PS5『ゴースト・オブ・ヨウテイ』をきっかけに最高の「タイトルどーん演出」談議に花が咲く。一番アガるオープニング選手権
『Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)』タイトル演出がきっかけになり、「イチオシタイトル演出」を紹介しあう動きが盛り上がりを見せている。

近年ではプロローグを終えたタイミングなどに、ゲームタイトルのロゴが演出とともに表示されるシネマティックな演出も一般的になってきた。このたびは『Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)』のタイトル表示演出をあるユーザーが紹介したことを機に、SNSで「イチオシタイトル演出」を紹介しあう動きが盛り上がりを見せている。なお本稿では『Ghost of Yōtei』の内容に触れているためネタバレには留意されたい。
発端となったのはXユーザーのsumoguri2323(魔物の煮物)氏の投稿。同氏は10月2日にPS5向けにリリースされた『Ghost of Yōtei』のタイトルロゴが登場する演出に言及した。
『Ghost of Yōtei』ではまず主人公の篤が家族の仇である「羊蹄六人衆」の殺害のため、当時の蝦夷地(北海道)に戻るところから物語が始まる。そしてプロローグの締めくくりには馬を駆る篤が藪を抜け、草原を駆け抜けるシーンに移行。この際にSucker Punch Productionsのロゴが映ると同時にBGMが流れ、プレイヤーは篤が乗った馬を操作できようになる。そうして坂を下っていくと、岩場にたどり着き一時停止。羊蹄山を背景に、『Ghost of Yōtei』と大きくロゴが表示されるのだ。sumoguri2323氏はゲーム史上最高のタイトル演出として、一連のシーンを称賛している。
なお本作のチュートリアルでは仇のひとりである「蛇」との壮絶な決戦が繰り広げられ、血なまぐさく陰鬱なシーンが続く。そこから一転して広大な蝦夷地を駆ける壮大さや爽快感が際立つ場面といえる。また、本作における象徴的存在である羊蹄山を背景にしたタイトルロゴ表示には、馬を駆るプレイアブルなシーンから途切れることなく移り変わる。美しく広大な蝦夷地での冒険の始まりを実感させるシーンとなっており、そうした演出がsumoguri2323氏をはじめさまざまなユーザーから評価を受けているわけだ。
この投稿を支持する声も数多くみられる一方で、これをきっかけに、本作以外の「一番タイトルの出し方が印象的な作品」を挙げるユーザーも現れている。いわば“タイトルの出し方選手権”といった様相を呈しているかたちだ。
たとえば『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、BotW)は印象的なタイトルとして多くのユーザーから名前が挙げられている。『BotW』では回生の祠で目覚めたリンクがゼルダの声に導かれ洞窟を出ると、視界が開け、ハイラル城やデスマウンテンなど、ハイラルの地を一望しつつタイトルロゴが右下に登場する。オープンエアと標榜される本作のゲームプレイの幅広さや、フィールドの広大さを端的に示すタイトル演出といえる。

ほかにもあるユーザーは『風ノ旅ビト』が一番印象的と述べている。同作では、人のいない砂漠を歩き、小高くなった丘を登りきると、空の部分に『風ノ旅ビト』と表示される。BGMが流れることもない物静かな始まりであり、「言葉」が作中にほとんど登場しないまま美しく幻想的な世界で旅をする『風ノ旅ビト』の雰囲気に合致したものだろう。

そのほかゲームプレイは一度ムービーによって中断されるものの、BGMや原作を意識した演出といった観点もあってか、『ホグワーツ・レガシー』を挙げる声も散見された。『ホグワーツ・レガシー』はホグワーツ魔法魔術学校への転校初日に事件に巻き込まれるトラブルがあるものの、無事にホグワーツに到着。そして同行していたフィグ先生の言葉とともに、映画「ハリー・ポッター」シリーズのメインテーマでもある「ヘドウィグのテーマ」の一節が含まれたテーマ曲が流れ始める。
そしてホグワーツ特急やフクロウが映し出され、「賢者の石」のワンシーンを彷彿とさせるような画角でホグワーツ城が映し出される。『ホグワーツ・レガシー』そのものを印象付けるシーンというだけでなく、シリーズファンにとっても印象に残るタイトル演出となっているわけだ。

ゲームの導入でおこなわれるタイトル演出については、チュートリアルや軽めの操作説明などを経て、本格的なゲームプレイに移行する場面で差し込まれることが多い。そのため作品におけるゲームプレイも織り込んだ象徴的なシーンとして描かれることも多く、タイトルロゴが映る演出は記憶に残るシーンの筆頭といえるだろう。今回も最新作『Ghost of Yōtei』をきっかけに年代やジャンルの異なるさまざまなゲームが“タイトルの出し方選手権”として並んでおり、タイトル演出がゲーマーの記憶に刻まれていることを物語っているだろう。