Epic Gamesが、Googleとサムスン相手に訴訟を起こす。Galaxyの「自動ブロッカー機能」を巡って

Epic Gamesは9月30日、Googleとサムスンを相手取り、訴訟を提起したことを発表した。Epic Gamesはサムスン製端末の「自動ブロッカー機能」が競争を阻害していると主張し、同機能を端末のデフォルト設定から排除するように求めている。

Epic Gamesは9月30日、Googleとサムスンを相手取り、訴訟を提起したことを発表した。Epic Gamesはサムスン製端末の「自動ブロッカー機能」が競争を阻害していると主張し、同機能を端末のデフォルト設定から削除するように求めている。

自動ブロッカー機能とは、「Galaxy」などのサムスン製端末におけるセキュリティ機能だ。Google PlayストアおよびGalaxy Store外の、サードパーティのアプリのインストールを防止することで、デバイスとデータを保護できるとされている。2023年10月に導入され、2024年7月からは同社の端末にてデフォルト設定となっている。


Epic Gamesは、自動ブロッカー機能を適用している状態ではサードパーティのアプリをインストールするために「21段階のステップ」が必要になると説明。一例として同社のEpic Gamesストアアプリをインストールする際の手順を紹介している。自動ブロッカー機能ではファイルが有害な可能性があるといった警告表示とともに、多くの工程を要する手順が設けられている格好だ。

今回Epic Gamesは自動ブロッカー機能について、公平な競争を阻害し、Google Playストアを優遇するための機能であると主張。Googleとサムスンを相手取り、訴訟を提起したことを発表した。Epic Gamesはサムスンがデフォルト設定での自動ブロッカー機能を削除し、同社端末にて公平な競争を可能とすることを義務付けるように裁判所に求めているとのこと。

Epic Games側の説明の一部

なおEpic Gamesは2020年に、同社がモバイル版『フォートナイト』に独自の決済手段を実装したことをきっかけに、AppleおよびGoogleが規約違反だとして同作がストアから削除。これを受けEpic Gamesは、反トラスト法(いわゆる独占禁止法)違反などとして両社を訴え裁判に発展していた。このうちGoogle側との裁判は、昨年12月に陪審員の満場一致の評決を受けてEpic Games側が勝利を果たし(関連記事)、同社の要求を巡って裁判所を通してGoogle側での検討が進められていた。

なおそうした裁判の結果や、EUにおけるDigital Markets Act(デジタル市場法)成立による市場の潮目の変化もあってか、配信停止となっていたモバイル版『フォートナイト』およびEpic Gamesストアについては現在各国で順次配信が開始されている(関連記事)。

ただ、今回の提訴においてEpic Gamesは、先述した陪審評決を受けて、Google側がサムスンと連携して自動ブロッカー機能を用意し、先手を打つ形で裁判所による救済策を損なおうとしていると主張。またEpic Gamesは、陪審評決において「Googleの反トラスト法違反に関する市場において、不当に取引を制限する契約を締結していた(Google entered into one or more agreements that unreasonably restrained trade in a relevant antitrust market)」との指摘がおこなわれた点にも言及。「自動ブロッカー機能」はそうした指摘を根底から覆していると主張している。

Google、そしてサムスンを相手取り、新たにEpic Gamesが提訴した自動ブロッカー機能を巡る裁判。なおEpic GamesはAppleとの間でも、モバイル向け展開を巡って火種を抱えている様子も見られる(関連記事)。今後も、GoogleやAppleといったモバイルプラットフォーマーとEpic Games間の争いがどのように決着を見せるかは注目されるところだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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