賛否両論のまま開発中断された『Hyper Light Breaker』、“見捨てられた”と不評レビュー殺到。「最後の洗練アプデ」すら棚上げ状態
開発中断の背景には、パブリッシャーの親会社Embracer Groupの組織再編の影響があるとも考察されている。

パブリッシャーのArc Gamesは2025年12月23日、Heart Machineが手がける『Hyper Light Breaker』について、当面の間開発がおこなわれないことを発表。これを受けて、Steamでは不評レビューが相次いで寄せられている。開発中断の背景には、Arc Gamesの親会社Embracer Groupの組織再編の影響があるとも考察されている。
『Hyper Light Breaker』はオープンワールドアクションアドベンチャーだ。本作はソロおよび3人までのオンラインマルチプレイに対応している。前作『Hyper Light Drifter』と世界観を共有しており、本作では荒廃した「深緑の森」を新たな舞台とする。プレイヤーは文明を立て直す存在ブレイカーとして、深緑の森を支配するアビスキングを倒すことを目指す。

本作にてプレイヤーは近接/遠隔武器を使い分けつつ戦闘をおこなう。戦闘アクションには無敵時間のある緊急回避や、敵の攻撃を受け流すパリィや壁走りが存在。探索を通して、新たなスキルを会得することも可能だ。また本作のストーリーは、アビスキングの守護者たるクラウンを倒すことで進行していくものの、クラウンは鍵のかかったダンジョンに潜んでいる。そのためエリート級のモンスターを倒すことで、鍵を手に入れる必要がある。
2016年にHeart Machineがリリースした前作『Hyper Light Drifter』は、精細なドット絵で描かれる2DアクションRPGとして高い評価を獲得。Steamユーザーレビューではこれまでに1万4782件のレビューを得て、そのうち93%が好評とする「非常に好評」ステータスとなっている。

そして続編となる『Hyper Light Breaker』は3Dのオープンワールドゲームへと大きく作風を変え、2022年4月に発表。2025年1月に早期アクセス配信が開始され、配信直後には5000人を超える最大接続プレイヤー数を記録したほか、探索と戦闘を繰り返す一連のプレイループや武器種の豊富さなどについて一定の評価を獲得。しかし特に序盤の難易度の高さやゲームバランス、UI/アクセシビリティといった各種の要素で指摘が相次ぎ「賛否両論」ステータスでの幕開けとなっていた(関連記事)。ただ、Heart Machineはフィードバックを受け止め改善を進める方針を示し、2025年には4月と8月に大型アップデートを配信。新たなクラウン・エリア・ブレイカーに加えて、新システムなども導入されてきた。
ところが同年10月、Heart Machineによる人員削減の実施が報じられ、『Hyper Light Breaker』の開発を段階的に終了する方針が明らかとなった(Game Developer)。この中でHeart Machineは「制御の及ばないより広範な力(broader forces beyond our control)」に言及し、原因が外部にあることを示唆。加えて、2026年1月にもアップデートを実施し、開発を終了する前にゲームの完成度を高める計画について伝えていた。
本作のパブリッシングをおこなうArc Gamesは業界大手のEmbracer Groupの傘下にある。Embracer Groupは組織再編をここ数年で急速に進めていることでも知られる企業で、Arc Gamesの体制変化により、Heart Machineが開発継続にあたって十分なサポートが得られなくなった可能性もあるだろう。ちなみにHeart Machineの創設者であるAlx Preston氏は過去に、本作は当初2023年秋に早期アクセス配信を開始する予定であったが延期されたことを告白しており、その際にもパブリッシャーがEmbracer Groupに買収されたことが延期の一因であったと語っていた(GamesRadar+)。

そうして開発のフェードアウトに向けた動きに注目が集まる中、2025年12月23日に発表されたArc Gamesの声明では、当面の間『Hyper Light Breaker』の開発はおこなわれないとされている。事実上の開発終了宣言を受け、Steamのユーザーレビューでは同日を境に不評レビューが大幅に増加。過去30日の集計では、70件中好評率はたった7%の「非常に不評」ステータスとなっている。ゲームが正式リリースを迎える前に“見捨てられた”ような状態であり、1月に計画されていたアップデートの約束も反故にされたことに対し、怒りや失望の声が寄せられている状況だ。
近年ではゲーム業界における人員削減やスタジオの閉鎖が相次いで報じられており、2024年に比べると減少傾向にあるものの、引き続き予断を許さない状況だ。そうした動きの中では、特にパブリッシャーや親会社がついている開発元では思うように開発が続けられないケースも見受けられる。また昨今では特に、早期アクセス配信開始時点での売上やユーザー評価がマーケティング上の重みを増している傾向もうかがえる(関連記事)。今回の『Hyper Light Breaker』も初動の躓きが影を落としていた可能性はあり、早期アクセス配信のリスクを浮き彫りにする事例かもしれない。“当面の間”と伝えられている開発中断の後に正式リリースが実現されるかどうかも含めて、今後の動向が注目される。
『Hyper Light Breaker』はPC(Steam)向けに配信中。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。



