『フォートナイト』、「チーターが一度だけ永久BANを許され1年BANになる」新ポリシー導入へ。“過ちからの学び”に期待するとして

Epic Gamesは2月27日、『フォートナイト』のチート対策に関する最新情報を公開した。4月より初回のチート行為に対する利用禁止処分が1年の期限付きに変更される。

Epic Gamesは2月27日、『フォートナイト』のチート対策に関する最新情報を公開した。新たな要件としてWindowsではセキュリティ機能の有効化が必須となったほか、4月より初回のチート行為に対する利用禁止処分が1年の期限付きに変更される。

『フォートナイト(Fortnite)』はUnreal Engineなどを手がけるEpic Gamesが開発・運営している、基本プレイ無料のTPSバトルロイヤルゲームだ。対応プラットフォームはPC(Epic Gamesストア)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Android。 2025年内には日本のiOS向けにも再リリース予定だ。本作は2017年より先行アクセス版の配信を開始され、現在でも幅広い年齢層から人気を博している。また、賞金/賞品のある競技イベント「トーナメント」が定期開催されているのも特徴だ。


今回公開された情報によると、トーナメントにWindowsで参加する場合はTPMおよびセキュアブートというセキュリティ機能を有効化することが必須となる。OSレベルでのチート対策が強化されることとなり、2月27日より有効となっている。

また、4月より初回のチート行為に対するBAN(利用禁止処分)が1年間の期限付きに変更にされるという。「健全性を保つことが最優先」としつつ、「過ちから学んだプレイヤーにやり直すチャンスを与えることも重要」という考えがあるようだ。この変更にともない、1年以上前の永久BANも解除されるとのこと。

変更の詳細としては、1回目のチート行為はBANされつつもチャットなどは可能で、1年後には通常通りプレイできるようになり、2回目のチートでは永久BANされる。トーナメントでチートした場合は上記に加え、トーナメントからの即時永久追放と過去のトーナメント賞品が没収される。なお、チートの販売やその他の違反行為による永久BANは引き続き有効だ。加えて、法的措置を講じる可能性に触れられており、現在進行中の訴訟についても複数報告されている。

チート行為に対して各社がさまざまな取り組みをおこなっている中で、いわゆるセカンドチャンスを与えるポリシーの導入は珍しいと言えるだろう。類似事例としてはマイクロソフトの違反点数システムが挙げられる。このシステムではチート行為や不適切な言動などにより違反点数が6か月間累積され、8点まで累積すると1年間Xboxのソーシャル機能が利用できなくなる。マイクロソフトによると、過去に処分を受けたプレイヤーのうち、2回目の処分を受けたプレイヤーは3分の1であり、1度の違反から学びを得て不適切行為をやめる傾向があるというデータがあるようだ(関連記事)。

今回のEpic Gamesの発表でも、「過ちから学ぶ」というフレーズがあることから、同様の見解をもってセカンドチャンスを与えるポリシーの導入に至ったのだろう。過去には、当時17歳の人気プロプレイヤーであるJarvis氏がチート行為により永久BAN。この際にはJarvis氏からは反省と謝罪を述べる動画も投稿されており、競技イベントではなくソロなどでの初回チートであったこと、また永久BANがプロである同氏の人生を台無しにしかねないことなどから擁護する声も上がっていた(関連記事)。こうした意見もみられたことが今回のポリシー変更の一因としてあるのかもしれない。ちなみに、Jarvis氏は今回のポリシー変更に対して、「これが本当であってくれ」という喜びとも懇願とも取れる反応を寄せている。

競技イベントでなくとも、チーターが一人でもいるマッチングでは他のプレイヤーたちが体験を阻害されてしまう。しかしながら、特に若いプレイヤーは悪影響を認識できずに軽い気持ちでチートを使う事例もあり、1年間の利用停止というペナルティを教訓として“更生”することが期待されているのだろう。とはいえ実質的にチート行為の罰則が緩和されることもあり、今後チーターの数が変動するのかどうかといった動向は注目される。

Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

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