人気宇宙船解体シム『Hardspace: Shipbreaker』新作プロジェクト複数進行中。開発元が“IPを買い戻し”本気で注力

Blackbird Interactiveは8月15日、『Hardspace: Shipbreaker』の知的財産権を、販売元のFocus Entertainmentから買い戻したと発表した。

デベロッパーのBlackbird Interactiveは8月15日、現在発売中の『Hardspace: Shipbreaker』について、販売を担当したFocus Entertainmentから本作の知的財産権を買い戻したと発表した。今後同IPをもとにした複数の新作を手がける計画とのこと。

本作は、宇宙空間で宇宙船を解体する物理シミュレーションゲームだ。プレイヤーは多額の借金を抱える解体工となり、廃棄された宇宙船の解体依頼をこなしながら完済を目指す。作業ではレーザーカッターなどのツールを駆使し、船体を自由に切断して、価値のある資源を取り出していく。パズルのような難解さと、事故の危険が伴う作業となる。

『Hardspace: Shipbreaker』は、PC(Steam)向けに2020年6月に早期アクセス配信が開始され、2022年5月に正式リリース。その後PS5/Xbox Series X|S向けにも発売された。本作は、Steamのユーザーレビューにて本稿執筆時点で約1万8000件のうち89%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得するなど高い評価を得ており、2022年6月時点で50万本を売り上げるヒットを記録。また、過去にはPS PlusのゲームカタログやXbox Game Passにも提供され、累計プレイヤー数としては現時点で数百万人規模になっているという。

そんな本作の知的財産権は、販売を担当したFocus Entertainmentが保有していたが、このたび開発元Blackbird Interactiveがこれを再取得したと発表した。買い戻しにかかった金額は未公表。両社の円満な取引により実現し、今後はBlackbird Interactiveが本作を自主販売するかたちになるそうだ。

『Hardspace: Shipbreaker』の知的財産権を手にしたことを受けて、本作はBlackbird Interactiveの今後のIP戦略の中核を担うことになるという。すでに複数の新作が開発中であり、詳細についてはまだ明かされなかったが、示唆に富む世界観や物理演算を用いたゲームプレイなどによって、このIPをさらに発展させていくとした。

また同スタジオは、コミュニティプログラム「LYNX Pioneer Program」を立ち上げている。LYNXとは、『Hardspace: Shipbreaker』に登場する宇宙船サルベージ企業の名だ。同プログラムに登録して“社員”になれば、開発中のプロトタイプをプレイしてフィードバックを送るなどのかたちで、開発チームと交流できる機会が提供されるそうだ。ファンと協力して新作を開発する狙いがあるのだろう。

『Hardspace: Shipbreaker』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 7416