたサービスだ。このLETS契約について、今年9月4日に「フォントワークス LETS アプリ・ゲーム組込オプション」「フォントワークス LETS軽量化オプション」「Monotype LETSゲーム組込みオプション」のオプションライセンス契約の販売、提供を終了すると発表。2025年11月29日をもって契約が更新できなくなり、SNSなどで大きく話題となった(Game*Spark)。

というのも、「フォントワークス LETS」にゲーム組込オプションを付属させると、1ライセンスあたり年間約6万円でゲーム向けに多彩なフォントを適用できた。しかし今後同様のサービスを享受しようとすると、公式サイトの記載によれば年間で約2万ドル(約312万円)もの金額がかかることが明らかとなり、波紋を呼んでいたかたちだ。

今回の発表では、契約更新/新規契約が打ち切られたサービスのうち、「フォントワークス LETS」および「Monotype LETS」のゲーム組込オプションについて契約更新の期限が2026年3月31日まで延長されたかたち。再受付の開始予定日は2026年1月中を目途としている。

発表にともなってMonotypeは、オプション契約打ち切りについて、従来のプログラムをグローバル基準に合わせる取り組みの一環としての変更だったと説明している。ただサービスを利用中のユーザーに対する移行についての十分な説明や明確さが欠けていたとして、変更の影響などを訊く問い合わせも寄せられているとのこと。そのため、ガイダンスの見直し、改善案の検討をおこなうまでの措置として、オプション契約の“一時復活”を決断したかたちだ。

なお長期的には LETSを Monotypeのグローバル基準であるプロダクトやサービス、サポートにあわせるとも発表しており、遠からぬうちにゲーム組込オプションなどのオプション契約は打ち切られるものと思われる。とはいえ、日本市場向けの新サービスプランを発表する旨も伝えられており、2026年早期を目途として情報を公開するとしている。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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