「13日の金曜日」の新作ゲーム開発中。「権利争い」がついに決着し、再始動

映画「13日の金曜日(Friday the 13th)」シリーズを題材とする新作ゲームが開発中であることが明らかとなった。

Horror Inc.のバイスプレジデントを務めるRobbie Barsamian氏は、映画「13日の金曜日(Friday the 13th)」シリーズを題材とする新作ゲームを開発中であることを明かした。海外メディアBloody Disgustingが報じている。

「13日の金曜日」は1980年公開のホラー映画だ。いわくつきのクリスタルレイクのキャンプ場を舞台とした作品であり、2作目以降でシリーズの代名詞でもある殺人鬼ジェイソンが本格的に登場。3作目以降にはホッケーマスク姿のキャラクターとして定着し、さまざまな作品がシリーズ展開されてきた。

今回サンディエゴ・コミコンにて、「13日の金曜日」シリーズの版権を保有するHorror Inc.のバイスプレジデントを務めるRobbie Barsamian氏が、同シリーズの新展開についてコメント。映画とゲームそれぞれの続編(new sequel movie and new sequel game)が最優先事項であるとして、現在同社が注力していることを明かした。いずれも正式発表する段階にはないものの、パートナー企業により制作中のようだ(GamesRadar+)。

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*『Friday the 13th: The Game』(2017年発売)のトレイラー


なお、「13日の金曜日」を題材とするゲームなどの展開については、同作の版権争いによる影響で一時的に足踏みしていた。たとえば直近では、IllFonicが手がけGun Mediaより2017年5月に発売された『Friday the 13th: The Game』が人気を博していたものの、サービス停止となっている。同作はプレイヤーが殺人鬼ジェイソンと、キャンプ場を訪れた若きカウンセラーたちに分かれて争う、1対7の非対称型マルチプレイホラーゲーム。原作のロケーションやサウンド、処刑アニメーションを再現したファン必見の作品として注目を集め、ローンチ当初アクセス過多が発生するなど、盛り上がりを見せていた。

同作はアップデートも続けられていたが、映画「13日の金曜日」1作目の脚本家Victor Miller氏とHorror Inc.との間で版権争いが勃発。それに巻き込まれる形で2018年6月に『Friday the 13th: The Game』は開発の無期限停止を余儀なくされた(関連記事)。その後2018年9月には開発元がIllFonicから日本のBlack Tower Studiosにバトンタッチ。新規コンテンツが作れない中でも、バグ修正やメンテナンスなどは継続されていた。

『Friday the 13th: The Game』


しかし2023年6月にGun Mediaは、ライセンスが失効するため2023年末に本作の販売を終了すると告知。さらに2024年末にはオンラインサービスも終了され、所有者であってもオンラインマルチプレイはできなくなっている。「13日の金曜日」の権利関係が不確かな中で、同IPを使ったゲームの展開が困難になったわけだ。

そして、先述したMiller氏とHorror Inc.との間の訴訟はMiller氏が勝訴し、そのまま判決が確定。不確定な権利状況は解消された。またこれを受けてMiller氏とHorror Inc.、およびStriker Entertainmentの提携が表明され、Horror Inc.によるシリーズ45周年施策である「Jason Universe」として新作が展開されることが表明されていた(Licensing International)。『Friday the 13th: The Game』が巻き込まれた争いが決着し、「13日の金曜日」関連作品の展開がふたたび期待できる環境が整ったかたちだ。

そうしたなかで今回、正式発表ではないもののゲームが開発中であることが明言された。“続編”という表現が用いられており、既存の作品の流れを汲むゲームとなる可能性もうかがえる。どのような作品となるかは未知数ながら、人気を博した『Friday the 13th: The Game』がリブートされることも期待されるところだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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