『DOOM』をなんと「キャプチャ認証」に移植した人現る。最高難易度で敵3体を倒すまで、人間として認められない

ゲームではない電子機器など、ファンメイドにより数多くの媒体への“移植”が成されてきた傑作FPS『DOOM』。そんな本作をキャプチャ認証として作り上げた企業が現れた。海外メディアPC Gamerが報じている。

『DOOM』といえばid SoftwareがMS-DOS向けに開発し、1993年に発売されたFPS黎明期の代表作。ファンから根強い人気を誇る作品だ。本作のソースコードは同社より非営利目的向けに一般公開されており、ソフトウェアの互換性が高いことで知られている。そのため、かねてよりマニアたちによって、ゲームに限らないあらゆる媒体への移植がなされてきた。そのなかには妊娠検査キットや冷蔵庫、ダイヤル式電話といった、奇抜な移植も存在する（関連記事1、関連記事2）。

このたび、そんな『DOOM』が「キャプチャ認証」に移植されたことが注目を集めている。クラウドプラットフォーム技術を手がけるVercel社の代表取締役Guillermo Rauch氏が公開している。キャプチャ認証といえば、各種サイトのアカウントへのログイン時などに採用されている認証システム。おもにスパム対策の一環として、ユーザーがBotか人間かを区別するために用いられる技術だ。一般的には生身の人間にしか判別がつかないような見づらい文字、数字、画像などが表示され、それに正しく回答することで人間と機械を区別している。

しかしGuillermo氏が考案した『DOOM』によるキャプチャ認証は、「敵を3体倒す」ことで解除される内容となっている。つまりユーザーはキャプチャ認証『DOOM』のなかで敵を3体倒せるまで、人間としては認められないということだ。

キャプチャ認証式の『DOOM』の操作方法は、PCであれば移動にキーボードの十字キー、射撃にスペースを用いるシンプルな内容となっている。ただし難易度は最高難度のNightmareモードに設定されているようで、敵の移動速度がかなり速い仕様だ。

『DOOM』によるキャプチャ認証は、さまざまな媒体で動く『DOOM』をトピックとする海外掲示板RedditのSubreddit「Will it run DOOM?」でも早速話題となり、プレイヤーが挑戦を続けている。なかには「私は機械だったようだ」として、やたら難易度の高い認証に人間と認めてもらえなかったという悲鳴も見られる。また「突っ切るとハチの巣にされるので、一歩下がって相手から来てもらうのが良い」といった攻略指南なども投じられ、賑わいを見せている。

ちなみにGuillermo氏によると、『DOOM』によるキャプチャ認証はUIにはVercel社のウェブ開発エージェントv0が用いられており、WebAssemblyおよびSDLライブラリが利用されているとのこと。Vercel社のノウハウが活かされているようで、難易度はともかく、本格的なキャプチャ認証システムとしては実用性があるのかもしれない。

なお「Will it run DOOM?」ではほかにも数多くの媒体で本作の移植が試みられており、直近ではクレジットカードに移植するなど奇抜なアイデアが日常的に投稿されている。今後も現れるであろう新たな『DOOM』移植をチェックしてみるといいだろう。