ほのぼの和風商店街シム『おいでませ、みなみ通りへ!』開発者、「これから3年はお金に困らず新作を作れる」と売上に大喜び。大ヒットで“失業手当生活”を脱却


インディー開発者のDorian Signargout氏は11月16日、商店街運営シミュレーションゲーム『おいでませ、みなみ通りへ!(Minami Lane)』の売り上げが20万本に達したと発表した。

また同氏は発表の中で、向こう3年間は経済的な不安なく新作ゲームを制作できるとし、本作の成功の大きさについても語っている。本作はPC(Steam)/Nintendo Switch向けに配信中。ゲーム内は日本語表示に対応している。


『おいでませ、みなみ通りへ!』は、日本風の街の道路沿いに商店街を作り、お店などを運営するシミュレーションゲームだ。指定の目標をこなすミッションモードと、気の向くままに商店街を作れるサンドボックスモードが収録。プレイヤーは、住居を建てて商店街に住民を呼び込み、彼らがお金を落とすお店を建設し、稼いだお金でさらに施設を充実させていく。

お店には、ラーメン屋やコンビニ、花屋などさまざまな種類が用意され、販売する商品や価格などを設定可能。たとえば花屋であれば、販売する花束に入れる花の種類および量を決めて、かかったコストに対しどれだけの利益を求めるかを設定できる。判断の基準となるのは、お客からの反応だ。商品についての感想のほか、商店街に求める施設についての要望も聞くことができ、それをもとにレシピを改善させたり新たな施設を建てたりして、商店街を発展させていくことになる。

 


本作は、今年2月29日にPC(Steam)向けに配信され、8月8日にはNintendo Switch版もリリース。本稿執筆時点で、Steamのユーザーレビューでは約3400件のうち97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。かわいい世界観や、気楽に楽しめる店舗経営要素などが好評だ。また売り上げ面では、PC(Steam)版のリリースから1週間で2万7000本、3か月後には7万5000本を記録。そして今回、累計20万本に達したことが発表された。

発表にて開発者のDorian Signargout氏は、この作品によって人生が変わったとコメント。そのひとつとして、向こう3年間は経済的な不安を抱えることなく、新たな作品を開発できるとした。本作や前作『Froggy’s Battle』を開発していた頃は、失業手当が同氏の唯一の収入源だったそうで、いくつかゲームを手がけた後には、会社勤めに戻るつもりだったという。それが本作の成功により、今後3年はゲーム開発に専念できるようになったとのこと。これまでと変わらず、比較的小規模でかわいい雰囲気のゲームを作る考えだそうだ。


ちなみにSignargout氏の作品の、今年10月のSteamでの売り上げは約2万4000ドル(約370万円)だったという。これは本作『おいでませ、みなみ通りへ!』だけでなく、『Froggy’s Battle』のものも含まれる。その後、各種手数料・税金の支払いやパートナーとの分配を経て、同氏個人の手元には4000ユーロ(約65万円)が残ったとのこと。同氏はこれに加えて、Nintendo Switch版からの収益も受け取っていることになるだろう。

今回同氏は、ゲーム開発によって生活できるようになったことのほかにも、本作のアートを担当したDoriane Randria氏や、販売パートナーのWholesome Gamesなどと一緒に仕事できたことなど、いくつもの夢が叶ったと述べる。とはいえ、これで燃え尽きたわけではなく、むしろさらなるモチベーションにつながったそうだ。


なお、大きな成功を収めた『おいでませ、みなみ通りへ!』であるが、Signargout氏はそのDLCや続編を作る考えはないという(関連記事)。すでに次なる作品『Beetles Battles』の開発を始めており、SNS上には進捗が投稿されている。子供の虫取りや自然保護をテーマにしつつ、カブトムシによるバトル要素のあるゲームになるようだ。

『おいでませ、みなみ通りへ!(Minami Lane)』は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに配信中だ。