傑作“事故後”原因特定推理アドベンチャー『The Rise of the Golden Idol』、なんと日本語翻訳刷新。言語ロジックがより正確に読み解ける

Playstackは3月4日、『The Rise of the Golden Idol(ザ・ライズ・オブ・ザ・ゴールデン・アイドル)』のDLC第一弾となる「The Sins of New Wells」の配信を開始した。このアップデートにあわせて、日本語ローカライズが刷新されているようだ。
『The Rise of the Golden Idol』は、主に死因を特定するアドベンチャーゲームだ。ポイント&クリック形式の推理ゲームとなる。本作では、架空の1970年代の世界を舞台に、謎に満ちた不可解な事件をめぐる群像劇が描かれる。超自然的な能力を持つ古代文明の遺産Golden Idol(黄金の像)の力をめぐって、さまざまな陰謀や事故が描かれる。
しかし本作では事故現場というより「事故後」が描かれる。つまり、事故あるいは死亡が起こった原因を推理しなければならない。そこに映っている人物が誰なのか、どうしてそのような事態に至ったのかも不明の状態。落ちている物や人物の発言などといった断片的な情報から特定のキーワードを抽出。人名や何が合ったのかを推理するわけだ。そうして事故の原因や人を特定するうちに、背後にある巨大な陰謀が見えてくるのである。
『The Rise of the Golden Idol』は、前作『The Case of the Golden Idol』とはうってかわり現代が舞台。今に近い環境で、テクノロジーなどをまじえながら奇怪な現象や複雑な人間関係が描かれる。傑作と名高い前作とはややテイストは変わっているものの、また異なる珍奇な物語が描かれており、記事執筆時点でSteamユーザーレビューでは約2500件中94%が好評とする「非常に好評」ステータスとなっている。
本作は発売時から日本語に対応している。プレイする上では物語は理解できるものの、「言葉のロジック」が重要で、英語をベースとした謎解きがあり、筆者も含め日本語版プレイヤーにとっては言語面の解明が難しく詰まる状況もあった。
そんな中、DLCの発売あわせで、中村ゆぴ香氏が翻訳をやり直したようだ。中村氏は前作『The Case of the Golden Idol』の日本語訳も提供。同作の日本語化は、単なる英語の日本語翻訳だけでなく、内容にあわせたテキスト調整も行なわれていた。同様のアプローチをしたとのこと。シリーズのことを深く理解したプレイヤー&翻訳者による日本語が実装されたというわけだ。経緯などについては同氏のnote記事を読んでほしい。筆者の所感として、各所日本語をチェックしてみたが、キャラの関係性や事件現場などを示すテキスト表現がより日本語に寄り添ったものとなっており、読みやすくなっている印象だ。


『The Rise of the Golden Idol』はテキスト表現で難易度ががらっと変わるゲームであるだけに、こうした翻訳によって遊びやすくなるのは嬉しいところだ。DLCの第一弾の主役は刑事ロイ・サムソン。本編でも登場したサムソンの活躍が描かれる。DLCは第四弾まで予定されており、2000円のDetective Passを買えばすべてプレイできる。本編をプレイして気に入った方は、こちらもチェックしてみてほしい。前作のDLCは難易度が非常に高かっただけに、本作DLC群の難易度は気になるところである。
『The Rise of the Golden Idol』は、PC(Steam)/PS5/PS4/Xbox/Nintendo Switch向けに配信中である。Netflixからはサブスクユーザー限定のモバイル版も配信中だ。