『Alan Wake』開発元、協力超常アクションFPS『FBC: Firebreak』が売れ行き低迷と告白。「可処分時間への配慮」 掲げる新作
Remedy Entertainmentは10月10日、2025年度の業績予想を下方修正したと発表した。

デベロッパーのRemedy Entertainment(以下、Remedy)は10月10日、2025年度の業績予想を下方修正したと発表した。今年6月に発売した協力型アクションFPS『FBC: Firebreak』の販売不振が理由だという。
本作は、Remedyの人気作『Control』と世界観を共有する3人協力マルチプレイPvEゲームだ。異世界からの襲撃を受け超常現象が発生中の連邦操作局(FBC)本部を舞台とし、プレイヤーは当局の初動対処部隊の一員として、その脅威を食い止めることを目指す。

『FBC: Firebreak』は、今年6月にPC/PS5/Xbox Series X|S向けに発売。『Control』や『Alan Wake』シリーズといったシングルプレイゲームを手がけ高い評価を得てきたRemedyの初のオンラインマルチプレイゲームとして注目を集めたが、ユーザー・メディア双方からの評価は伸び悩んだ。また、累計プレイヤー数としては発売から10日で100万人を突破したものの、Steam版の同時接続プレイヤー数を確認するとローンチ時の約2000人をピークに、その後はほぼ二桁台で推移(SteamDB)。あくまでSteam版のみの数字ではあるが、マルチプレイゲームとしてはかなり厳しい状況であることがうかがえる。
本作のSteamでのユーザーレビューは、本稿執筆時点で約1700件のうち67%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。不評が多い背景には、各種アンロック要素に時間がかかることやコンテンツ不足などが挙げられ、また開発元がプレイヤーの可処分時間に配慮しチュートリアルを簡略にしたことが、かえってプレイヤーの混乱を招いた点もあった。先月9月に配信された初の大型アップデートでは、そうした不満の声に対応する改善が実施されている(関連記事)。

今回Remedyは、本作の販売が低調であることを投資家向けの発表の中で認めた。先述した大型アップデート後には、プレイヤー数や売れ行きの改善が見られたものの、社内の売り上げ目標にはまだ達していないとのこと。これを受けて同社は、1490万ユーロ(約26億円)の減損損失を計上。また、本作の長期的な売り上げの見通しと、2025年度の業績予想を下方修正した。後者については、当初は売上高および営業利益の前年比での増加と、営業利益の黒字を見込んでいたが、修正後には売上高の前年比増は据え置いたものの、営業利益は前年を下回り赤字になるだろうと示された。
なお、本作の今後についてRemedyのCEO Tero Virtala氏は、今回下方修正した長期的な売り上げの見通しに基づき、将来の投資とのバランスも取りながら、開発と改善を続けていくと述べている。
『FBC: Firebreak』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中。PS PlusのゲームカタログおよびXbox/PC Game Pass向けにも提供されている。