「Black Mesa」なる企業が発見され、“Half-Life 3”の布石ではないかと騒がれる。設立者は「Valveとは関係ない」と明言、それでも怪しむファン

Black Mesaなる企業が『Half-Life』ファンに発見され、“シリーズ新作のティザーサイトではないか”と噂された。一方で同社はValveやゲーム業界とは無関係の実在の企業だという。

Black Mesaなる企業の公式サイト「blackmesa.com」が『Half-Life』ファンに発見され、“シリーズ新作のティザーサイトではないか”との説が投じられた。一方で同社はValveやゲーム業界とは無関係の実在の企業だという。設立者が『Half-Life』ファンだったようだ。海外メディアArs Technicaなどが伝えている。

『Half-Life』シリーズは、Valveが手がけるFPS。1998年に発売された第1作の舞台となったのは、ブラック・メサ(Black Mesa)研究所だ。施設内では、実験で引き起こされた「Resonance Cascade」なる現象によりエイリアンが次々と出現。主人公のゴードン・フリーマン博士は、崩壊した施設からの脱出を目指すことになる。

シリーズ作品としては、続編となる『Half-Life 2』が2004年に発売。その後長らくしてVR向けの新作『Half-Life: Alyx』が2020年にリリースされたものの、ナンバリング新作として“Half-Life 3”がファンに熱望されている状況がある。


今回、コンテンツクリエイターのPеQu氏が「“Half-Life 3”は9月30日に発表されるかもしれない」との予想を投じ、注目を集めた。ユーザーはblackmesa.comなるサイトを紹介し、トップページ下部に9月30日に終了するカウントダウンがあると報告した。先述のとおりブラック・メサ(Black Mesa)とは、シリーズに登場する研究機関の名称だ。そのためblackmesa.comはシリーズのティザーサイトであり、カウントダウンは新作発表に向けたキャンペーンではないかとの見立てだろう。

一方で、実はblackmesa.comはティザーサイトではなく、Valveとは無関係の企業Black Mesaの公式サイトのようだ。同社は、Charles Fracchia氏とEdward Chung氏によりボストンにて2022年に設立。ワクチンやバイオ製品の製造保証などを主軸に営業しているという。業界向けにひっそりと活動する、いわゆるステルススタートアップ企業だそうだ。

そのため世間に広く知られることを想定していなかったからか、Black Mesaという“紛らわしい社名”が付けられた模様。会社のロゴも『Half-Life』のブラック・メサを彷彿とさせるデザインだ。


なおCharles氏は先述したような“ティザーサイト疑惑”がささやかれた後、同社公式サイト上で「Resonance Cascades」とのブログ記事を投稿。ヘッドクラブのぬいぐるみを顔に乗せた写真と共に、同社がゲーム開発会社ではなく、当然“Half-Life 3”などの開発とも無関係であると強調している。一方で同氏は、Valveの設立者Gabe Newell氏へのラブコールを綴っている。またヘッドクラブのぬいぐるみを持っているあたり、『Half-Life』の大ファンなのだろう。Black Mesaという社名やロゴも『Half-Life』好きが高じた結果かもしれない。

いずれにせよ、Black Mesaやblackmesa.comは、紛らわしいものの『Half-Life』とは無関係だった様子。「“Half-Life 3”が9月30日に発表される」こともないとみられ、PеQu氏も謝罪の言葉を述べている。ただ一部ファンはそれでも同社が“Half-Life 3”と無関係ということを信じきれないようで、“Charles氏は実はValveと内通して現実を巻き込んだパフォーマンスをしているのではないか”といった陰謀論めいた説を提唱している。依然として“Half-Life 3”やシリーズ新作はファンから熱望されており、今後も続報あるいは関連しそうな情報には大きな注目が集まりそうだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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