『FF7』オリジナル版ディレクター北瀬佳範氏、同作で「3人パーティ化」した理由をファンに明かす。それまでの4人から、3人になった2つの理由

『ファイナルファンタジーVII』にてプロデューサーを務める北瀬佳範氏がAMAにてユーザーの質問に回答。そこでは『FF7』オリジナル版および『FF8』が3人パーティとなっていた理由を明かしている。2つの理由があったそうだ。

ファイナルファンタジーVII』(以下、FF7)リメイクシリーズにてディレクターを務める浜口直樹氏、およびプロデューサーを務める北瀬佳範氏に向けて、AMA(Ask Me Anything・何でも訊いて)がおこなわれた。このなかで北瀬氏はユーザーの質問に回答するかたちで、『FF7』オリジナル版および『FF8』が3人パーティとなっていた理由を明かしている。

『FF7』リメイクシリーズはオリジナルの『FF7』をリメイクし、三部作で展開される予定の作品。リメイクシリーズにてグラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、アクションベースに変化。なお現時点では二作品が展開されており、第二作『FF7 リバース』はPS5向けに2024年2月に発売。PC(Steam/Epic Gamesストア)向けにも2025年1月23日リリース予定だ。同作はミッドガル脱出を果たしたクラウドたちが広大なワールドマップの中でセフィロスの影を追う、自由な探索をコンセプトとする作品。オリジナル版における「忘らるる都」までの物語をベースとしたストーリーが繰り広げられる。

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先日12月13日に開催されたゲームの祭典「The Game Awards 2024」に際して、Redditでは翌12月14日に『FF7 リバース』の開発者AMA企画がおこなわれた(関連記事)。リメイクシリーズにてディレクターを務める浜口直樹氏およびプロデューサーを務める北瀬佳範氏に対し、ファンからは多くの質問が寄せられた。その中で、『FF5』や『FF6』などの開発に携わり、『FF7』オリジナル版および『FF8』ではディレクターを務めた北瀬氏に向けて「なぜ『FF7』と『FF8』では、それまでのシリーズ作品の標準であった4人パーティから、3人パーティに減らされたのか」といった質問がおこなわれた。

北瀬氏は3人パーティに減った理由として、技術的な制限があった点と、ゲームプレイにおける利便性の点を挙げた。まず技術的な制限としては、『FF7』と『FF8』はPlayStationにて発売された作品であることが関係している。両作品は2Dグラフィックを採用していた『FF6』までとは異なり、キャラクターには3Dグラフィックを採用。しかし当時は描画できるポリゴン数に制限があったという。そのため両作品では、パーティの人数上限をひとり減らすことになったそうだ。

『FF7』

そしてゲームプレイとしては、ATB(アクティブタイムバトル)との兼ね合いもあったという。アクティブタイムバトルとは、『FF4』から導入された、リアルタイム制のバトルシステムである。ターン制とは異なり、敵味方それぞれに「待機時間」が設定され、待機時間が経過したら行動可能となる方式だ。また各行動にはさらに準備時間の経過を待つ必要がある。その後攻撃などのコマンドを実行。コマンド実行後はまた待機時間に戻る、という仕組みである。

ATBにおいては待機時間などのゲージを確認する必要がある。さらに『FF7』ではマテリアの組み合わせによって魔法や召喚が各キャラに幅広く設定可能。そのほか『FF8』はコマンド「ドロー」によって、魔法をストックするか放つかを選ぶシステムや、ジャンクションによるコマンドの設定も存在。『FF7』でも『FF8』でも特有のバトルシステムが用意されている。そのため北瀬氏によれば当時、4人パーティだと情報が多すぎ、プレイヤーが混乱してしまう可能性があると判断。3人パーティが戦闘中に戦略を立てつつ戦える最適な人数だという考えも、パーティ人数が減らされた一因となったようだ。

『FF8』

ちなみに『FF9』では4人パーティに戻ったものの、以後のシリーズ作品では、『FF10』や『FF13』など、基本的にはパーティ人数を3人上限とするものが多い。当時の最新機種向けに開発されたり、作品ごとに異なるバトルシステムが展開されたりしてきた『ファイナルファンタジー』シリーズにおいては、3人パーティが最適な人数という判断が伝統的にとられてきたのかもしれない。

なおさらに近年にリリースされた『FF15』『FF16』や『FF7』リメイクシリーズでは、戦闘がアクションベースへと変化した。このうち『FF16』と『FF7』リメイクシリーズでは、アクションでの戦闘が苦手なプレイヤー向けに配慮するアクセシビリティやバトルモードが用意されていた。シリーズ作品ごとに特徴的なバトルシステムが用意されることもあり、プレイヤーが順応しやすくなる工夫も図られてきたのだろう。

いずれにせよ『FF7』の発売から17年以上を経て、シリーズの新基準ともいえる3人パーティ化の裏側が示されたのは興味深い。今回のAMA(英語)ではほかにも多種多様な質問に対して北瀬氏と浜口氏が答えているので、興味のある人はチェックしておくといいかもしれない。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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