テンセント発の「『Horizon』にそっくりゲーム」発表に、欧米業界著名人たちが怒る。「いつものパターン」だけどかなり冷ややかな目
テンセント傘下のデベロッパーPOLARIS QUESTは11月28日、『LIGHT OF MOTIRAM』を発表した。同作の世界観やキービジュアルについて、Guerrilla Gamesが手がけた『Horizon』シリーズ作品に酷似しているとの意見が集まり、欧米を中心に業界人からも物議を醸している。
『LIGHT OF MOTIRAM』は、文明崩壊後の、メカが闊歩する世界を生き抜くオープンワールド・サバイバルゲームだ。最大10人でのオンラインマルチプレイに対応予定。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)で、配信時期は未定。Steamのストアページには「無料プレイ」のタグが付けられていることから、基本プレイ無料にて提供されるものと思われる。
『LIGHT OF MOTIRAM』にてプレイヤーは、文明が廃れいちから世界を開拓する人類のひとりとなり、獲得した資源を利用しながらサバイバルをおこなう。マップには、熱帯雨林や砂漠、雪に覆われた山岳地帯、謎に包まれた遺跡など、さまざまなエリアが存在するオープンワールドが用意。メカが野生動物のように闊歩している世界観が特徴となるようだ。
そんな本作は発表後にすぐさま、ソニー・インタラクティブエンタテインメント傘下のGuerrilla Gamesが手がけた『Horizon』シリーズを彷彿とさせるといった声が寄せられている。特に欧米のメディア・ユーザー間では“似すぎである”として物議を醸しているようだ。
『Horizon』シリーズは、シングルプレイのオープンワールド・アクションRPG。これまで第1作『Horizon Zero Dawn』とその続編『Horizon Forbidden West』のほか、関連作品も展開。かつての文明が失われ機械獣が住まう世界を舞台に、主人公である狩人アーロイの旅路が描かれてきた。
つまり、同じく文明崩壊後の自然をメカが闊歩する『LIGHT OF MOTIRAM』は、『Horizon』シリーズと舞台設定がかなり似ているわけだ。またキービジュアルについても、左側に描かれた主人公が、広がる自然と巨大な機械獣を眺めるという構図が『Horizon Zero Dawn』のキービジュアルと類似している。ユーザーだけでなく業界人からも「堂々と真似しすぎ」といった批判を受けている状況だ。
このほか海外メディアKotakuは、『LIGHT OF MOTIRAM』に登場予定のメカ「AGNI」などのデザインにも着目。AGNIについては、『Horizon』シリーズの「ファングホーン」に酷似していると指摘している。カラーリングなどに違いはあるものの、角の形などを見るに少なくとも同じ動物がモチーフに選ばれている可能性はありそうだ。
なお本作の開発を手がけるのはテンセント傘下のデベロッパーPOLARIS QUEST。別のテンセント傘下スタジオでは、過去に『パルワールド』風のゲームが開発中であることが報じられていた(関連記事)。そうした背景を踏まえてか、Blizzard Entertainmentの元社長であったMike Ybarra氏は本作の発表を受けて「紳士淑女の皆さん、テンセントです」と皮肉る投稿をしている。またテンセント傘下のスタジオが“人気作風ゲーム”を作っている、と揶揄しているのだろう。
そうして『LIGHT OF MOTIRAM』ではさまざまな類似性が指摘されている一方で、公開されたトレイラーや公式説明を見るに、ゲームプレイについては『Horizon』シリーズとは違った部分もありそうだ。たとえば武器としては、『Horizon』シリーズと同じく弓が登場することも示されている傍らで、トレイラーでは近接武器とみられる短剣と盾や、ハンマーなどを確認可能。ハンティングアクション系のゲームのように、近接武器も含むさまざまな武器種が登場するようだ。また『LIGHT OF MOTIRAM』では自由な建設システムが用意されるといい、メカは手懐けて育てることも可能とのこと。『ARK』のようなテイムシステムを備えた、サバイバルクラフト要素も特徴となるのかもしれない。
主に世界観やデザイン面で、『Horizon』シリーズに酷似しているといった指摘も寄せられている『LIGHT OF MOTIRAM』。特に作品の顔となるキービジュアルが『Horizon Zero Dawn』と似ている点から、欧米を中心にユーザーや業界人から冷ややかな目を向けられているようだ。一方でゲームプレイは『Horizon』シリーズとは違った作風とみられ、今後リリースに向けて“『Horizon』風ゲーム”として問題視されるイメージを払しょくできるかどうかも注目される。