アトラス、親元セガサミーホールディングスから「買収してもっとも成功した事例のひとつ」とベタ褒めされる。GOTY選出作『メタファー』の売れ行きも絶好調
セガサミーホールディングス株式会社は11月8日、2025年3月期第2四半期の決算発表をおこなった。このなかで実施された質疑応答の要旨が公開。アトラスの買収(M&A)が、同社のなかでもっとも成功した事例のひとつであるとの見解が述べられている。
アトラスは、『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズなどを手がける国内の開発元だ。かつて存在したインデックスへのグループ入りを経て、同社に吸収合併され社内ブランド化。しかし同社の民事再生手続き・破産に伴う新旧分離により、2013年11月にセガの子会社であるセガドリームに事業継承され、あわせてセガドリームはインデックスと改称された。その後2014年4月、インデックス(新社)の会社分割により、株式会社アトラスがふたたび誕生し、現在に至る。
今回のセガサミーホールディングスの決算発表では、そんなアトラスの携わった作品が軒並み好調であることが報告。2022年10月にリマスター版として発売された『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』や、ヴァニラウェアが手がけアトラスが2024年3月に発売した『ユニコーンオーバーロード』などが、エンタテインメントコンテンツ事業のコンシューマ分野をけん引しているとのこと。
さらに今年10月に発売された『メタファー:リファンタジオ』は発売日初日に全世界累計販売本数(パッケージ版出荷数+ダウンロード版販売数)が100万本を突破したことも報告されていた。決算発表でもこのことが言及されており、同作PS5版がレビュー集積サイトMetacriticにて11月7日時点で94点を獲得していることも報告された。
質疑応答によれば、『メタファー:リファンタジオ』は、同じく先月発売され初動100万本を記録した『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』と共に、期初計画を順調に推移する売れ行きを見せているとのこと。作品の質が高く評価されていることと、プロモーション施策が功を奏したと考えられているそうだ。
そして「アトラスのタイトルがグローバルで好調だが、このアトラスの開発リソースを強化し、フルゲームのウエイトを上げていく考えはあるか。」との質問に対しては、「アトラスは当グループ(セガサミーホールディングス)が行ったM&Aの中でももっとも成功した事例のひとつ」と回答。かつてアトラスは限られたリソースのもとで国や地域、プラットフォームなどの展開先を絞り込んで販売することが多かったのに対し、セガ傘下でこれを広げるケイパビリティ(組織力・強み)を得たとの見解が示された。そして『メタファー:リファンタジオ』は「製品クオリティの高さに加え、セガのパブリッシングの力を最大限使いマルチプラットフォーム・全世界同時発売を予定通り実行できたことがスタートダッシュにつながった」と見られているそうだ。
元々人気を博していた『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズに加えて、さらなるヒット作を輩出しているアトラス。親会社であるセガサミーホールディングスから「もっとも成功した買収事例のひとつ」と称されるほど、高く評価されているようだ。なお『メタファー:リファンタジオ』は、日本時間12月13日に開催されるゲームの祭典「The Game Awards 2024」にて「Game of the Year」を含む複数の部門にノミネートされている。すでに高い評価を得ており、同イベントも含めどのようなアワードを獲得していくのかも注目される。
『メタファー:リファンタジオ』は、PC(Steam/Microsoft Store)/PS4/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。