Xboxにて“運転免許証”のような悪質プレイヤー取り締まり新システム発表。違反点数を累積、最大1年間オンラインから締め出す

 

マイクロソフトは8月16日、Xbox One/Xbox Series X|Sにおいて悪質なプレイヤーを取り締まる新システムを導入することを発表した。違反点数が累積されていく、運転免許証のような仕組みが採用されるそうだ。


今回マイクロソフトが発表した「Enforcement Strike System」は、Xboxプラットフォームのオンライン上で不適切な言動をおこなったプレイヤーを取り締まる新システムだ。ユーザーのおこなった行為に応じてStrikeという指標が最大8点まで累積されていき、最大までStrikeが累積された場合、1年間Xboxのソーシャル機能を利用できなくなるという。こうした仕組みを公式は、運転免許証のような取り締まりシステムと説明している。

新システム導入後、すべてのプレイヤーはStrikeが0の状態からスタート。プレイヤーが不適切な言動を通報された場合、Xboxのセーフティチームにより通報の内容が検討されるという。この際、たとえ大量に通報が寄せられたとしても通報内容が不正確であれば取り締まりがおこなわれることはないとされている。

セーフティチーム内で検討された結果不適切と見なされれば、プレイヤーがおこなった行為に応じてStrikeが累積。具体的にはゲーム内での不正行為(cheating)や口汚い言葉(profanity)には1点、性的に不適切な言動(Sexually Inappropriate)やハラスメント・いじめ行為(Harassment or Bullying)には2点、ヘイトスピーチ(Hate Speech)には3点のStrikeが累積されるようだ。なおプレイヤーは取り締まりに対して不服を申し立てることが可能であり、申し立てが認められれば対応する分のStrikeは無効になるとのこと。


すべてのStrikeは6か月間残り続け、その間に新たに不適切な言動をおこなうとさらに累積されるようである。また、Strikeの点数に応じてXboxのソーシャル機能などが停止されると見られる。1点および2点では1日、3点では3日、4点では7日、5点では14日、6点では21日、7点では60日間の停止期間が設定されている。そして最大である8点のStrikeが累積されると、メッセージ機能・パーティ機能・パーティチャット・マルチプレイなどのソーシャル機能利用を365日間停止する措置がとられるようだ。

一方、停止措置がとられたアカウントであっても、シングルプレイゲームを遊ぶことはできるそうだ。購入したコンテンツへのアクセス権を失うことはないという。ただし違法行為を含むもっとも深刻な違反を犯した場合、購入したコンテンツへのアクセス権を含めたアカウントのすべての機能が永久に停止される可能性もあるとされている。

なお公式によると、2022年に従来の通報システムによって一時的な処分を受けたプレイヤーは全体の1%未満だったそうだ。そのうち、2回目の処分を受けたプレイヤーはわずか3分の1だったという。そのため公式は、プレイヤーは基本的に1度目の処分によって違反となる基準を学び、不適切行為をやめるという見解をもっているようだ。今回の新システムにもそうした見解が反映され、プレイヤーが違反を繰り返さないような仕組みとして考案されているのだろう。なお不適切行為の取り締まりに関しては、今後も年に2回公式報告がおこなわれ、データや最新情報がユーザーと共有されていくそうだ。


Xboxでは先月7月に不適切な発言を通報するためのボイスチャットの録音機能が発表されたばかり。今回ボイスチャットに限らず、オンライン上の不適切行為を取り締まる新たなシステムが発表された格好だ。オンラインゲームにおいては有害な言動をおこなうユーザー(toxic)の存在が問題視されることがしばしばあり、PlayStation 5でも不適切なボイスチャットの録音・通報機能が導入されている。Xboxでもプラットフォーマ―側がそうした問題への対処を積極的に進める姿勢がうかがえる。