ある『League of Legends』プレイヤーが、敵にボコボコに負けたうえに“誤BAN”までされる。やられすぎだったので
『League of Legends』のあるプレイヤーが、ランクマッチにてあまりにデスがかさんでしまったために「トロール行為」と自動検出システムに判定され、“誤BAN”されてしまったようだ。

『League of Legends』(以下、LoL)のあるプレイヤーが、“あまりにも敵に倒され過ぎた”ために、トロール行為とみなされ、なんとBANされてしまった。このことについてプレイヤーは抗議。最終的にBAN措置は撤回されたようだ。
『LoL』では、不正行為や嫌がらせなどは個別にユーザーから報告ができる。そのほか、アンチチートシステムVanguardによるチートの自動検出が存在。またグリーフィング(消極的な態度)やトロール(利敵行為)についても、Riot Gamesの独自検出システムに基づき、自動で検出されるという。そうした行為が検出されたユーザーはペナルティとしてランクマッチの制限や、BAN措置が課されることがある。

今回その自動検出によって“誤BAN”されてしまったのはGorillajones氏。同氏は『LoL』の配信をおこなっているほか、現在ではプロ志望のプレイヤーとして仕事をやめ、『LoL』に打ち込んでいるそうだ。そんなGorillajones氏のメインレーンはtop。topレーンはマップに3本レーンがあるうちの、一番上のレーンを指し、同氏は主にそこで戦っているわけだ。
ところで、『LoL』のランクマッチではプレイヤーの希望するロール(役割)を最大で2つまで選んでマッチングがおこなわれる。しかし人気の高いtopやmidを希望した場合、「どこでもオプション」として、プレイ人口の少ないロールが割り当てられることがある。Gorillajones氏はランクマッチに潜り、問題のマッチにて「どこでもオプション」でjg(ジャングラー)に振り分けられた。
ジャングラーはレーン間にある森のような区域、ジャングルを主に巡回しつつ、レーナーを助けたり、戦況で優位に立つことのできるオブジェクトの取得を先導したりするロールだ。ジャングラーは通常あまりレーンに立つことがない都合上、その他レーナーとは異なった動きを求められる。Gorillajones氏は不慣れと思われるジャングラーとして試合に臨んだものの、27分の試合で3キル21デス2アシストと散々な成績を残してしまった。

この試合の様子はTwitchの配信に収められている。同氏は試合開始早々、敵に自陣深くまで入り込まれ、あえなく1デス。この序盤の失速を皮切りに、試合中、敵のジャングラーに常に追われ続ける羽目に。それでもあきらめずに何とかジャングルを回ろうとするも、挽回不可能な領域まで相手が育ちすぎてしまい、27分で試合は終了。なおGorillajones氏の成績は今シーズンでは勝率51%で上から3番目となるランクの「マスター」まで到達しており、基本的に実力不相応なランクでプレイしていたり、トロール行為をしたりしているわけではないことには留意したい。
しかし約1分に1度ペースの多すぎるデスは、Riot Gamesの自動検出によって「トロール行為」と認識されてしまったようだ。Gorillajones氏は問題の試合があった7月10日の翌日にRiot Gamesから7日間のBANを言い渡されてしまった。
Gorillajones氏がXで“誤BAN”されたと報告したこと、そしてRiot Gamesに申し立てをしたもののそれが拒否されたことを明らかにすると、すぐさま話題に。27分で21デスという多すぎるデス数については、トロール同然と揶揄、非難する声がある一方で、有志による“検証”も実施された。元プロジャングラーで現在はコーチをしているPerry氏によれば、意図的にデスをしたとは言いづらく、Gorillajones氏の主張どおり“誤BAN”ではないかとの見解が示された。
こうした流れもあってか、Riot Games内でBAN措置に対する再検討が実施されていたようだ。Riot Gamesで『LoL』のプロダクトマネジメントディレクターを務めるDrew Levin氏は、分析チームの検討により、今回の対応は「厳しすぎた」との判断を下し、BAN4日目にして、めでたくGorillajones氏のBAN措置は撤回された。
またLevin氏は、デス数などに基づいて悪質行為を自動検出するシステムについて、今回の事案を契機に修正・改善を進めていくとした。具体的な変更方針は明かされなかったものの、Gorillajones氏のように、不慣れなロールや、敵にやり込められてしまったときの誤検出を減らしていく狙いがあるとみられる。Riot Gamesはこの自動検出基準について、悪用を防ぐために詳細は明かしていないが、変更があった場合には何らかのアナウンスがおこなわれる可能性もある。続報には注目されるところだろう。
ちなみにGorillajones氏はBANが解除されたのちにさっそく『LoL』をプレイ。同氏のプロへの挑戦は現在も継続中のようで、こちらの動向にも期待が寄せられる。
『League of Legends』はPC向けに基本プレイ無料で配信中だ。