『Hollow Knight: Silksong』最新の試遊版が「6年前のE3向けのものと同じ」ではないかと注目集まる。実際は少し違う

先日ついに発売日が決定したアクション・アドベンチャーゲーム『Hollow Knight: Silksong』。開発元Team Cherryは先週、ドイツで開催されたゲームイベントgamescom 2025にて本作をプレイアブル出展していたが、そのゲーム内容が「6年前のE3に出展されたバージョンと同じ」ではないかとして注目を集めているようだ。

本作は、高い評価を得た『Hollow Knight（ホロウナイト）』の続編だ。前作にも登場したホーネットというキャラクターを主人公とし、シルクと歌に支配された古代のムシ王国を冒険する。

『Hollow Knight: Silksong』がプレイアブル出展されたgamescom 2025では、本作の「Moss Grotto」と「Deep Docks」という2つのエリアが試遊可能だった。Moss Grottoでは、見知らぬ土地に連れてこられた主人公のホーネットが囚われの身から逃れるところから始まり、探索やボスとの戦いが展開。またDeep Docksでは、サブ武器やスキルを選択して装備できるシステムについても体験できる。

この試遊版について、海外メディアBloombergの記者Jason Schreier氏は8月22日、YouTubeチャンネルBig Aに出演した際に、イベントE3 2019に出展された内容と「まったく同じ（the same exact demo）」ものだとコメント。gamescom 2025では、本作の試遊のために3時間待ちの列ができていたが、自身はもう6年前にプレイ済みだと述べた。

本作は2019年2月に発表され、6月のE3に出展された。つまりSchreier氏によれば、発表当時の試遊版が今年のgamescomにも出展されたということになる。実際E3 2019向け試遊版も、Moss GrottoとDeep Docksをプレイできるというものだった。両者の映像を比べてみると、ステージのレイアウトや出現する敵なども同じのように見える。

ただ、よく見ると“まったく同じ”ではないことが確認できる。たとえば、先述した装備システムはE3 2019版にも存在はしたが、選択機能は制限されUIも省略されていた。またMoss Grottoにおいて、gamescom 2025版では道中でホーネットが息切れするような演出が見られるが、これはE3 2019版にはなかった模様。ほかにも、一部のライティングや背景などが調整されているようだ。

今回出展された試遊版は、プレイできる範囲としては6年前のものと同じであり、そのゲームプレイも基本的には同じ。Schreier氏はこれを指して「まったく同じ」だと述べたのかもしれないが、実際は細かくブラッシュアップされていたというわけだ。試遊向けに都合の良いステージであり、あえてふたたび採用したとも考えられる。見方によっては、少なくともMoss GrottoとDeep Docksに関しては、当時すでにほぼ完成していたと言えるかもしれない。

ちなみにSchreier氏は先日、開発元Team Cherryのスタジオを訪れて実施したインタビュー記事を公開。その中では、アイデアを出せば出すだけゲームに追加されて開発が長期化したことから、本作を完成させるために作業を切り上げた旨が語られた（関連記事）。今回明らかになった試遊版での細かな違いも、そうした磨き上げ作業を通じて採用されたのだろう。同スタジオのこだわりが垣間見える機会になった。

『Hollow Knight: Silksong』は、PC（Steam/Microsoft Store）/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに9月4日配信予定だ。Xbox/PC Game Pass向けにも提供される。