デベロッパーのIceSitruunaは7月26日、『フロンティアハンター ~エルザの運命の輪~』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS5。しかしある事情からPS5版だけ価格が高く設定されており、開発元が事情を説明。PS5版に向けた専用コンテンツを制作するなど対応を告知している。
本作はメトロイドヴァニアスタイルの2.5Dアクションゲームだ。舞台となるのは、剣と魔法が織りなすファンタジー世界。主人公となるエルザは帝国政府軍の新鋭ハンターとして飛空艇ストーム号に乗り、辺境の地の冒険に繰り出す。しかしストーム号は魔物の襲撃によって故障。エルザはストーム号を修理するため、周囲を探索することとなる。
本作は2022年12月に早期アクセス配信を開始し、1年半以上をかけ数々の要素が実装され、ブラッシュアップされてきた。そして7月26日、ついに正式リリースを迎えたわけだ。
リリースにあたってはゲーム本編のみの通常版と、デラックスエディション(豪華版)が登場。豪華版にはキャラクターの見た目を変更できるコスチュームやヘアスタイルのDLCが付属。ほかにもサウンドトラックや、初心者用のアイテムパックも含まれている。これらのソフトの価格について、PS5版だけ「やけに高価だ」と相次いで指摘されている。
実際に税込価格を確認すると、Steamでは通常版が定価2800円、デラックスエディションは5380円。Epic Gamesストアではやや安いものの、通常版が2480円、デラックスエディションは4380円と同水準になっている。GOG.comでは米ドル表記で通常版が24.99ドル、デラックスエディションが40.78ドルとなっている。為替レートにより価格は変動するものの、それぞれ約3800円、約6300円となっている。手数料などもあるために、プラットフォームごとで多少の価格の違いは確認できるが、それでも特段大きな差は無いように見える。
ここでPS5版の値段を確認すると、通常版は6050円。豪華版として販売されているデラックスエディションは9790円となっている。先のPC版各プラットフォームの価格と比較してみると、PS5向けの通常版が、PC向けに発売されているデラックスエディション並みの値段となっていることがわかる。内容には違いがないはずであるが、どうしてここまで値段の違いが生まれてしまったのか。この件について本作公式は本日、ユーザーへの謝罪とともに、価格の違いについて声明を発表した。
本作公式によれば、PS5版の価格を設定する際に、WSP価格(卸価格)をデジタル版の最終的な価格と誤認してしまったとのこと。つまりプラットフォームの手数料などが適用されることを考慮すべき価格を、最終的にユーザーが払う販売価格だと間違えて設定してしまっていたようだ。そのためPS Storeにおけるソニー側の取り分である30%が、本来想定していた販売価格に上乗せ。PS5通常版でも6050円と、他プラットフォームに比べ割高となったとのこと。
IceSitruunaはこの価格についてソニーと話し合ったものの、短期間で価格は変更できないとの結論が出たという。そのためPS5版はこのままの価格で販売を継続するものの、お詫びとして、PS5版専用のコンテンツを制作すると発表した。なおIceSitruunaの声明では、割高となってしまった価格に納得できない人はセールを待ってほしいとし、「より良い割引」を提供するとした。他プラットフォームより、割引率などが高く設定されるのかもしれない。
今回IceSitruuna側の勘違いによって、PS5版だけやたら高額となってしまった『フロンティアハンター ~エルザの運命の輪~』。以前にも類似のケースがあり、別の開発元Team EARTH WARSによる『LOST EPIC』やサイバーコネクトツーによる『戦場のフーガ』について、PS版のみ価格が間違っているとして発売が一時停止されたことがあった(関連記事)。IceSitruunaと同じ間違えが原因かは不明なものの、PS版のみの価格間違えはほかにも類似例がある。価格設定については、プラットフォームごとの違いに注意を払う必要があるようだ。
なお後日実装予定とされている『フロンティアハンター ~エルザの運命の輪~』PS5版専用のコンテンツについては、本稿執筆時点では具体的な内容は明かされていない。おそらくは公式SNS上で発表されるものと思われる。続報が待たれるところだ。
『フロンティアハンター ~エルザの運命の輪~』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS5向けに販売中。