協力プレイ対応ホラー『Lethal Company』開発者、突如「アプデ開発再開」を表明。きっかけは別の協力プレイ対応ホラーゲーム
Zeekerss氏は3月25日、クリエイター支援サイトPatreonにて『Lethal Company』のアップデート作業を再開すると表明した。

個人デベロッパーのZeekerss氏は3月25日、クリエイター支援サイトPatreonに記事を投稿。同氏の手がける『Lethal Company』について、アップデートの作業を再開するという。この決断については、『R.E.P.O.』の存在も関係しているようだ。
『Lethal Company』は、最大4人協力プレイ対応のホラーゲームだ。PC(Steam)向けに2023年10月から早期アクセス配信をおこなっている。プレイヤーは「Company」の契約社員として放棄された衛星に向かい、各所を探索して物品を回収しつつ期限内にノルマを達成。無事に帰還することを目的とする。本作は非常に高い人気を博し、Steamユーザーレビューでは約39万件ものレビューを集め、そのうち97%の好評率で「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。
同作を手がけるZeekerss氏は、個人デベロッパーだ。同氏は過去にゲーミングプラットフォーム『Roblox』において、複数の人気ホラー作品をリリース。近年ではSteamに向けてもリリースをおこなっており、現在は『Welcome To The Dark Place』を開発中。2025年10月のリリースを予定している。
そんなZeekerss氏が今回Patreon上で投稿を公開した。有料会員向けには3月25日に公開されており、4月8日に一般向けにも無料で公開。これを海外メディアGamesRadar+が取り上げ、話題となっている。投稿では同氏が協力型ホラーゲーム『R.E.P.O.』をプレイした感想と「改善案」が綴られている。そのほか投稿の最後では、『Lethal Company』の大型アップデート「バージョン70」に取りかかっている旨も明かされている。
『R.E.P.O.』は物理演算ベースの協力プレイ対応ホラーゲーム。廃墟から貴重品をなるべく多く持ち帰ることが目的となっており、品によって価格はさまざま。ぶつけたり落としたりすると価値が下がってしまうため、慎重に協力しつつ運ぶ。物理演算によって時折突飛な挙動が見られることもあり、笑えるホラーゲームとして人気を獲得。Steamで2月26日に早期アクセス配信開始された後、瞬く間に大ヒットをあげている(関連記事)。

Zeekerss氏は過去にも『R.E.P.O.』をプレイしていたことを報告していたが、今回は同作に触発されてか、『Lethal Company』の開発を進めることを明かしたかたち。なお同氏は公式Discord上で2024年8月、『Lethal Company』のアップデート作業から、『Welcome To The Dark Place』の制作に「一時移行」する旨を明かしていた。『Lethal Company』に向けては同時期8月17日にはバージョン60をリリース。大型アップデートとして新生命体や新エリアなど多数の要素を実装していた。それらの新要素を無事追加できたということもあって、“燃え尽きてしまった”感覚があったために、新作開発に注力する方針を明かしていた(関連記事)。
実際には『Lethal Company』のアップデート自体は数を減らしつつも継続。ただリリース1周年記念としてバージョン65が2024年10月に、バージョン69が2024年12月に配信されているものの、いずれも軽微な修正/追加に留まっている。バージョン70についての大々的な発表もされていなかった。そうした中で、Zeekerss氏が「急にエネルギーが湧いてきた」として『Lethal Company』アップデート開発への“回帰”を表明したため、話題となっているわけだ。

Zeekerss氏は数週間にわたり友人とノンストップで『R.E.P.O.』をプレイしていたという。同作については、複数人でアイテムを運ぶ必要のあるホラーゲームというデザインが、戦略性を生み出し、作業に夢中になれる、と評している。また反撃が可能なことで、モンスターを罠にはめて一方的に攻撃できる状況が生まれ、勝利や喜びを感じられるとしている。
一方でしゃがんで隠れることで基本的にはモンスターから見つからなくなることや、スタミナが少ない点について、ゲームプレイが長くなりがちになる要素だと指摘。そのほかレベル5や6における難易度曲線の上昇度合いや、いくつかの敵についてのデザインの改善案など、開発者目線でよりブラッシュアップできる点を列挙した。
そうして時に楽しみつつ、時に分析しつつ『R.E.P.O.』を遊んだとみられるZeekerss氏は、『Lethal Company』と同じく協力プレイ型のホラーゲームである『R.E.P.O.』に触発されたのだろう。『Welcome To The Dark Place』についてアイデアをじっくり練る期間に移行し、再び『Lethal Company』のアップデート作業に着手すると決めたようだ。なおやる気のレベルが急上昇したことについては、プロジェクトを『Lethal Company』に切り替えたことや、季節的な要因もありえるとして、実際にはよくわからないとまとめている。

ちなみに『Lethal Company』の大型アップデートとなるバージョン70ではさまざまな要素が追加されると思われるが、Zeekerss氏は「It will be a little while though.(少し時間がかかるだろう)」とも言及。今後、『Lethal Company』バージョン70について続報も届けられるだろう。動向には注目したい。
『Lethal Company』は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中だ。