『崩壊:スターレイル』の新トレイラーが「NetEase作品のトレイラーに似ている」と物議醸す。NetEaseは権利侵害について法務部で調査中と表明
NetEase Gamesは12月4日、『陰陽師本格幻想RPG』(以下、陰陽師)の公式Weiboアカウントを通して「法務部門で権利侵害についての調査をおこなっている」ことを表明した。関連性は不明ながら、昨日12月3日に公開された『崩壊:スターレイル』のトレイラーにおいて、過去の『陰陽師』のトレイラーとの類似性が指摘され、一部ユーザー間で物議を醸している状況がある。
『陰陽師』は中国に拠点を置くNetEase Gamesが手がける、iOS/Android向けの基本プレイ無料ゲームアプリだ。中国では2016年9月より、日本では2017年2月よりサービスが展開されている。舞台となるのは、人と妖が共存する平安時代。安倍晴明や八百比丘尼といったキャラが陰陽師として登場し、式神を編成したパーティでターン制バトルに挑む。式神についてはガチャを通して召喚する方式だ。
そんな『陰陽師』の過去のトレイラーと、『崩壊:スターレイル』の新たなトレイラーによく似たシーンが複数存在することが波紋を広げている。『崩壊:スターレイル』は、中国に拠点をおくmiHoYoが手がけHoYoverseブランドから展開されている基本プレイ無料RPGだ。物議を醸しているのは12月3日に公開された「サンデー キャラクターPV ソリスト」(以下、ソリスト)である。
類似点が指摘されているシーンのひとつは、ソリストの1分28秒ごろの巨大な像が水没している場面だ。このシーンは、2023年2月に公開された『陰陽師』の式神「月読」のCGストーリー動画の冒頭のシーンによく似ている。さらにソリストの1分59分ごろの、光に包まれた人々が空に上っていくシーンは、2022年11月に公開された『陰陽師』の式神「尋香行」のCGストーリー動画における3分ごろの場面を彷彿とさせる。このほかソリストの40秒ごろのピアノの演奏シーンは、Net Ease Gamesが手がける『第五人格』にて2023年12月に公開された「Madness’s Descent」の7秒ごろからの場面との類似点も指摘されている。
そうして「ソリスト」において、Net Ease作品の過去のトレイラーとのさまざまな類似点があることは一部ユーザー間で“オマージュを超えた盗用ではないか”といった物議を醸している。『陰陽師』の公式Weiboアカウントの公式投稿にも複数のユーザーが報告を寄せている状況があった。
このことを受けてか、『陰陽師』の公式Weiboアカウントは声明を投稿。同作ではキャラクターの美しさを追求し、独特なデザイン美学と世界観の完成度にこだわりをもってきたと説明している。またゲーム業界が健全に発展し、競い合いながらも手を取り合える企業が増えてほしいと言及。業界のなかで美を磨きあげ、プレイヤーに還元していきたいとした。『陰陽師』のデザインにこだわりをもっていることや、業界の健全化への期待を表明した格好だ。
そしてこの投稿に連なるかたちで、『陰陽師』運営元の法務部門が何らかの調査をおこなっていることを明らかにした。権利侵害がある場合は、正当な権利と利益を保護するために、法的責任を追及していく構えを示している。またユーザーから寄せられた意見についての感謝も綴られている(『陰陽師』公式Weiboアカウントより引用):
ちなみに『陰陽師』公式Weiboアカウントは、今回の声明に先がけて、12月3日の「ソリスト」公開直後に、意味深な“苦言”を呈していた。先述の「月読」のゲーム内の「恐ろしい、なぜこんなリスクを冒すのか」といったセリフを引用。あわせて「友よ、どうしようもない……」と伝えていた。
いずれにせよ『陰陽師』公式Weiboアカウントの投稿では、どのような権利侵害の疑いが調査されているかは具体的には明かされていない。今後の動向も含め注目されるところだろう。