PC版『Marvel’s Spider-Man 2』、最適化不足でSteamにて「賛否両論」に。開発元は急ぎ修正アプデに注力
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが1月31日に配信開始した、『Marvel’s Spider-Man 2』のPC版が苦戦しているようだ。Steamのユーザーレビューでは、現時点で「賛否両論」ステータスとなっている。
『Marvel’s Spider-Man 2』は『Marvel’s Spider-Man』シリーズの最新作となる、オープンワールドアクションゲーム。本作では過去作で主人公として登場した、二人のスパイダーマンを操作可能。ゲームプレイ中に、ピーター・パーカーとマイルズ・モラレスのふたりを切り替えつつ、ニューヨークを飛び回る。そしてヴェノムやクレイヴン・ザ・ハンターたちが、スパイダーマンの前に立ちはだかるストーリーが描かれる。本作は2023年10月にPS5向けに先行して発売され、1月31日にPC(Steam/Epic Gamesストア)向けにも配信された。
シリーズ1作目となる『Marvel’s Spider-Man Remastered』は、レビュー集積サイトMetacriticのメタスコアにて87、Steamレビューにて96%好評となる「圧倒的に好評」ステータスを獲得。最新作となる本作のPS5版はMetacriticのメタスコアにて90、The Game Awards 2023にて7部門ノミネートするほど好評を博していた(関連記事)。そして本作『Marvel’s Spider-Man 2』PC版ではウルトラワイド対応やレイトレーシング調整などさまざまなオプションも用意。さらに、1月30日には一部ユーザーからの批判を招いていたPSNアカウントとの連携が必要なくなることも発表されていた(関連記事)。前評判が高かったわけだ。
しかしながら、満を持して配信された本作のSteamユーザーレビューは、本稿執筆時点で6209件のうち62%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。レビューでは、ゲーム内容そのものは満足の声が見られる一方で、推奨を大きく超えるハイスペック環境においても、グラフィックの不具合や頻繁にクラッシュするなどパフォーマンス面で最適化不足が指摘されている。レビューの影響もあってか本作の最大同時接続ユーザー数は2万8000人(SteamDB)となり、『Marvel’s Spider-Man Remastered』が記録した6万6000人(SteamDB)から大幅に減少となった格好だ。
こうした状況を受けて、2月1日、2月3日と立て続けに修正アップデートが配信された。いずれもクラッシュの修正が行われており、後者では一部環境で実績が獲得できないバグやフレームレート関連のバグが修正された。また開発元は積極的にSteamニュースにて対応報告を進めている。プレイヤーからのフィードバックおよびクラッシュレポートの監視が行われており、「可能な限り早くバグに対処するために、積極的に追加パッチの作成に取り組んでいる」とのことだ。PC移植を担当したNixxes Softwareといえば、近年多数の良質なPC向け移植を手がけて好評を博してきた。それだけに驚きや落胆が目立っている。SIEおよびNixxes Software の今後の立て直しに注目されるところだろう。
『Marvel’s Spider-Man 2』はPC(Steam/Epic Gamesストア)およびPS5向けに配信中だ。